【サッカー】カタールワールドカップ観戦ガイド・日本代表 vs ドイツ代表|SAMURAI BLUEはカウンターに勝機を見出す

男子日本代表・SAMURAI BLUEがいよいよ、11月23日にFIFAワールドカップカタール2022の初戦を迎える。対戦相手はW杯優勝4回を誇るドイツ代表。両チームの状況や試合の見どころなど、試合観戦の手助けになる情報をお届けする。

1 執筆者 小杉正貴
YOshida Kimmich
(Getty Images)

11月20日に開幕を迎えたFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップ(W杯)カタール2022。11月23日にはいよいよ、男子日本代表・SAMURAI BLUEが初戦を迎える。対戦相手はW杯優勝4回を誇るドイツ代表。優勝候補の一角でもある強豪国との対戦を前に、両チームの状況や試合の見どころなど、試合観戦の手助けになる情報をお届けする。

■日本代表

前回のロシア大会はベスト16で敗退。ベルギー代表を相手に2点をリードしながら、一気に3得点を許し逆転負けを喫した。特に決勝ゴールとなった3点目は日本のコーナーキックからカウンターで失点。日本のチャンスからわずか14秒でゴールを奪われたシーンは“ロストフの14秒”として多くの人たちに記憶されている。

ベスト8を目前に敗れたチームのコーチにいたのが、現在日本を率いる森保一監督だ。西野朗前監督からバトンを受け4年が経過。アジアカップ、東京オリンピックと継続して強化してきたのが守備のユニットだ。主将の吉田麻也や冨安健洋、酒井宏樹に中盤の遠藤航を加えた4人を軸に据えてきた。いずれも能力、経験ともにトップクラス。アジアでは強者でも、世界では弱者の戦いが強いられる戦力を考えると、守備に重きを置いてきたのは合理的な選択だったかもしれない。

固定化されていた守備陣とは打って変わり、攻撃陣は入れ替わりが多かった。アジア予選で主力だった南野拓実は所属クラブでの低調もあって絶対的な地位を失い、中島翔哉や原口元気、大迫勇也はメンバー外。鎌田大地や三笘薫、21歳の久保建英などが存在感を放っている。最前線にはスピードで優位に立てる前田大然や浅野拓磨を選出。じっくりと耐え、カウンターでひと刺しを狙う。森保監督の意図がわかりやすく表れた編成と言えるだろう。

9月の親善試合、アメリカ合衆国代表戦はまさに狙いがハマった試合だった。前線から前田が走って米国の組み立てを阻害し、ボールを奪うと素早い展開からゴールを狙う。鎌田、三笘が結果を残し、守備陣も危なげなく完封。大会直前に負傷者が多く出ていることは懸念材料だが、米国戦のような試合ができればドイツ相手でもチャンスはあるだろう。

■ドイツ代表

スペイン代表とともに、グループ突破が確実視されているのがドイツ代表だ。歴史も実力もある強豪国で、世界のトップレベルでプレーする選手ばかり。豪華な陣容に加えて、指揮官はバイエルン・ミュンヘンをリーグ戦、カップ戦、そしてチャンピオンズリーグの3冠に導いたハンジ・フリック監督。2014年大会にはコーチとして参加し、W杯を制した経験もある知将だ。

欧州予選は9勝1敗と圧倒的な成績で突破。しかし、それ以外の大会では優れた成績を残しているとは言いがたい。2021年開催となったユーロ2020では決勝トーナメント1回戦でイングランド代表に黒星。2022年のネーションズリーグでもW杯出場を逃したイタリア代表の後塵を拝し、9月のハンガリー代表戦では完封負けを喫した。

だからといって侮ることはできないだろう。19歳ながらバイエルン・ミュンヘンで主力のジャマル・ムシアラを筆頭に、リロイ・サネ、カイ・ハフェルツらタレント揃い。ボランチでは現在世界最高の呼び声高いジョシュア・キミッヒを擁し、マヌエル・ノイアーとトーマス・ミュラーといったベテランも健在。サイドバックのクオリティーはやや見劣りするが、それでもトップリーグでプレーしている選手。大きな隙の見当たらないチームだ。

■試合の見どころ

彼我の戦力差を考えると、攻めるドイツ、守る日本という構図が大半の時間を占めることになるだろう。しかし、その展開は日本として織り込み済み。その中でカギとなるのは、どこでドイツにボールをもたせるかになりそうだ。いくら守備に重きを置く戦い方をしたとしても、90分間ゴール前で守り続けることは不可能に近い。そのため、ゴール前までは侵入させず、その手前で迎撃していくことが重要になる。ドイツがどこでボールを保持しているかを見れば、日本の守備が機能しているかを見分けることができるだろう。

攻撃に関してはより苦戦が予想される。チャンスの回数は数えるほどしか作れないだろう。そのチャンスを決めきれるかどうかに勝敗が懸かってくる。日本の狙いはスピードを生かしたカウンター。“一発”を持っている前田と浅野で好機を伺いつつ、疲労が見え始める後半半ば過ぎに三笘を投入し、一気に攻め落とす展開を考えているのではないだろうか。前日にはサウジアラビア代表がアルゼンチン代表を下し、格好のお手本を見せてくれた。堅守速攻でチャンスを決めきる。それが日本の戦い方となる。

予想スターティングメンバー

日本代表

  • GK 権田 修一
  • DF 酒井 宏樹
  • DF 吉田 麻也
  • DF 板倉 滉
  • DF 長友 佑都
  • MF 遠藤 航
  • MF 守田 英正
  • MF 伊東 純也
  • MF 鎌田 大地
  • MF 久保 建英
  • FW 前田 大然

ドイツ代表

  • GK マヌエル・ノイアー
  • DF ルーカス・クロスターマン
  • DF アントニオ・リュディガー
  • DF ニクラス・ズーレ
  • DF ダビド・ラウム
  • MF ヨシュア・キミッヒ
  • MF レオン・ゴレツカ
  • MF ヨナス・ホフマン
  • MF トーマス・ミュラー
  • MF ジャマル・ムシアラ
  • FW カイ・ハフェルツ

■日程・放送予定

日本 vs ドイツ 11月23日 22:00 KO(日本時間)

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