レスリング男子グレコローマンW杯イラン大会が社会情勢悪化で延期に
世界レスリング連盟(UWW)は11月28日から29日に予定されていた「男子グレコローマン・ワールドカップ・イラン大会」の延期を決定し、日本レスリング協会が伝えた。
今回、UWWはイラン国内各地で発生するデモで死者が多数出ている社会的情勢や各国外務省の勧告を受け、「アスリートとチームに対する(安全の)責任を考えると、国際大会を開催できる状況ではない」として男子グレコW杯の延期を決めた。19日にはハンガリーが不参加となり、急遽中国の出場が決まるなど大会前から混乱が生じていた。
男子グレコW杯は1980年に開始された、8カ国10階級による団体戦として行われる国際大会。男子フリースタイル、女子それぞれ個別の大会として実施されている。同大会は世界王者、五輪メダリストへの登竜門として位置づけられており、日本としては25年ぶりの出場かつ来年の東京オリンピックに向けた強化試合の意味合いもあった。
日本は、大会直前までロシア代表チームの練習に参加する60キロ級世界王者の文田健一郎(ミキハウス)と63キロ級世界王者の太田忍(ALSOK)と、21日から東京・味の素トレーニングセンターで合同合宿を行っていた10選手、計12選手の派遣を予定していた。
本大会で67キロ級出場を予定し、ロシアで同級の猛者たちとの練習に臨んだ太田は、67キロ級五輪代表争い参戦に向けた下地作りの場にするはずだった。
現時点でUWWから代替地や延期後の開催日などは発表されていない。