現在開催中のカタール大会で、7大会連続7度目のFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)に出場している日本代表。11月23日のグループステージ(GS)初戦では、4度の優勝経験を持つドイツ代表(西ドイツ時代含む)に金星を挙げた。
ここでは過去のW杯本大会での優勝経験国との対戦を振り返る。
※記事内敬称略
■1998フランス大会
GS第1戦:日本 0-1 アルゼンチン
日本が初めてW杯に出場したのが、1998年に行われたフランス大会。日本は、2度の優勝(1978アルゼンチン大会、1986メキシコ大会)を誇るアルゼンチンと同じグループHに入った。
日本は「W杯デビュー戦」となるGS第1戦で、いきなりアルゼンチンと対戦した。日本は28分にガブリエル・バティストゥータの先制弾を浴び、ビハインドを背負うとそのまま0-1で敗戦。その後GSで3連敗を喫し、初出場のW杯は苦い結果となった。
■2006ドイツ大会
GS第3戦:日本 1-4 ブラジル
3大会連続でW杯出場となった日本。前回の日韓大会では自国開催で初の決勝トーナメント進出を果たし、さらなる飛躍を期待されドイツ大会に臨んだ。だがGS初戦のオーストラリア戦を落とすと、2戦目の黒チア戦はドロー。GS突破のためには勝利が絶対条件の中で、ディフェンディングチャンピオンで過去5度優勝(1958スウェーデン大会、1962チリ大会、1970メキシコ大会、1994アメリカ大会、2002日韓大会)しているブラジルと激突した。
日本は玉田圭司のゴールで先制に成功するが、この1点で王者に火が付いた。前半終了間際、ロナウドに同点ゴールを許すと、後半はブラジルが猛攻。さらに3点を奪われ、1-4で逆転負けを喫し、GS敗退が決まった。
■2022カタール大会
GS第1戦:日本 2-1 ドイツ
カタール大会の日本はドイツ、スペインの優勝経験国のほか、コスタリカと同じグループEに入った。「死の組」と呼ばれる厳しい相手関係の中、初戦は4度の優勝(1954スイス大会、1974西ドイツ大会、1990イタリア大会、2014ブラジル大会)を誇るドイツと対戦した。
4-2-3-1のフォーメーションでスタートした日本だが、前半はドイツに押し込まれる厳しい展開。ドイツに右サイドの突破を許す場面が多く、33分にPKから先制された。前半アディショナルタイムにカイ・ハヴァーツにネットを揺らされるが、ここはオフサイドでノーゴールの判定。1点ビハインドで試合を折り返した。
後半開始から日本の森保一監督は久保建英を冨安健洋に交代し、3-4-2-1へのフォーメーション変更を決断する。さらに57分には長友佑都と前田大然を下げ、三笘薫と浅野拓磨を投入。さらに堂安律と南野拓実をピッチに送り込み、攻勢を強めるための策を打つ。すると見事にこれが的中。75分に南野のシュートのこぼれ球を堂安が押し込み同点に追いつくと、その8分後には自陣からのフリーキックに抜け出した浅野が逆転弾を奪った。日本はGK権田修一を中心にドイツの猛攻を凌ぎきり、2-1で勝利。W杯本大会で優勝経験国から初の白星を挙げ、大会初戦を制した。
カタール大会の初戦で強豪ドイツを破り勝点3を手にした日本は、27日の第2戦でコスタリカと対戦。12月1日の第3戦ではこちらもW杯優勝(2010南アフリカ大会)経験を持つスペインと激突する。日本はスペイン戦で再び番狂わせを演じ、世界を驚かせることはできるのか。
もちろん油断はできない。だが日本がまだ見ぬW杯ベスト8の景色も、現実味を帯びてきた。