多くの話題を提供してきたMLBロサンゼルス・エンゼルス大谷翔平の2022年シーズンが終了した。投手としては自身MLB最多となる15勝を挙げ、打者としては2年連続の30本塁打も達成。
何よりMLB史上初の同一シーズンでの規定打席&規定投球回のダブル達成など、記録にも記憶にも残る活躍を見せた。ここでは大谷の2022年シーズンを総括する。
■打者・大谷翔平の2022年シーズン
打者成績
157試合 打率.273(586打数160安打) 34本塁打 95打点 11盗塁 OPS.875
今シーズンの大谷は打者として157試合に出場。これはチーム断トツの数字(2位はテーラー・ウォードの135試合)で、投手としても先発ローテーションを守っていることを考えると驚異的なことだ。
昨シーズンの158試合からわずかに減ったものの、打席数自体は639から666へと増えた。これは先発投手兼指名打者として出場した選手が、降板後も指名打者として試合に出場できるようになったことが大きく影響している。今シーズンから導入されたこのルールは「大谷ルール」とも言われ、大谷の二刀流での出場を大きく後押しした。
34本塁打は昨シーズンの46本塁打と比べるとどうしても落ちてしまうが、それでもア・リーグ4位。打点もOPSも昨シーズンと比べるとやや落としたが、95打点は同7位で、OPS.875は同5位。いずれもリーグトップクラスの数字だ。その一方で、打率と安打数は向上している。
シーズンを通して見ると、4月、5月は打率.250前後だったが、6月に調子を上げ3割近い打率を残した。7月は打率.205と調子を落としたものの、8月は打率.333、9月は打率.302と好調をキープ。9月から10月にかけては自身最長の18試合連続安打をマークするなど、高いパフォーマンスを発揮した。
■投手・大谷翔平の2022年シーズン
投手成績
28試合 15勝9敗 防御率2.33 219奪三振 WHIP1.01
投手としてはキャリア最高とも言えるシーズンを過ごした。MLBでは自身初となる二桁勝利を達成し、15勝は北海道日本ハムファイターズに在籍した2015年に並ぶ最多タイ。
日本時代も含めて自己最多の166回を投げ、MLBでは自身初の規定投球回もクリア。219奪三振ももちろん自己最多だ。防御率2.33も自身MLB最高の数字を残した。勝利数はア・リーグ4位タイ、防御率は同4位、奪三振は同3位、WHIP1.01は同5位と、軒並み上位の成績となっている。
前半戦では6連勝を含む9勝をマーク。10勝目を挙げるまでに少し足踏みもしたが、9月には再び4連勝で勝ち星を15まで伸ばした。
圧巻だったのは現地時間9月29日(日本時間9月30日)のオークランド・アスレチックス戦だ。8回二死まで無安打無得点の快投を披露。惜しくも大記録は逃したが、今後へ向けて大きな期待を持たせる投球となった。
また28試合先発はチームトップ。打者としても、先発投手としてもチームで最も多くの試合に出場したということだ。投打の二刀流を高いレベルで続けながら、2年連続でシーズンを完走したことが何より評価すべきポイントだ。
■2022年シーズンに達成した主な記録
8月には同一シーズンでの10勝&10本塁打を達成。これはベーブ・ルース以来104年ぶりの偉業となった。
さらに現地時間10月5日(日本時間10月6日)のシーズン最終戦には、自身MLB初の規定投球回に到達。同一シーズンで規定打席&規定投球回の達成は、現行のルールとなった1900年以降の近代野球において初の快挙だ。
その他にも、MLBでは日本人選手初の2年連続30本塁打や、日本人選手4人目のシーズン200奪三振を達成。細かい記録まで挙げればキリがないが、史上初めて同一シーズンで投手として600人の打者と対戦&打者として600打席に立つという記録も達成した。
昨シーズンはリーグMVPに輝いた大谷だが、2年連続で獲得すればもちろん日本人選手初の快挙となる。しかしニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジがリーグ新記録となる62本塁打を放ち、131打点と合わせて二冠を達成。どちらが選出されるのか注目が集まっている。