パリ2024オリンピックの予選をかねたスケートボード・パーク世界選手権。
その会場であるアラブ首長国連邦シャルジャのアルジャダ・スケートパークでは、前の週にストリート世界選手権(1月29日〜2月5日)が行われ、期間中、会場には東京オリンピックのスケートボード女子パーク金メダリストの姿があった。明るい笑顔が印象的な和歌山県出身の四十住さくらである。
パークの大会まではまだ少し日数があったものの、他のスケーターよりも早く現地入りして頻繁に会場に姿を現していた四十住は、同じくパーク・スケーターでオリンピック銅メダリストのスカイ・ブラウン(英国)とともに練習用スケートパークを駆け、リラックスした様子でイベントの雰囲気を堪能していた。
ストリートとは異なり、パークではこの大会がパリ2024オリンピックに向けた最初の予選大会となる。大会を前にOlympics.comのインタビューにこたえた四十住さくらは、パリオリンピックへの思いや、今回の大会の目標を語った。
「楽しいね。あれやってみる?」
今回の世界選手権で使われているコースは、オリンピック金メダリストのキーガン・パーマー(オーストラリア)も設計に関わったとされるもので、ほぼ垂直に深く落ちる傾斜も組み込まれている。
コースについて「難しいですね…」と話した四十住だが、「でも本当に楽しいパークで、スカイとも一緒に『楽しいね。楽しいね。あれやってみる?』とか言いながら滑っています」とコメント。
20歳の四十住と14歳のブラウンは、一緒に練習をしたり、遠征先では一緒に滞在したりと仲が良いことで知られており、その姿はアルジャダ・スケートパークでも同じ。「楽しみながら練習もできたので、それをそのままふたりで本番で出せるようにしたいです」と、準備は万端だ。
今回の大会の目標については、「優勝を目指したいんですけど、一番は楽しく(滑ること)。あとは自分のやりたいことが全部出せたら100点かなって思ってます」とし、「スカイと一緒に表彰台に立てたらいいな」と満面の笑みを浮かべた。
パリ2024オリンピック2連覇に向けて「クオリティを上げること」
東京オリンピックで金メダルを獲得した四十住は、パリ2024での連覇に向けても期待が寄せられている。
来年に迫るパリ・オリンピックに向けては「 1個1個の技のクオリティーを上げることと、エアの高さを上げることをメインで頑張ってます」と、まず技の質を向上させることに集中する。
「東京オリンピックで金メダルを取れて気持ち的には楽。2連覇できるように自分の最高の滑りをみんなに披露できるように頑張ります」
そのための戦いを四十住はこのパーク世界選手権からスタートさせる。
この大会には世界各地のスケーターおよそ180人が参加し、パーク世界王者の座とパリ2024オリンピック出場権を獲得するためのランキングポイントをかけて戦いを繰り広げる。
競技は女子と男子のオープン予選から始まり、準々決勝(2月10日)、準決勝(2月11日)、決勝(12日)が続く。準決勝、決勝の模様は、Olympics.comのオリンピックチャンネルやYouTubeチャンネルでストリーミング可能。