3月8日、東京オリンピック・女子マラソン代表選考会のMGCファイナル・チャレンジ最終戦「名古屋ウィメンズマラソン」が、愛知県のナゴヤドーム発着―42・195キロ間で行われ、一山麻緒(ワコール)が2時間20分秒29秒で優勝し、最後の代表の座を獲得した。
新型コロナウイルスの影響でエリートの部のみで開催された同大会は、東京マラソン同様、沿道での応援自粛を要請する形となり、雨のなかの号砲でスタートした。
記録更新最有力候補の安藤友香らが先頭グループを形成すると、オリンピック5大会連続出場を目指す福士加代子(ワコール)が15キロを超えたところで遅れ、1月の大阪国際女子マラソンに続き途中棄権。代表入りを逃した。
先頭集団が30キロ地点に差し掛かると、一山麻緒が抜け出し、安藤や佐藤早也伽(積水化学)を引き離すと、そのままゴール地点まで独走状態に入った。2月の丸亀ハーフで履き心地を試し、フルマラソンでは初使用となる厚底シューズで挑んだ一山は、松田瑞生が1月の大阪国際女子マラソンで挙げた2時間21分47秒を1分18秒上回る2時間20分29秒で優勝。東京五輪・女子マラソン最後の代表となった。
女子代表は、昨年9月のMGCの1位・前田穂南(天満屋)、同2位の鈴木亜由子(日本郵政)、そして一山の3人に決まった。
一山はレース勝利後、「30kmからが本当の勝負だと思っていたので、その通りの走りができたので嬉しいです。応援、サポートしてくれる人がたくさんいるので、その方のおかげでここまで来ることができて、一緒に喜ぶことができて本当に嬉しいです」と語った。五輪本番に向けては「世界と戦うにはまだまだ記録も劣っているので、オリンピックに向けてはもう一段階質の高い練習をして日本代表としてカッコいい走りができたらいいなと思います」と気を引き締めた。
また、滋賀県で行われた男子代表選考最終レースの「びわ湖毎日マラソン」では作田直也(JR東日本)が日本人首位の4位入賞も日本記録に及ばず、大迫傑が東京五輪代表となった。