**羽生結弦**がフリーで巻き返しを狙う。
オリンピック3連覇の望みを薄くした衝撃的なショートプログラム(SP)から一夜明け、羽生結弦は2月9日、まだ未完成の4回転アクセルの最終調整を行った。
首位の**ネイサン・チェン**との点差は18点以上。8日のSPでチェンは羽生が持つ世界記録を更新し、金メダルを射程圏内に入れた。
羽生はSPの冒頭に予定していた4回転サルコウを失敗し、自己ベストの111.82点に遠く及ばない95.15点に終わった。そのため、10日行われるフリースケーティング(FS)では、第3グループ、全体の17番目での滑走となる。
ジャンプの失敗について羽生は、4回転サルコウの直前にリンクにあった穴に乗ってしまったため、1回転となったと説明する。
確実に表彰台に立つため、FSに向けてエレメンツを変更した。
羽生は3回転アクセルと3回転ループのコンビネーションを追加。これは競技会で誰も行ったことががない。また、羽生が演技の冒頭で跳ぶ4回転アクセルは本日(9日)の練習も含め、着氷できていない。
非常時には非常手段を必要とする。しかし、もっと奇妙なことも起きている。29選手のうち、羽生ただ1人が穴に乗ったということだ。
羽生はより確実な安全策を取ることもできるが、新たな歴史を刻むべく挑戦する。北京で彼の挑戦を見守る人らは羽生の勇気を称賛する。
その中には、宇野昌磨のコーチを務めるステファン・ランビエールも含まれている。ランビエールは先日、「私にとって、4回転アクセルを跳ぼうと考えるのは信じられないことです」とOlympics.comに語り、こう続けた。
「彼は一生懸命に取り組んできたし、その姿勢には目を見張るものがあります」
「このように大きな挑戦に全精力を注いでいるアスリートを見るのは感動的です。彼の献身的な姿勢に感心しています」
「彼がそれに取り組んでいるという事実や、彼が打ち込んでいるという事実、信じられないことです」