フェンシングとは?
フェンシングは、2人の選手が剣を使って攻撃と防御を行い、相手を打ち抜いて得点を得る格闘技だ。
現代フェンシングには、フルーレ、エペ、サーブル(サーベルともいう)の3種目がある。それぞれの種目は異なる種類の剣(名称は同じ)を使用し、独自のルールがある。
フェンシングはいつ、どこで、誰が考案した?
剣による戦いは紀元前1190年の古代エジプトまでさかのぼり、18世紀まで試合や決闘が行われていた。
フェンシングはもともと軍事訓練の一形態であり、14~15世紀にドイツとイタリアでスポーツとして発展し始めた。
ドイツのフェンシングの達人たちが最初のギルドを組織し、最も有名なのは1478年に設立された剣術家団体、聖マルコ兄弟団だ。
17~18世紀には、フルーレと呼ばれる先端が平らになった武器や、ターゲットエリアを規定するルール、ワイヤーメッシュのマスクが発明され、スポーツとしての人気が高まった。
最初の正式なフェンシング競技会である、グランドミリタリートーナメントとアサルト·アット·アームズが1880年にロンドンで開催され、16年後にアマチュア体操·フェンシング協会(現在の英国体操協会)がフェンシングの公式規定を作成。同じ年に1896年にアテネで開催された第1回近代オリンピックに参加した。
フェンシングのルールは?
フェンシングの試合は、2人のフェンサーとレフェリーによって行われる。選手は相手の体の指定された部分に剣を当て、得点を獲得することを目的として戦う。3種目とも、長さ14m、幅1.5m~2mのピストで行われる。後退してピストの外に出ると、相手に1点が与えられる。タッチは1回につき1点とし、各試合は3分×3ピリオド(ピリオド間に1分の休憩を入れる)制で行われる。最初に15点に達した選手、または第3ピリオドが終了した時点でリードしている選手が勝者となる。
団体戦では、各チームのメンバーが、相手チームのメンバー全員と1回ずつ対戦する(計9試合)。1試合は3分、あるいは5点先取で、それぞれの試合で獲得した得点は次の試合に持ち越される。9回目の試合が終了し、45点に達したチームがいない場合は、より多くのポイントを獲得したチームが勝者となる。
それぞれの種目の違いは?
フェンシングには、フルーレ、エペ、サーブルの3種目がある。フルーレは軽い突き系の武器、エペは重い突き系の武器、サーブルは軽い斬りと突き系の武器と、各種目ごとに異なる剣を使用する。
フェンシングとオリンピック
フェンシングは、1896年に開催された第1回の近代大会以来、オリンピックで常に実施されてきた5つの競技の1つだ。1896年のアテネ大会では3種目(男子個人フルーレ、男子個人サーブル、マスターズフルーレ)のみだったが、その後12種目に増え、それぞれの種目で男女の個人戦と団体戦が行われている。
注目のフェンシング選手
1つの種目に特化することが多い現代のフェンサーには、世界トップクラスのアスリートが数多く存在している。
2021年の東京2020オリンピックの個人エペで優勝、2022年の世界選手権では個人と団体エペで金メダルを獲得したロマン·カノヌ(フランス)、オリンピックで3度メダルを手にし、2019年の世界チャンピオンでもある孫一文(中国)らは、2024年のパリオリンピックで活躍が期待されるトップ選手の一角だ。