アメリカ合衆国コロラド州コロラド・スプリングスにて、現地時間2月9日から12日までの4日間にわたり四大陸フィギュアスケート選手権2023の競技が行われる。今大会のアイスダンスには、バンクーバー2010で日本フィギュア史上初となる男子オリンピックメダルを獲得し、アイスダンサーへと転向した髙橋大輔と、平昌2018アイスダンスに出場した村元哉中がペアを組む "かなだい" と、北京2022アイスダンス日本代表を務めた "チームココ" の小松原美里/尊の2組が出場する。
ここでは、アイスダンス2組にくわえて、ペア1組、シングルの男女それぞれ3名、総勢12名のTEAM JAPANが出場する四大陸フィギュア2023の注目選手や見どころを紹介しよう。
■注目選手・見どころ
▼アイスダンス
四大陸選手権2023のアイスダンスには、日本を含む7のNF(競技連盟)から13組がエントリーしている。また、注目すべきポイントとしては、近年の日本におけるアイスダンス人気を牽引している2組が代表選手として出場している点である。
1組目は、バンクーバー2010で日本フィギュアスケート史上初となる男子シングルのオリンピック銅メダルを獲得し、その後アイスダンサーへと転向した髙橋大輔と、平昌2018アイスダンスに出場した村元哉中の2人がペアを組む "かなだい" だ。
かなだいは、今シーズンで結成3季目。昨シーズンの四大陸選手権2022に日本代表として出場しており、堂々の銀メダルに輝いている。3年目のシーズンに入り、「深化」に取り組んでいるという2人は、アイスダンスの重要なエレメントのひとつであるユニゾン(調和)に一層の磨きをかけ、2022年12月に行われた全日本フィギュア選手権では、初めて日本一のタイトルを獲得した。2023年の初戦となるこの四大陸選手権2023では、表彰台の中央を目指して、かなだいの「進化」のパフォーマンスに注目したい。
そして、もう1組は、北京2022アイスダンス日本代表の "チームココ" こと、小松原美里/尊のペアだ。氷上でも日常でも、パートナーである美里と尊の2人は、2016年に結成し、2017年に結婚。アイスダンスのペアとしては、今シーズンで7季目を迎える。
2018年から2021年までの全日本フィギュアで4連覇を達成しているチームココは、北京2022日本代表に選出され、冬季オリンピック初出場を果たした。とくに、全日本フィギュア選手権2021では、かなだいとの直接対決を制し、成績発表直後のキスアンドクライでは感極り、涙で抱擁する2人の姿に、心を奪われた人も多いことだろう。
しかし、前述の通り、全日本フィギュア選手権2022では、5連覇のチャンスをかなだいに阻まれ、銀メダルに終わったチームココだが、試合終了後のインタビューでは、悔しさを滲ませながらも、美里は同郷・岡山出身の髙橋大輔へのリスペクトを忘れなかった。
「私たちも優勝目指していていたので、悔しい」
「大ちゃん(髙橋)がいなかったら、アイスダンスがこんなに盛り上がっていない。感謝しています」
- 小松原美里・全日本フィギュアスケート選手権2022インタビューより
そんな、日本を代表するアイスダンス2組が、いよいよ国際大会の氷の上で激突するのだ。見逃すわけにはいかない。
▼ペア
ペアには、5NFより10組が四大陸選手権2023にエントリーしており、日本からは "りくりゅう"こと、三浦璃来/木原龍一のペアが出場する。
2022年末の全日本フィギュア選手権では、飛行機のディレイやロストバゲージなどの不運が重なり、欠場という苦渋の決断を余儀なくされた2人だが、グランプリファイナル2022(イタリア・トリノ)で初の金メダルを獲得したその実力に、日本のみならず、世界が注目している。3月にさいたまスーパーアリーナで開催される世界フィギュア選手権2023の代表にも選出されているりくりゅうが、およそ2ヶ月ぶりとなる実戦のアイスリンクで、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、目が離せない。
▼男子シングル
四大陸選手権2023男子シングルには、11NFより22名がエントリーしている。そのうち、日本からは3名が出場する予定だ。
1人目は、全日本フィギュア2022で銀メダルに輝き、初めて全日本の表彰台に上った島田高志郎だ。今シーズンは、ISU(国際スケート連盟)グランプリシリーズの2大会に出場し、国際大会でも知名度を上げている島田は、初の四大陸フィギュア出場を果たす。
島田と同様に、四大陸選手権に初出場するのが佐藤駿だ。1月に行われた特別国民体育大会冬季大会スケート競技会フィギュア成年男子では、SP(ショートプログラム)4位発進となったが、つづくFS(フリースケーティング)では巻き返しの演技で逆転優勝を飾ったばかり。
さらに、昨年の四大陸フィギュア2022に出場し、銅メダルに輝く三浦佳生も、2023年のエントリーリストに名を連ねる。佐藤の国体のパフォーマンスのように、1月に開催された冬季インターハイ2023で三浦は、SP2位から逆転優勝を成し遂げている。
成長著しい3名のホープが、国際大会のアイスリンクでいったいどんなパフォーマンスを見せてくれるのかーー。
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▼女子シングル
四大陸選手権2023女子シングルでは、日本代表3名を含む24名が12のNFよりエントリーしている。
注目は、初出場となったグランプリシリーズ2022/2023のスケートカナダで1位となり、世界にその名を轟かせた渡辺倫果だ。グランプリファイナル2022の出場チケットも手に入れ、僅差のスコアで表彰台に届かなかった渡辺が、四大陸という舞台で、ふたたびその勝負強さを見せることができるか。
また、高校生スケーターの吉田陽菜と千葉百音の2名も、四大陸選手権2023の代表に選出されており、開幕まで3年となったミラノ・コルティナ2026に向けて、選手権レベルの国際大会で10代の有望選手たちがどのような力を発揮するのか、その成長に期待がかかる。
■競技日程
※現地日付で紹介
※日本と現地の時差は −16時間
2月9日
- 女子シングル SP
- 男子シングル SP
2月10日
- ペア SP
- アイスダンス RD
- 女子シングル FS
2月11日
- ペア FS
- 男子シングル FS
2月12日
- アイスダンス FD
- エキシビジョン
SP…ショートプログラム
RD…リズムダンス
FS...フリースケーティング
FD…フリーダンス
■放送予定
※2023年2月6日時点の情報