スキージャンプ日本代表のエースとして、北京2022冬季オリンピックでは期待以上の活躍を見せ、日本のみならず、世界へその名を知らしめた**小林陵侑**。
個人ではノーマルヒルで金、ラージヒルで銀と、2個のメダルを獲得。また、団体戦でも、重大な役割を果たすアンカーを務めチームを牽引し、混合団体で4位、男子団体で5位と、上位入賞に貢献した。
全てのスキージャンプ競技日程を終えて、小林は2度目となるTEAM JAPANメダリスト会見に臨んだ。また、その後には、Olympics.com単独インタビューにも応じ、北京2022を終えた感想と、今後の目標を語ってもらった。
ハイプレッシャーからの解放
「やっとこのハイプレッシャーの期間が終わって、ホッとしているというのが率直な今の気持ちです」
意外だった。
なぜなら、最初のメダリスト会見では、「楽しみって言葉しかない」と、後半スケジュールに向けた意気込みを表現していたのだから。
「終わってみてホッとしているので、振り返るとハイプレッシャーだったなと感じています」
悔しい思いを経験した平昌2018からの4年を経て、小林は自身の成長を感じることのできたオリンピックになったようだ。
「今回は力通りに出せたのではと思います」
「ちゃんとここに(ピークを)もってくることができたので」
「この4年間たくさんの方に支えられて、たくさんの方から刺激を受けて自分を高めてこられたので、すごく嬉しいです」
そして、なにより「楽しい思い出になった」と笑顔で語った。
「自分の満足するパフォーマンスができたと思うので、すごく良かったかなと思います」
「長い」夢
冬のアスリートは、本当に忙しい。冬季オリンピックイヤーは「特に」だ。なぜなら、3月下旬までシーズンの競技会は続き、ワールドカップをはじめ、世界選手権を控えている場合もある。
昨年(2021年)11月から、小林は日本に帰ることができていないそうだが、この北京2022の後は、再びワールドカップの遠征に戻る予定だ。日本に帰ったら、ネタはなんでもいいので、まずは寿司を食べたいそうだ。
「(帰国予定の)4月までは、まだまだです(笑)」
一息つくこともなく、小林は、もう次の4年、ミラノ・コルティナ2026を見つめている。
「(4年先まで)トップレベルで戦い続けることができればいいかな」
今回の北京2022を通じて、小林はもっとたくさんの子どもたちと一緒に、スキージャンプを楽しんでいきたいと願っている。
「ジャンプが面白い競技だなと思って、始めてくれたらすごく嬉しいです」
そして、もうひとつ。小林には、大きくて「長い」夢がある。
「世界記録のジャンプを飛びたいですね」
現在の世界最長レコードの飛距離が253.5m。
「254mくらい?(笑)」
まだまだ、彼の冒険は「長く」続いていくようだ。
次は、いったいどんな驚きの記録が待っているのだろう。