女子バスケ2022年ワールドカップ、日本代表とグループBの顔ぶれ

パリ 2024

9月22日〜10月1日の日程でオーストラリア・シドニーで開催される女子バスケットボールの2022年ワールドカップ。優勝チームにはパリオリンピックの出場権が与えられるこの大会で、東京オリンピック銀メダルの日本代表は「世界一」を目指す。

1 執筆者 Chiaki Nishimura | 公開日:9月21日
ramu tokashiki
(2022 Getty Images)

4年1度行われる女子バスケットボールのワールドカップ。

2018年にスペイン・テネリフェで行われた前回大会では惜しくも8強入りを逃した日本代表だが、あれから4年が過ぎた今年のシドニー大会は、オリンピック銀メダリストとして大会に臨む。

大会期間は9月22日〜10月1日。9月22日からまずはグループステージがスタートし、各グループの上位4チームが9月29日からの決勝トーナメントに進む。10月1日に予定されている決勝で大会を制したチームがパリ2024への出場権を獲得する。

日本代表「アカツキジャパン」は出場権獲得の第1号となれるか!? 女子日本代表の布陣と、日本が対戦するグループBの各チームを紹介しよう。

髙田真希、赤穂ひまわり率いる女子日本代表

強化合宿や強化試合を経て、9月8日に女子日本代表メンバー12人が発表された。今季WNBAでプレーした町田瑠唯がメンバーに入っていないことを残念に思うファンは少なくないだろうが、それでも東京2020で大会を盛り上げた選手や代表復帰選手、新たに選出されたメンバーなど、日本勢の活躍を予感させる選手らが名を連ねている。

キャプテンとしてチームを率いるのは最年長33歳で、パワーフォワードの髙田真希。2018年以降、日本代表を牽引し、東京オリンピックでは銀メダル獲得に大きく貢献したことは記憶に新しい。

その髙田のサポート役として副キャプテンに選ばれたのが赤穂ひまわり。2018年に初代表入りした赤穂は、東京オリンピックでは高いリバウンド力で存在感を発揮した。24歳の赤穂の成長は著しく、日本が5連覇を達成した2021年のFIBA女子アジアカップではMVPに選出された。日本代表でのポジションはシューティングガード/スモールフォワード。

2020年12月に右膝の前十字靭帯断裂という大怪我を負ったことで東京2020の舞台に立つことができなかった渡嘉敷来夢(らむ)が、今年2月のワールドカップ予選で代表復帰。東京でメダルを手にできなかった分、他選手よりもパリオリンピックに向けた思いは強い。

193cmでセンターの渡嘉敷は今回の大会に向け、「日本にはない高さの部分で少しはチームに貢献できると思うので、リバウンドや大きい選手に対するディフェンスで体を張って、地味だけど頑張りたい」と日本バスケットボール協会の公式サイトでコメント。長年とともに戦ってきたキャプテン髙田は、「彼女が持っている能力や高さは世界にも通じるので、一緒に戦えることは心強い」とした。

このほか、東京オリンピックに3x3日本代表として出場したパワーフォワードの馬瓜ステファニーとポイントガードの山本麻衣、東京オリンピックの決勝トーナメントの全戦で先発出場したスモールフォワード/パワーフォワードの宮澤夕貴が代表入り。

恩塚亨ヘッドコーチから「日本の先頭を走ってくれ」(日本バスケットボール協会の公式サイトより)と期待を寄せられるオコエ桃仁花や、同じく東京2020銀メダルメンバーでポイントガードの宮崎早織、シューティングガード/スモールフォワードの東藤なな子らも日の丸を背負う。

初選出となったのは、シューティングガードの平下愛佳のほか、ポイントガードの安間志織、シューティングガードの吉田舞衣。中でも2002年生まれの平下は、大会に先立って行われたテストゲームのベルギー戦で3ポイントシュートを5本決め、チーム最多の18点をマーク。国際バスケットボール連盟(FIBA)では、今大会で注目の若手5選手のひとりとして平下を取り上げた。

グループBのパワーランキングと世界ランキング

2022年女子バスケットボール・ワールドカップでは参加12チームが2つのグループに分かれて総当たり戦を行う。

日本はグループBに入り、このグループにはワールドカップ優勝経験を持つ地元オーストラリア、東京オリンピックで日本が準決勝で対戦したフランス、同じく準決勝進出のセルビア、世界ランキングでは日本より格上のカナダなどが入っている。

日本はFIBA世界ランキングで8位(2022年2月付)に位置し、大会直前の9月20日に発表されたパワーランキング第4弾(代表メンバー、テストゲーム、グループ分けなどを考慮)では4位の評価。

グループBでどんなチームと対戦するのか。それぞれのチームを見てみよう。以下すべて日本時間。

9月22日(木)13:00 マリ代表戦

2月に行われたワールドカップ予選でグループ最下位となったものの、同グループのナイジェリアが出場を辞退したことで本戦への切符を手にしたマリ代表。運良く手に入れたチャンスを活かそうと、気合い十分で乗り込んでくることが予想される。このチーム内で最も注目を集めるのが、190cmでパワーフォワードを務めるシカ・コネ。20歳で現在アフリカ最高の選手と称されるコネは、今年4月にWNBAのニューヨーク・リバティにドラフト指名(全体29位)された。

  • マリ代表のFIBA世界ランキング (2022年2月付)- 37位
  • マリ代表のパワーランキング(第4弾、2022年9月付)- 12位

9月23日(金)11:00 セルビア代表戦

日本はマリ代表との戦いの翌日、セルビアと対戦する。一方のセルビアはフランスとの戦いを終えての日本戦となる。

監督を務めるのはリオ2016オリンピックでセルビア代表チームを銅メダルに導いたマリーナ・マルコヴィッチ氏。同監督の下、セルビア代表は昨年2度目となるヨーロッパ王者の称号を手にし、東京オリンピックでは準決勝でアメリカ合衆国に、3位決定戦ではフランスに敗れて4位となった。

マルコヴィッチ監督は、髙田真希や赤穂ひまわりらが所属するデンソーアイリスで昨季までヘッドコーチを務めた人物(現在はアドバイザリー)。選手らをよく知り、逆に選手らも監督をよく知っているだけに、興味深い戦いが繰り広げられるだろう。

  • セルビア代表のFIBA世界ランキング (2022年2月付)- 10位
  • セルビア代表のパワーランキング(第4弾、2022年9月付)- 9位

9月25日(日)19:30 カナダ代表戦

3戦目は、パワーランキングで日本よりも下に位置づけられるものの、世界ランキングでは上位となるカナダ代表。

2月に大阪で行われたワールドカップ予選で、日本代表はカナダ代表を相手に86–79で勝利。オーバータイムの末の逆転勝利となったこの激戦で、日本は第1、第2クォーターとカナダのリードを許し、一時は20点差がつけられることも。

カナダ代表は東京オリンピックではグループステージで敗退。今大会ではWNBAでプレーするナタリー・アコンワブリジット・カールトンキア・ナースがチームを盛り上げる。

  • カナダ代表のFIBA世界ランキング (2022年2月付)- 4位
  • カナダ代表のパワーランキング(第4弾、2022年9月付)- 6位

9月26日(月)15:00 フランス代表戦

東京オリンピックの準決勝で日本に敗れ、3位決定戦でセルビアを破って銅メダルを獲得したフランス代表。母国開催となるパリオリンピックに向けて着々と準備を進めていることだろう。

ワールドカップ予選では中華人民共和国に完敗し、ナイジェリアに惜敗するなど、安定性に欠けているように見受けられる。しかし、WNBAファイナルを制したラスベガス・エーシズで活躍するイリアナ・リュペールや、2001年生まれのマリヌ・フォトゥクスなど若手の台頭が注目され、ふたりはそれぞれユーロリーグの最優秀若手選手賞を受賞した(リュペール2020/2021、フォトゥクス2021/2022)。

大会直前の9月19日に行われたフランス対日本のテストマッチでは、69−59で日本が勝利した。

  • フランス代表のFIBA世界ランキング (2022年2月付)- 6位
  • フランス代表のパワーランキング(第4弾、2022年9月付)- 8位

9月27日(火)19:30 オーストラリア代表戦

日本はグループステージ最終戦で、ホスト国オーストラリア代表と対戦する。東京オリンピックでは準々決勝でアメリカ合衆国に敗れ、メダル獲得はならなかったが、1998年以降のワールドカップ6大会では、2010年大会を除く5大会で表彰台に立ち、2006年大会では初優勝を遂げた。

オパールズの愛称で知られるオーストラリア代表で最も注目されるのは、同国のレジェンド的存在の**ローレン・ジャクソン**だろう。41歳のジャクソンは2016年に引退したものの、今大会で復帰を果たす。

  • オーストラリア代表のFIBA世界ランキング (2022年2月付)- 3位
  • オーストラリア代表のパワーランキング(第4弾、2022年9月付)- 2位

女子バスケ・ワールドカップのグループ分け

グループA

  • ベルギー
  • 中華人民共和国
  • ボスニア・ヘルツェゴビナ
  • プエルトリコ
  • 大韓民国
  • アメリカ合衆国

グループB

  • フランス 
  • セルビア
  • 日本
  • マリ
  • カナダ
  • オーストラリア

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