スカイ・ブラウン「人生は短い。色んなことに挑戦しなきゃ」オリンピック・スケボー&サーフィン

パリ 2024

東京2020で銅メダルを獲得したスケートボードのスカイ・ブラウンは、カリフォルニアの自宅近くにあるハンティンドンビーチで行われたOlympics.comのインタビューで、人生を変えた東京オリンピックや2つの競技に取り組む理由を語った。

1 執筆者 Chloe Merrell | 公開:2022年10月11日
Sky Brown of Team GB poses with her bronze medal after the women's skateboarding park finals at Tokyo 2020
(2021 Getty Images)

「あの銅メダルは……すごかった。私の人生に大きな影響を与えたことは間違い」

2021年に行われた東京2020オリンピックのスケートボード女子パーク種目で表彰台に立ち、英国史上最年少のオリンピックメダリストとなって以来、14歳のスカイ・ブラウンはジェットコースターのような体験を続けている。

彼女が生まれた日本で行われ、彼女の人生を変えたオリンピックに向かう旅は、すべてが順調だったわけではない。オリンピックの歴史に名を残すことになる前年、彼女は練習中に頭蓋骨と左手首を骨折してしまったのだ。

無事に回復して臨んだ東京2020では、決勝でキックフリップ・インディを2度失敗。最終ランを残してブラウンは4位につけていた。そして迎えた最後の滑走。彼女はプレッシャーに押し潰されることなくあえて挑戦の道を選び、立ち向かっていった。当時13歳だった彼女は年齢以上の成熟度と粘り強さを発揮し、最後のランでその技を成功させ、銅メダルを獲得したのだ。

「オリンピックの銅メダルというのは本当にすごいもので、もう一度あの場に立ちたい。もっともっと頑張ろうと思えたし、親友と一緒に表彰台に上ったときの感動を味わいたいと思った」

「もう一度オリンピックに出場できたら最高です。今までで最高の旅だったし、最高の瞬間でした」

その言葉通り、ブラウンはオリンピックの目標を実現するために全力を注いでいる。サーフィンの才能もあるブラウンにとって、それはスケートボードパークと海で毎日何時間も費やし、大好きな2つのスポーツの練習をすることを意味する。

「朝は海に行って、それから学校に行って、朝食を食べて、家族と一緒に少しゆっくりします」と、ブラウンは普段の過ごし方を説明する。

「お昼頃になると、数時間スケートをしに行き、帰ってきたら友達と遊んだり、何か楽しいことをしたりします。そしてまた友達と海に入るか、家でくつろぐ感じかな」

サーフィンとスケボーに夢中な彼女が、もしも超能力を選ぶとしたら、それはテレポーテーション(瞬間移動)。「テレポーテーションは本当にクールだと思う!」。それによって、もっと簡単に両方を行き来できるようにしたいとブラウンは言う。

ブラウンの努力の成果は、すでに目に見える形となって現れている。

今年初め、ブラウンはXゲームズ2022のスケートボード女子パークで、オリンピック金メダリストの四十住さくら(よそずみ・さくら)と銀メダリストの開心那(ひらき・ここな)を破って優勝し、その数日後に米アイオワ州デモインで行われたデューツアー2022でも同じことをやってのけたのである。

知名度や大会ごとに増える栄誉の数々、そして明らかなスキルにもかかわらず、ブラウンは、年齢と性別のために異なる扱いを受けることがあるという。

「若すぎると言われることはよくあります。スケートをやっている男性から『こんな小さな女の子がここで何をしているんだ』という目で見られることが時々あります」

しかし、ブラウンはそうした見方に引きずられるのではなく、それをモチベーションにして、自分が誰よりもボードを操れることを示す。

「状況は確実に良くなってきてる。というのも、以前より多くの女子たちがやっているから。そして正直なところ、私はみんながやっているのを見るのが好き。それによって私も見せびらかしたくなるし、彼らが間違っていることを証明したくなる。とてもいい気分です」

サーフィンとスケートボードの両方をこよなく愛するブラウンは、誰も歩んだことのない道を歩き、パリ2024で英国代表として両方の競技で出場権を獲得することを望んでいる。

「とても難しいと思う」と語る彼女にとって、この2つのスポーツのどちらかを選ぶことは、出場権を得ることと同じくらい難しいことだ。

「どちらが好きかと聞かれるけど、選べないんです。去年、スケートボードだけをやるのは大変だった。本当はサーフィンをやりたかった」

スケートスタイルだけでなく、その粘り強さによって広い世代に影響を与えたブラウンが、今後も模範を示したいと考えても不思議はない。

「サーフィンとスケートボードの両方に出場できたら、本当にクール。どっちも大好きだし、ひとつのスポーツにこだわる必要はないということを世界に示したい」

「人生は短いの。だから色んなことに挑戦しなきゃ」。

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