スポーツクライミング、ワールドカップ・ソルトレークシティ大会の見どころと注目選手

前回のソウル大会で、スピード種目の世界記録が2つも更新されたスポーツクライミング・ワールドカップ。戦いの舞台は米国ソルトレークシティに移る。大会の見どころや注目選手、日程をチェック!

kokoro fujii
(2021 Getty Images)

米国のソルトレークシティで2大会続けて行われるスポーツクライミング・ワールドカップの最初の大会が、5月20日から22日の日程で実施される。前回は、大韓民国のソウルでスピードとボルダリング種目が行われ、ソルトレークシティでも同様の種目でクライマーらが競い合う。

米国のナタリア・グロスマンの母国での活躍や、スピード種目で世界新記録を樹立したインドネシアのキロマル・カティビンと同胞のレオナルド・べドリックの対決、さらにソウル大会でボルダリング男子の表彰台を独占した日本勢、藤井快楢﨑智亜緒方良行などの戦いの行方は? 今週末(5月20日〜22日)のソルトレークシティでのワールドカップの見どころをお届けする。

ソウル大会で何が起こった?

何が起こらなかったのか? と尋ねた方が良いくらい、見どころ満載だったソウル大会。スピード種目では、ポーランドの**アレクサンドラ・ミロスワフが女子世界最速となる6秒64を記録し、決勝で優勝。インドネシアのキロマル・カティビンが男子世界最速の5秒17を記録したものの、決勝では同胞のレオナルド・べドリック**に敗れるという波乱も。この3人は、ソルトレークシティで再び活躍することになる。

ボルダリング種目では、ナタリア・グロスマンが圧倒的な強さで優勝。2位はフランスのオリアン・ベルトーネ、3位はグロスマンの同胞**ブルック・ラバトゥ**だった。

開幕戦に続いて恒例となりつつあるのは、男子ボルダリングにおける日本勢の活躍。ソウル大会では世界王者の藤井快が準決勝2位からの逆転優勝を収め、2位には楢﨑智亜、3位には緒方良行が入り、日本勢が表彰台を独占した。

ソルトレークシティでの注目選手

スイスのマイリンゲンで開催されたボルダリング・ワールドカップ第1戦で優勝した、オリンピック金メダリストの**ヤンヤ・ガンブレット**は、今シーズン他のボルダリングのワールドカップに参加しない一方、グロスマンが母国で開催される2大会に向けて絶好調ぶりを示している。

ソウル大会でのグロスマンは、他の選手とは一線を画しており、ソルトレークシティでも同様のパフォーマンスが予想される。今シーズンのランキングでは、グロスマンの1805ポイントに対して、フランスのベルトーネが1415ポイントで2位につけ、セルビアのスターシャ・ゲヨは1105点で3位につけている。ちなみに日本女子は伊藤ふたばが最高位の7位で785ポイントとなっている。

男子ボルダリングでは、藤井快、楢﨑智亜、緒方良行のトリオを見過ごすことはできない。第1戦で優勝、第2戦で準優勝となった楢﨑がランキングトップに位置しており、2位が緒方、3位が藤井の順で並んでいる。ソルトレークシティでも、彼らはこの活躍を続けることができるだろうか。

男子スピードのシーズンランキングでは、べドリックがトップ、カティビンが2位、ラーマッド・アディ・ムリョーノが3位と、ランキングのトップ3はインドネシアのクライマーが独占。ソウル大会でべドリックからカティビンに世界記録保持者の称号が移ったばかりの今、ソルトレークシティでもトップ2による壮絶な戦いが繰り広げられることだろう。

女子スピードでは、ソウル大会で世界新記録を樹立したミロスワフが注目される。しかし、彼女は米国のエマ・ハントとの厳しい戦いに直面することになる。ハントは自国で好成績を残すべく戦いに挑むことが予想される。ポーランドのアレクサンドラ・カルッカとドイツのフランツィスカ・リッターは、ワールドカップランキングで3位と4位につけており、表彰台の頂点を目指して争うことになるだろう。

ワールドカップ・ソルトレークシティ大会の日程

以下すべて現地時間

5月20日(金)
0:15pm スピード予選
8:00pm スピード決勝

5月21日(土)
9:00am 男子ボルダリング予選
6:00pm 女子ボルダリング予選

5月22日(日)
11:00am ボルダリング準決勝
4:00pm 男子ボルダリング決勝、その後、女子決勝が続く

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