日本スケート連盟は4月24日、2023/2024シーズンにおける優秀な選手を発表する令和5年度優秀選手表彰祝賀会を東京都内で行った。
今シーズンの年間最優秀選手には、日本人として初めて世界フィギュアスケート選手権3連覇という偉業を成し遂げた、北京2022フィギュアスケート女子シングル銅メダリストの坂本花織が2度目の受賞を飾った。
また、坂本は東京運動記者クラブ・スケート分科会による最優秀選手賞「スケーター・オブ・ザ・イヤー」にも、初選出されている。
今シーズン、坂本は充実のシーズンを送った。
昨年12月に中華人民共和国・北京で行われたグランプリファイナル2023では、初のタイトルを獲得。その後、年末に行われた全日本フィギュア選手権2023では、ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)の両方でトップスコアを叩き出し、完全優勝の3連覇を達成する。
そして、今季フィナーレとして3月にカナダ・モントリオールで行われた世界フィギュア選手権2024において、坂本はSP4位発進と出遅れるも、決勝のFSでは2位以下に10点以上のスコア差をつける圧巻のパフォーマンスを披露し、表彰台圏外からの逆転優勝により世界フィギュア3連覇という偉業を成し遂げた。世界フィギュア女子の3連覇は56年ぶり8人目の快挙で、日本人としては初めてのことだった。
この日行われた表彰祝賀会での坂本のコメントは、以下の通り。
「過去の自分に救われたかな」
「今シーズン、世界選手権3連覇と全日本選手権3連覇っていう目標を達成することができて、それを評価してもらえてすごく嬉しいです」
「(髪の毛を短く切ってイメージが変わったが)1年間で結構伸びたので、『これだけ伸びるんやったら、また切れるな』と思って(笑)。たぶんシーズン始まったら、またポニーテールができるぐらいまで伸びると思うので、もうバッサリ切りました。競技中はやっぱり短いのはちょっと邪魔です(笑)」
「今シーズンは本当に序盤から勢いよく行けた。グランプリファイナルでまず初めて優勝することができて、その嬉しい気持ちを忘れずに、全日本に挑んだ。全日本も練習の通りできたので、すごく嬉しかったです」
「世界選手権の前は体調を崩してしまって、なかなか思うように練習はできなかったんですけど、それでも短い期間の中でしっかりと練習を積むことができた。今までのその経験も含めて、過去の自分に救われたかなっていう感じがした」
「(過去の自分に救われたエピソードを具体的にいうと)『これだけやったから大丈夫』っていう練習量を積んで、(内容や結果の)良かった試合が今までにたくさんあった。『(練習量を)これぐらいでいいかな』っていう時もあったりするんですけど、もしそれで負けて悔しかったら、自分に腹が立つと思う。これだけ頑張ったからこその結果があるから、悔いの残らない練習をしようっていう気持ちになっている。それは今までの経験があるからこそ、こういう考えを持てている。それが過去の自分に助けられたっていう感じです」
「来シーズンは、(ミラノ・コルティナ2026)オリンピックのプレシーズンになる。オリンピックシーズン前っていうのは、本当に大事なシーズンで、 今まで以上に頑張っていかないといけない。また改めて気を引き締めていけたらなと思います」
「(4連覇については)もちろん目指しますけど、来シーズンは4連覇っていうよりは、オリンピックに繋がるようなシーズンにしたいと思っているので、 そこに重きを置いて1年過ごしていけたらなと思っています」
また、金2個を含む通算7個のオリンピックメダルを獲得しているスピードスケート女子日本代表の高木美帆が、坂本とともに年間最優秀選手に選ばれている。高木の同受賞は3年連続となる。