女子レスリングW杯初日|川井梨紗子、日本代表主将であることを「自分で思っている以上に意識した」

1 執筆者 小川秀彦
中国代表相手に川井梨紗子・友香子姉妹らは快勝も、チームとしては苦しい場面も(写真は世界選手権時)

UWW(世界レスリング連合)が主催する女子ワールドカップ団体戦・成田大会(千葉県)が11月16日に開幕し、初日午後の第3セット、日本代表は、ライバル・中国を6-4で破り、米国との決勝に進んだ。9月の世界選手権に続き日本代表を率いた川井梨紗子は、今大会、主将であることを優先する。

今大会5連覇・通算11回目の優勝を目指す女子レスリング日本代表チームは、午前のウクライナ戦に9-1で大勝すると、午後は最大のライバルである中国代表と対戦した。ウクライナ戦と打って代わり、東京五輪女子57キロ代表内定者の川井梨紗子ら主力勢も投入。1戦目の50キロ級から62キロ級まで6勝後、65キロ級以降はすべて落としたが、6-4で勝利した。

4番手に登場した川井梨沙子は中国選手を押し切った。しかし、チームが後半4階級で敗れたこともあり、「主将としての立場も意識した」と振り返る。「反省は優勝を決めてから」と気を引き締め、若い世代に自らの姿勢を示すべく、米国との決勝に向けて主将としての立場を優先させる。

62キロ級の妹・友香子はこの試合で日本勢唯一のフォール勝ちをスコアし、「無理に取りにいった世界選手権の反省を生かした」と勝因を語った。日本女子勢の課題でもあるリーチのある選手への対策も練習していると明かし、体格で優る米国との対戦にも自信を覗かせ、主将の姉を勝利でサポートした。

また、初日のこの日は、川井の下の世代が奮闘した。中国戦では1戦目の須崎は、リオデジャネイロ五輪女子48キロ級金メダリストのスン・ヤナンを3-2で撃破。試合後には「トップバッターとしてチームにつなげたかった。仕事を果たせた」と安堵するとともに、内定者未決定で激化する女子50キロ級の東京五輪代表争いについても「自信を勢いをつけて12月の天皇杯(全日本選手権)に挑みたい」と話した。

非五輪階級の59キロ級では、至学館高校3年の稲垣柚香が川井梨紗子の最大のライバルであるロン・ニンニンに2-0で粘り勝ち。ポスト東京五輪の注目選手としての可能性を示した。

一方、76キロ級五輪内定者でチーム最年長の32歳の皆川博江は、ライバルのゾウ・キアンの0-7で敗れたものの、「取り組んでいることが通用するのか確かめたかった」と話し、カナダ修行を経て今も試行錯誤していることを明かした。五輪に向け完成度を高めていくとした。

女子日本代表は、17日14時半から年ぶりの優勝を狙う米国との1位/2位決定(決勝)戦に臨む。

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