世界最高レベルの演技で世界中の多くのファンを魅了した、北京2022フィギュアスケート男子シングルの戦いが終わった。
銅メダルを獲得した**宇野昌磨**は、本日(10日)の試合後のインタビューおよびメダリスト会見で今の思いを語った。
素直に嬉しい
2018年の平昌オリンピックで銀メダル獲得してからの4年間、宇野昌磨はフィギュアスケートに取り組む中で色々なことに向き合ってきた。それは競技の技術的な面だけでなく、長年指導を受けた恩師からの卒業や、「引退」を考えた時期もあった。
しかし宇野は「自分にはスケートしかない」と再び前を向き、ステファン・ランビエール・コーチのもと、今シーズン高難易度のプログラムを自分に課した。
銅メダルを獲得した今の心境として、「緊張していたので、あれよりも悪い演技になっていた可能性はありますし、それでもあそこで留まったというのは、練習してきたものが出せたと思います」と胸を張る。
「次に向かって練習」
男子シングルのショートプログラムでは、自己ベストを更新しての2位発進。フリーでは187.10点(全体の5位)を記録し、ショートと合わせて293.00点の3位となった宇野。フリーでは、4回転サルコウが両足着氷、4回転フリップで転倒するなどミスがあったものの、自身の代名詞にしたいと語っていた「ボレロ」を力強く、感情豊かに滑りきった。
北京オリンピックでの心残りとして、ランビエール・コーチが振り付けしたフリーのこの「ボレロ」の演技をあげ、「今大会での唯一の心残りは、このボレロで、ステファンコーチに『よかった』って言っていただけるような演技ができなかったことです」とコメント。一方で、試合直後には「もっと頑張れる、もっと上手くなれるという確信がある」とも話しており、絶大な信頼を置くランビエール・コーチのもと、進化し続ける宇野の「ボレロ」が、今後も期待できそうだ。
羽生結弦の存在
10日に行われたメダリスト会見では、4位となった**羽生結弦**についても質問が及んだ。
宇野は、羽生が日本のフィギュアスケート界を長年牽引していることをあげ、「みなさんの想いやプレッシャーを背負って競技をするということは、ゆづくんにしかできないことだと思います」とコメント。
「どんどんフィギュアスケートのレベルが上がっていく中で、ずっとトップに居続けるというゆづくんの存在はすごいなって思いますし、その中でもさらにトップを行こうという姿勢が真似できないと思っています」と仲間を称えた。