夏の移籍市場でシント=トロイデンからボローニャに移籍した日本代表DF冨安健洋のその後について、ベルギーメディア『voetbalkrant』が特集記事を展開している。冨安について「彼は今やセンターバックではない」との見出しで、近況について伝えた。
「若き日本人はカナリア(シント=トロイデンの愛称)で1年半ほど、公式戦で41試合プレーした。彼はベルギーで188センチの長身を生かした守備を見せたほか、両足を自在に操る器用な面も披露。そして得点も1ゴール決めている」
「この夏、日本人はイタリアのボローニャに移籍し、開幕戦から第7節まで右サイドでスタメン出場を続けた。そのポジションはシント=トロイデンでたった一度だけプレーしたポジション。彼は日本代表でもセンターバックでプレーしていたが、所属先ではセンターバックではなくなっているようだ」
ボローニャ指揮官シニシャ・ミハイロビッチは新加入の日本人DFについて、本職のセンターバックではなく、右サイドバックとして重用している。結果として冨安はセリエAの舞台でスタメンで起用され続け、新たな可能性を示した。
その柔軟性は代表でも発揮されている。9月5日に行われた日本vsパラグアイで、森保一監督はセンターバックとして冨安をスタメン起用したものの、ハーフタイムで酒井宏樹を下げ、後半から途中出場の植田直通を中央に据え、冨安を右サイドに回すという新たな策を見せた。所属先のボローニャで発揮した冨安のマルチロールぶりが、日本代表にもフィードバックされた形になる。
また、冨安は1月9日に行われたアジアカップ2019初戦、トルクメニスタン戦ではボランチとしてフル出場をしているだけに、日本代表ではCB、SB、DMFと異なる3つのポジションでプレーしたことに。
記事では「先日、冨安は太ももを負傷(モンゴル戦)したため、しばらく戦列を離れることになった。直後ユヴェントス戦には出場できなかった」と続け、冨安の現状について紹介している。
ベルギーではセンターバックとして評価を高め、ボローニャへとステップアップを果たした冨安健洋。ベルギーメディアからして、イタリアの地ではサイドバックとして存在感を示している冨安のマルチロールぶりは、少なからず驚きがあるようだ。