開幕まで1年と迫るパリ2024の開催国であるフランス南東部の、イタリアとの国境近くにある街・ブリアンソンにおいて、IFSC(国際スポーツクライミング連盟)が主催するリードのワールドカップが、現地時間7月14日から15日までの2日間にわたって行われた。
今大会には、男子9名、女子7名の合計16名の日本代表が出場した。
◾️安楽、W杯初制覇!本間と吉田も表彰台へ
76名が出場した男子では、予選と準決勝を経て、8名のファイナリストが決勝に進出できる競技フォーマットで行われ、7名の日本代表がファイナルステージに進出するという、TEAM JAPANの圧倒的な強さを見せつけた。
その中で、今季ワールドカップのボルダー種目で年間総合優勝に輝いた安楽宙斗(あんらく・そらと)が、唯一トップまで登り切る「完登」の成績を残し、自身初となるワールドカップ優勝を成し遂げた。それだけでなく、安楽は日本人としては初めてリードとボルダーの両種目でワールドカップの頂点に立つという快挙も達成し、今大会の成績をもってリード種目のワールドカップ年間(2023年)ランキングで首位に浮上している。また、2位には本間大晴、3位には吉田智音が入り、安楽とともに日本勢で表彰台を独占し、8月に開幕する世界選手権に向けて、大きな弾みをつけた。
IFSCスポーツクライミングワールドカップ・ブリアンソン2023リード男子決勝の最終成績は、以下の通り。
- 安楽宙斗
- 本間大晴
- 吉田智音
- 緒方良行
- 小俣史温
- 樋口純裕
- Hannes PUMAN(スウェーデン)
- 上村悠樹
男子と同様の競技形式で行われた女子では、66名が出場。その中で、前週(7月7日〜9日)にフランス・シャモニーで行われたワールドカップで銀メダルに輝いたばかりの久米乃ノ華が決勝に進むも、4位に終わり惜しくもメダルを逃した。また、日本勢もう1人のファイナリストとなった谷井菜月は、8位だった。優勝は、スロベニア代表選手(Vita LUKAN)だった。
パリ2024では、今回行われたリードとボルダーの2種目を合わせた複合種目として男女ともに実施されることが決まっている。
また、来夏のオリンピック出場枠をかけた最初の戦いとなるISFCクライミング世界選手権は、スイスの首都・ベルンにて現地時間8月1日に開幕する。