スポーツクライミング・藤野柊斗、スピード期待の17歳

スポーツイベントが盛りだくさんの週末。多くのアスリートたちがそれぞれの舞台で力を尽くして自分の成長を確かめ、また次の目標に向かっていく。先週行われた大会で活躍したアスリートたちの中から、スポーツクライミングの藤野柊斗に注目した。

文: Chiaki Nishimura
写真: Slobodan Miskovic / IFSC

スポーツクライミング界では8月22日〜31日の日程で2022年世界ユース選手権が行われている。米ダラスで開催されているこの大会に、日本から男子20人、女子18人の合計38選手が出場し、ボルダリング、スピード、リード種目の男女それぞれで、ジュニア(2003年、2004年生まれ)、ユースA(2005年、2006年)、ユースB(2007年、2008年)のカテゴリー毎に熱戦を繰り広げている。

将来が有望な選手らが世界各地から集まる中、8月26日に行われたスピード男子ジュニア決勝で日本勢として大会史上初めてスピード種目を制したのが現在17歳の藤野柊斗(しゅうと)である。

藤野柊斗、世界ユース、スピード日本初の金メダル

1992年から続いているスピードクライミング世界ユース選手権において、ボルダリングやリード種目で表彰台の頂点に立ってきたものの、スピード種目では影を潜めてきた日本勢。

今回の大会で予選を12位で通過した高校生の藤野は、決勝トーナメントで初戦から5秒台で順調に戦いを進めると、準決勝ではドイツ選手を相手に1秒近く差をつけて勝利。金メダルをかけた決勝ではウクライナ選手と対戦し、0.09秒差の5秒85で見事勝利をおさめた(上の動画で決勝戦は1:42:50頃)。

藤野は終了後、「勝つことができてとても気持ちがいい。最高です。今日は調子が良かったし、うまくいくと思っていました」と国際スポーツクライミング連盟(IFSC)に語ると、「スタートする前から自信があり、ただ自分を信じて挑みました」と続けた(IFSCのウェブサイトより)。

藤野は千葉県の高校に通う17歳。

今年3月に行われたスピードユース日本選手権で代表選考基準記録(男子6.7秒以内)をクリアし、2022年のワールドカップおよびアジア選手権の派遣対象となるスピード日本代表、そしてパリオリンピック強化選手に選出された。

5月にはソウルでワールドカップデビューを果たし、今年は全5戦に参戦。ワールドカップ・スピード男子のランキングは現在34位で、20歳の大政涼(同28位)や24歳の池田雄大(同31位)らとともにしのぎを削っている。

スポーツクライミングのスピードは高さ15mの壁を2選手が隣り合わせで登り、速さを競う種目。ボルダリングやリードと比べると日本勢は世界の壁に苦戦しており、今年のワールドカップ5戦のうち、16人で競われる決勝トーナメントに進出したのは男子では大政のみ。

スピード男子の現在(2022年8月)の世界記録は2022年7月にキロマル・カティビン(インドネシア)が記録した5秒00で、日本では大政が5秒42の日本記録を保持している。

パリ2024オリンピックでは、ボルダリング&リードの複合種目とスピード種目の2種目が実施される予定で、ボルダリング、リード、スピードの複合1種目で行われた東京2020とはフォーマットを変更して行われる。ゆえに、スピードの選手は、1種目に専念して練習に励むことができる。その分、国内外では厳しい戦いが強いられることが予想されるが、これから伸び盛りの藤野がジュニアの舞台で得た自信と快挙を後押しに、シニア・スピードを盛り上げることだろう。

また、今回の世界ユース選手権のスピード種目では、女子ユースAの竹内亜衣(あい)が3位、男子ユースBの上柿銀大(うえがき・ぎんた)が2位という成績を収めた。

一方、22日〜25日に行われたボルダリングでは、女子ユースAの永嶋美智華が2位、女子ユースBの小田菜摘(なつみ)が2位、村越佳歩が3位。男子ジュニアでは村下善乙(ぜんと)が2位、男子ユースAでは通谷律(きよたに・りつ)が優勝、安楽宙斗(あんらく・そらと)が3位、男子ユースBでは寺川陽(ひなた)が3位となるなど、好成績を残し、チームランキングでも日本がトップに立っている。

世界ユース選手権は8月31日までの日程で、最後の種目となるリード(ジュニア、ユースA、ユースB)の予選、準決勝、決勝が行われる。

大会の模様は国際スポーツクライミング連盟のYouTubeチャンネルにて。

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