「すべてを出し切る」
レース前の最終調整で瞳を鋭く光らせ、集中力を極限のところまで高めていた**髙木美帆**。ついに個人種目で初めての金メダルを獲得した。
現地時間2月17日16:30にスタートした、スピードスケート女子1000m。
女子500m銅メダリストの**アンゲリナ・ゴリコワ(ROC)と同組の13組に登場した髙木美帆は、好調な滑り出しを見せると、600mで暫定首位に立っていたユッタ・リールダム**(オランダ)から0.01秒遅れのタイムを刻み、後半には力強い滑りで追い上げると、オリンピック新記録となる1分13秒19でフィニッシュ。ゴール直後に表示された記録を確認すると、両手を大きく上げた後、舌をぺろりと出しながら力強いガッツポーズで喜びを表現した。
セレモニーで表彰台の頂点に立つと、ぴょんと飛び跳ねって喜ぶ姿を見せ、これまでの500m、1500m、女子団体追い抜きとは異なる満ち足りた表情を浮かべた。
「仲間とか日本にいる人からたくさんのエールをいただいて、最後、スタートの1歩目を出すときにひるまずに攻めることができた」
レース後のインタビューでこう語った髙木は、5種目7本を滑り抜いて「体は限界のところまできていた」と話す。
そんな中でも、「最後に自分のすべてを出し切ることができ、『このレースでもし金メダルを取れなくても悔いはない』というくらいのレースができたことがすごく嬉しくて。さらに、金メダルを取れたということで嬉しさが倍増した」と、最高の滑りでの金メダル獲得に胸を張った。
髙木は15日の女子団体追い抜きで銀メダルを獲得し、前回大会と合わせたメダル獲得数を日本女子最多の6個としており、1000mの金メダルでこの数を7個とした。