【スピードスケート】北京五輪・女子|日本、2大会連続メダルラッシュへ盤石の布陣で挑む

1 執筆者 マンティー・チダ
Miho Takagi
(Getty Images)

前回の2018年平昌五輪ではメダルラッシュに沸いた女子スピードスケート。髙木姉妹や小平奈緒、佐藤綾乃といった金メダル獲得経験者が名を連ね、2大会連続メダルラッシュへ、盤石の体制となった。

◆髙木美帆は橋本聖子以来の5種目出場、全種目でメダルを狙う

髙木美帆は個人4種目を含め、5種目(500m、1000m、1500m、3000m、団体パシュート)に出場。5種目出場は1992年アルベールビル五輪の橋本聖子以来で、短距離から長距離までオールラウンドで挑むことになった。

前回の平昌五輪では銀メダルを獲得した1500m。2020年2月には1分49秒83の世界新記録を樹立し、今季もワールドカップ3試合で優勝した。2位との差も0.5秒以上引き離す快勝で、オリンピック本大会でも金メダルが有力視。2021年12月の北京五輪代表選考会では2位との差を2秒近くつけて圧勝し、順調な仕上がりを見せている。

平昌五輪で銅メダルを獲得した1000mにおいても、W杯のソルトレーク大会で優勝。トマショフ大会とスタヴァンゲル大会では2位に入るなど、こちらも世界トップクラスの成績を残している。敗れたのが、世界記録保持者のブリタニー・ボウ(米国)のみであり、タイムでボウの上に行くことが金メダルへの条件となりそうだ。

平昌五輪では金メダルを獲得した団体パシュートは、2020年に姉の髙木菜那、佐藤綾乃と組んで世界新記録を樹立し、今大会もメダル候補。ほかにも、500mでは選考会において好タイムで優勝。3000mでは4年ぶりに日本新記録を更新し、ディビジョンBながら1位に入るなど、全種目で世界と戦える実力を備える。

出場する全種目でメダルとなれば、前人未到の快挙を目にすることになる。髙木美帆の活躍から目が離せない。

◆小平奈緒は500m連覇へ

平昌五輪では500mで金メダルを獲得した小平も、虎視眈々と連覇を狙っている。今季W杯では、スタヴァンゲル大会の2日目で優勝。4レースで2位、1レースで3位と8レース中6レースで3位以上を記録するなど、安定感は抜群でメダルの有力候補である。

ライバルとなるのが、今季W杯4勝で世界ランキング1位のエリン・ジャクソン(米国)。アメリカ合衆国で行われた国内選考会では3位に終わり、オリンピック出場権を逃していたが、ジャクソンのライバルであり、選考会では500mを1位として出場枠を確保していたボウがその座を放棄し、ジャクソンに出場枠を譲った。調子を取り戻してくれば、侮れない存在である。

◆髙木菜那は2大会連続姉妹金メダルを視界に

1500mでは、佐藤にもメダル獲得のチャンスがある。髙木美の活躍で目立ってはいないものの、今季W杯ではスタヴァンゲル大会とソルトレーク大会で2位、カルガリー大会では3位に入るなど、3大会で表彰台に入っている。ボウやオランダ勢がメダル獲得へのライバルとなるが、髙木美とダブル表彰台も夢ではないだろう。

平昌五輪では妹の美帆との姉妹金メダルを果たした髙木菜は、1500mにも出場する。W杯では、ディビジョンAでレースができていないものの、2021年12月の選考会では小平を抑えて2位に入り、世界で戦える実力を備えてきた。マススタートの連覇とともに、個人種目で美帆との姉妹ワンツーフィニッシュも期待したい。

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