ジェンダー平等が推進されるオリンピック競技大会において、男女混合種目はまさに重要な役割を担っている。**北京2022**では、4の新種目を含む、合計9の混合種目が行なわれる。
そのうちのひとつが、バイアスロン混合リレー(ミックスリレー)だ。ソチ2014で初めて実施されたこの混合リレーでは、初代王者がノルウェー、また前回の平昌2018の金メダルはフランスに輝いた。
2022年2月5日、これら2チームや日本チームを含む合計20チームが、男女それぞれ2名の合計4名で1チームを構成し、北京2022バイアスロンの最初に実施される種目として争われる。さっそく、中国の首都で行なわれるオリンピックのバイアスロン混合リレーについて、詳しくチェックしていこう!
競技フォーマット
バイアスロン混合リレーは、2005年に初めて国際大会で実施され、ソチ2014にてオリンピック種目としてデビューを果たした。もっと詳しく説明すると、インスブルック2012冬季ユースオリンピックでも実施されている。
このミックスリレーには、最大20チームが参加する予定(正確な参加チーム数は、資格認定最終日の2022年1月16日以降に確定)で、チームは男女各2名、合計4名で構成される。
競技はマススタート(第1走者が同時にスタート)で始まり、どの選手も6kmのスキートレイルと、2回連続の射撃ラウンド(伏射と立射)のコースを回る。
射撃ラウンドでは、5個の標的(ターゲット)を命中させなければならず、予備弾は3発、すなわち8発しか各選手には用意されていない。予備弾を使っても、非命中のターゲットが残っている場合、その数だけのペナルティーループ(150m)を回らなければならない。
会場および日程
混合リレーを含むバイアスロン全11種目は、中国北部に位置する張家口ゾーンの国家バイアスロンセンターにて行なわれる。
バイアスロン11種目の中で、最初の種目となるのがこのミックスリレーで、開会式翌日の2022年2月5日に実施される。開始時刻は現地17:00で、競技スタートからおよそ1時間後には、北京2022バイアスロンで最初のメダリストが決まる。
オリンピアンの言葉
バイアスロン混合リレーは、オリンピック選手たちに新たなメリットをもたらしている。混合種目で勝利するということは、それはまるでチーム全体の勝利、すなわち参加している全員が勝利したと感じることができるのだ。
2度の世界王者に輝くフランスの**エミリエン・ジャクリン**は、Olymcics.comのインタビューで混合リレーについて以下のように語っている。
「ミックスリレーで勝利できるということは、女子だけのリレーや男子だけのリレーで勝つより、意味があると思う。技術スタッフやコーチ、フィジオセラピストを含むチームスタッフ全員のために、アスリートとして戦えるから。誰ひとり欠けることはない」
2021年世界選手権でもフランスチームのメンバーだったジャクリンは、混合リレーの代表に選ばれたことを「大きな誇り」と表現した。
「ミックスリレーは大好きです。(男女問わず)チーム全体のレベルを見せることができるから。しかも、ミックスリレーの代表に選ばれることは、大きな誇りでもあります。年間通じて、チーム全員でトレーニングしてきたことを、最大限に発揮したいです。みんなで戦うから、きっといい結果が待っている」
ミックスリレーの競技中、アスリートはいったい、どんな気持ちでいるのだろう?
リレハンメル2016冬季ユースオリンピックで、混合リレー銀メダルと、女子6kmスプリントで金メダルに輝いたジュリアン・フリューヴィルト(ドイツ)は、こう語っている。
「よりエモーショナルな気持ちになります。だって、ドキドキの怖さと希望が入り混じっているから。特に射撃ラウンドはね」
注目チームと選手
ノルウェーは、混合リレー金メダル候補として最大の注目チームだ。過去3回の世界選手権で連続金メダル、かつ過去9回のワールドカップで8回優勝しており、混合リレーが行なわれたオリンピック過去2大会でも、ソチ2014で金、平昌2018で銀と、連続で表彰台に上っている。
これだけではなく、ノルウェーは男子女子の各リレー競技でも世界王者に輝いているのだ。注目選手は、ティリル・エックホフで、これまでに5個のオリンピックメダルを獲得しており、最も成功を収めている女性バイアスリートのひとりだ。また、2021年世界選手権で金メダル4個を手にしたストラ・ホルム・ラグレッドや、マルテ・オルスブ、ベー兄弟など、有力選手の枚挙に暇がない。
平昌2018でミックスリレー王者に輝いたのがフランスだ。バイアスリートのレジェンドとして、チームを率いた**マルタン・フールカデが現役を引退し、オリンピック混合リレー経験者がシモン・デステュー**だけだったとしても、有力チームであることに変わりはない。
2016年世界選手権で団体金メダルに貢献した**カンタン・フィヨン=マイエ、平昌2018でメダル3個を獲得したアナイス・ベスコン、出産を経て現役に復帰したアナイス・シュバリエ=ブシェ、前述の若手選手エミリエン・ジャクリン**など、こちらも強力な選手が名を連ねる。
忘れてはいけないのが、平昌2018男子リレーと女子リレー、2021年世界選手権男子リレーで、いずれも銀メダルに輝いたスウェーデンだ。ほかにも、イタリア、ドイツなどのヨーロッパ強豪チームが、北京2022の表彰台を狙っている。