カナダ・カルガリーで開催中の「パン コンチネンタル カーリング選手権2022(Pan Continental Curling Championships 2022/以下:PCCC)」は現地時間11月2日に大会3日目を迎えた。日本からは、北京2022女子銀メダルのロコ・ソラーレ(藤澤五月、吉田知那美、鈴木夕湖、吉田夕梨花、石崎琴美)と、平昌2018代表チームのSC軽井沢クラブ(栁澤李空、山口剛史、山本遵、小泉聡、谷田康真)が出場している。
■ロコ・ソラーレが暫定3位に
ロコ・ソラーレは大会3日目に2試合を実施。1試合目ではブラジル代表と対戦した。第2エンドで一気に3点を挙げると、その後も順調にリードを広げる。第6エンドで4点のビッグエンドを作ると、第7エンドでブラジルが1点のみにとどまる。11-2となったところでブラジルがコンシードし、ロコ・ソラーレが大勝で4勝目を得た。
続く2試合目はオーストラリア代表と対戦。ブラジル戦以上に一方的な展開となった。ロコ・ソラーレは第1エンドから第5エンドまで連続で得点。第6エンドでようやくオーストラリアが1点を奪ったが、すでに点差は11-1。第6エンド終了時点でコンシードを選び、ロコ・ソラーレの5連勝が決まった。6試合を消化したロコ・ソラーレは5戦5勝のアメリカ合衆国、カナダに次いで、5勝1敗の暫定3位につけている。
また、ロコ・ソラーレはすでに出場枠を持つカナダを除いた4位以上が確定。世界選手権の出場枠を獲得した。
■SC軽井沢クラブは4連敗
PCCCの男子日本代表は、平昌2018代表チームのSC軽井沢クラブだ。ただし、オリンピック出場経験があるのは、サードを務める山口剛史のみで、その他のメンバーは全員、平昌2018以降にトップチームに加わったメンバーで、今大会が日本代表として初めての国際大会出場となる。
SC軽井沢クラブは開催国のカナダ代表と対戦し、2-11で黒星。第4エンドで4点を許したことが大きく響いた。続くアメリカ合衆国代表戦は第1エンドで2点を先行する幸先いいスタート。しかし第5エンドで5点を与えると、流れは一気に米国へ。5-10から逆転を狙った第9エンドも2点を奪うに留まり、7-10でコンシードとなった。この結果、SC軽井沢クラブは初戦からの連敗が4へと伸び、ブラジルと並んで最下位となっている。
■PCCCとは?
これまで「パシフィック・アジア選手権」と「アメリカ大陸チャレンジ」と、別々に実施されていたカーリングの大陸別選手権が、ミラノ・コルティナ2026の新たなオリンピックサイクルが動き出す今年(2022年)よりひとつに統合され、「パン コンチネンタル カーリング選手権」、通称「PCCC」として生まれ変わり、カナダ・カルガリーを舞台にしてこの秋、その第1回大会が開催されることとなった。
PCCCでは、男女ともにAとBのディビジョンに分かれてトーナメントが実施され、女子の場合、Aが9、Bが4の合計13チーム、男子の場合、AとBそれぞれ8の合計16チームがエントリーしている。日本代表は男女どちらも、Aディビジョンに属している。
このPCCCでは、シーズン締めくくりに開催される世界選手権の出場枠を獲得できる大会として位置付けられており、男女ともにAディビジョンの上位5チームに入ると、2023年3月下旬(女子・スウェーデン)と4月上旬(男子・カナダ)に予定されている今シーズン(2022/2023)の世界選手権の出場チケットを手に入れることができる。ただし、PCCC2022ホスト国のカナダは、男女両チームへ世界選手権出場枠を自動的に与えられることが決まっているため、今季については、カナダを除く上位4チームに入らなければならない。今大会の競技フォーマットを見渡したところ、予選となるラウンドロビン(総当たり戦)の試合を勝ち進み、準決勝へ進出する上位4チームへと勝ち上がれば、世界選手権の出場権もほぼ確実に獲得できると言えそうだ。
さらに、気をつけなければいけない点は、PCCCではAとBのディビジョンの入れ替えが行われる点だ。女子の場合、新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大の影響により、Aディビジョンに属する中国チームがPCCC出場を辞退しており、今季に限り、オーストラリアとニュージーランドを含めた9チームによるAディビジョンのトーナメントが実施される。このAディビジョン下位2チームは、来シーズン(2023/2024)はBディビジョンへ降格、またBディビジョンの優勝1チームはAへ昇格となり、本来のAディビジョン規定数である8チームへと戻されることとなっている。
また、男子の場合は、Aの最下位チームとBの優勝チームが、ディビジョンの入れ替えを実施することとなっている。
なお、ヨーロッパ大陸選手権は従来通り実施され、PCCC同様に世界選手権の出場枠を獲得できる仕組みとなっている。
男女ともに、世界選手権行きの切符はもちろんのこと、この初代大陸選手権のタイトルを手中に収めたい大会となるので、PCCC初日の氷上の試合から見逃せそうにない。
■PCCC競技日程
10月31日〜11月4日
- 男女 予選(ラウンドロビン)
11月5日
- 男女 準決勝
- 男子 3位決定戦
11月6日
- 男子 決勝
- 女子 3位決定戦
- 女子 決勝
■PCCC 出場チーム
Aディビジョン
女子
- オーストラリア
- ブラジル
- カナダ
- 香港
- 日本
- カザフスタン
- 韓国
- ニュージーランド
- アメリカ
男子
- オーストラリア
- ブラジル
- カナダ
- チャイニーズ・タイペイ
- 日本
- 韓国
- ニュージーランド
- アメリカ
Bディビジョン
女子
- チャイニーズ・タイペイ
- ケニア
- メキシコ
- ナイジェリア
男子
- ガイアナ
- 香港
- インド
- カザフスタン
- ケニア
- ナイジェリア
- カタール
- サウジアラビア
※世界カーリング連盟 掲載順