中華人民共和国の人口第2の都市・上海の郊外に位置する呉江区(ウージャン/Wujiang)において、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)が主催する2023シーズン最終戦となるリードとスピードの2種目のスポーツクライミング・ワールドカップが9月22日から24日までの3日間にわたって行われた。
◾️安楽、3度目のW杯制覇&2種目目の年間優勝!
48名がエントリーした男子リードでは、予選(22日)と準決勝(23日)を勝ち上がったファイナリスト8名のうち、半数を超える5名の日本代表が進出。最終日(24日)に行われた決勝で、難易度の高いコースで苦戦を強いられるなか、安楽宙斗が完登こそ逃したものの、軽快な登りで2位以下を突き放す高い地点(39+)まで達し、3戦連続してワールドカップ優勝を決めた。
2位と3位には、小俣史温と本間大晴がそれぞれ入り、日の丸がワールドカップ最終戦で表彰台を独占して彩った。また、安楽はボルダーに続いて、リードでも年間総合優勝を果たす快挙を成し遂げている。
IFSCスポーツクライミングワールドカップ・呉江区2023リード男子決勝の最終成績は、以下の通り。
- 安楽宙斗 39+
- 小俣史温 30+
- 本間大晴 26+/準決勝:Top
- 緒方良行 26+/準決勝:34+
- Song Yunchan (大韓民国) 24+
- 百合草碧皇 23+
- Sasch Lehmann (スイス) 23/準決勝:38
- Nicolas Collin (ベルギー) 23/準決勝:37+
◾️森、今季W杯初優勝!
45名が出場した女子のリードは、男子と同様の競技フォーマットで行われ、日本代表4名を含む8名のファイナリストが最終日の決勝ステージに登場した。その中で、今夏の世界選手権ベルン2023においてリード種目で世界一に輝いた森秋彩が高いホールドとなる36+に到達し、今シーズン初めてワールドカップ優勝を決めた。また、谷井菜月が3位に入り、森とともに表彰台に並んだ。
IFSCスポーツクライミングワールドカップ・呉江区2023リード女子決勝の最終成績は、以下の通り。
- 森秋彩 36+
- Jessica Pilz (オーストリア) 31+
- 谷井菜月 26+
- Zhang Yuetong (中華人民共和国) 22+
- 伊藤ふたば 22
- 野中生萌 21+
- Kim Jain (大韓民国) 20+
- Manon Hily (フランス) 17+
このほか、50名が出場した男子スピード種目では、唯一決勝に駒を進めた大政涼がタイム5.11で銅メダルを獲得している。女子スピードでは、日本代表はいずれも予選敗退となっている。
リードで優勝した安楽と森、スピードで3位に入った大政など今大会に出場している5名の選手は、呉江区の南西部に位置する杭州で開幕中のアジア競技大会 杭州2022(2023年開催)スポーツクライミングTEAM JAPANメンバーに認定されており、一息つく間も無く今度はアジアでの頂を目指す。
杭州2022スポーツクライミングは、10月3日より競技がはじまる。