カナダのアルバータ州カルガリーで開催されるISU世界ジュニアフィギュアスケート選手権2023で、フィギュアスケートの世界ジュニア王者が新たに誕生する。
大会日程は2月27日〜3月5日。最初の2日間が練習にあてられ、3月1日からの4日間で世界最高の若手スケーターたちがカルガリー1988冬季オリンピックの舞台となったカナダ・オリンピック・パークでパフォーマンスを披露する。男子シングル、女子シングル、ペア、アイスダンスの4種目が行われ、およそ180人の選手がジュニア世界一の座をかけて、会場となるウィンスポーツ・アリーナの氷上を舞う。
昨年の大会で優勝したジュニア選手たち全員が今シーズンからシニアに移行したため、すべての種目で初王者が誕生することになる。
その座を手にするのは誰なのか? 世界ジュニアの注目のスケーターを紹介しよう。
島田麻央やニコライ・メモラなど、ジュニアGPファイナルの王者が登場
昨年12月に行われたジュニアグランプリ(GP)ファイナルで各種目を制した4人/組が、優勝候補として世界ジュニア選手権に出場する。男子シングルがニコライ・メモラ(イタリア)、女子シングルが島田麻央、ペアがアナスタシア・ゴルベワ&ヘクター・ジョトプロス・ムーア組(オーストラリア)、そしてアイスダンスが、地元期待のナディア・バシンスカ&ピーター・ボーモン組(カナダ)。
男子シングルでは、シニアの大会にも出場しているニコライ・メモラと三浦佳生が優勝候補として大会を盛り上げることが予想される。
12月にトリノで開かれたジュニアGPで優勝したメモラは、1月にニューヨークのレークプラシッドで行われたワールドユニバーシティゲームズで銅メダルを獲得。一方、三浦もGPファイナルのためにトリノにいたが、シニア部門に出場して5位に入賞。その後、四大陸選手権で優勝した。このふたりのほか、ジュニアGPファイナルで銀メダルを獲得したアメリカ合衆国のルーカス・ブルサードもメダル候補に挙げられる。
女子シングルはジュニアGPファイナルの再現となる可能性が高い。
島田麻央は再び大韓民国のシン・ジアと美しき戦いを繰り広げることになるだろう。昨年の世界ジュニア選手権とジュニアGPファイナルで銀メダルを獲得したシンと、日本の中井亜美(ジュニアGPファイナル4位)は、今シーズンのスコアで島田に最も近い選手だ。シニア・ヨーロッパ選手権で銅メダルを獲得したのキミー・レポン(スイス)も表彰台を狙って戦いに挑むことだろう。
ペア種目には今年は14組がエントリー。
昨年の銀メダリストであるアナスタシア・ゴルベワ&ヘクター・ジョトプロス・ムーア組は、オーストラリア勢にとって2017年以来となる金メダル獲得に期待がかかる。だが、ジュニアGPファイナル準優勝のソフィア・バラム&ダニエル・ティウメンツェフ組(アメリカ合衆国)が彼らに挑戦する。さらに、ヴィオレッタ・シエロワ&イヴァン・コブタ組(ウクライナ)や日本の村上遥奈&森口澄士組が上位を狙う。
アイスダンスの注目は地元期待のナディア・バシンスカ&ピーター・ボーモン組。
カナダのオンタリオ州を拠点とするバシンスカ&ボーモン組は、昨年の世界ジュニア選手権で銅メダリストを獲得しており、今回は地元の声援を後押しに表彰台の頂点に立つ絶好の機会となる。ジュニアGPファイナルで銀メダルを獲得した大韓民国のリム・ハンナ&イェ・クアン組が手強い相手となるだろう。