北京2022フィギュアスケート個人戦の最初の種目となる男子シングルが終了し、**鍵山優真が銀メダル、宇野昌磨**が銅メダルに輝いた。
昨日(2月10日)の晩に実施されたメダルセレモニーを終えて、鍵山は初の、宇野は2個目となるオリンピックメダルをそれぞれ首にかけ、笑顔で表彰台に上った。
一夜明けた今日(2月11日)の午前、TEAM JAPANメダリスト会見に臨み、今後の目標などを語った。
#StrongerTogether
これまでに鍵山と宇野は、同じアイスリンクで練習することがあり、言葉は交わさずとも練習している様子を見ながら互いに刺激しあってきたそうだ。
「お互いの練習を見て、切磋琢磨して競い合っていけているのは、いい部分だと思いますし、今後も同じ練習場で、一緒に練習して、お互いに高めあっていけることがあったらいいなって思っています(鍵山)」
「自分にとっては同世代の感覚で一緒に練習させていただいていて。自分の周りで、一緒に高め合っていく存在っていうのは、なかなか近場にはいなかったので、そんな存在に憧れていたので嬉しいです。またそのおかげで、自分がもっともっと成長しなければいけないなって。優真くんの練習を見ていると、本当に僕にはないもの、ジャンプやプログラムの完成度も素晴らしいので、見ているたびに『今のままじゃダメだな』っていう、向上心を刺激してもらっています(宇野)」
鍵山は来春、大学進学を控えており、今後はふたりで練習する機会も増えるそうだ。まさに、ライバルであり、仲間でもあるふたりは共に、もっと強くなっていくのだ。
言葉の大きな力
言葉には大きな力がある。辛い時や自信を失いそうになる時、誰かの言葉がパワーに変わる。
アスリートにとっては、コーチの存在はもちろん、彼らの言葉が励みになる。
鍵山のコーチは、父であり、オリンピック出場経験もある正和氏だ。
「『(北京2022)オリンピックの舞台で、ひとつの悔いも残らないように、何も思い残すことがないように、演技して来い』と言われました」
「悔いのないように、全力でやれたという部分に関して良かったと思っています」
宇野のコーチは、トリノ2006銀メダリストのステファン・ランビエール氏だ。オリンピック経験者だからこそ発する言葉は、宇野を支えてくれていた。
「『君が世界一になるには、何が必要だと思う?』と声をかけていただいて。そういう言葉をかけていただいた時に、まだまだもっと上に行けるというのを信じてくださっているんだなっていうこと(を感じて)。もっと上手くなりたいなっていう原動力になりました」
次なる目標へ
鍵山も宇野も、この冬のオリンピックで、全力を出し切ってのメダル獲得に納得した様子だ。しかし、そこは頂上ではない。だからこそ、彼らはまだまだ走り続ける。
特に、宇野にとっては、金メダルに輝いたネイサン・チェンの存在が大きいようだ。
「今大会で、ネイサンのような存在になりたいというのは思いました」
「僕はそんなにプレッシャーに強いタイプではないと思うんです。練習よりいい演技ができるっていうのは、ほぼこの4年間で1度もないというくらい、練習通りかそれ以下っていう演技(の内容)がほとんどだと思う」
「実力そのものが、皆さんよりかなり圧倒的にならない限り、僕が世界のトップに立つということは不可能だっていうのは、この数年間で分かりました。そういったものを見据えて、今年この構成ですべて自分のやれることを全部詰め込んだ」
「トップっていうのを目指すためにも、いろんな新たなことに挑戦しなければいけないと思いますし、今挑戦しているものの完成度をすごく上げれば、限りなくトップに近い存在に近づけると思っているので、今からでも自分の成長が楽しみっていうのはあります」
鍵山もまた、次の目標へ向かって歩み始めている。
「4年後のオリンピックに出たいと思っていますが、今、目の前にあるやるべきことをこなしていかなければならないので、4回転ループの精度を上げることだったり、表現力をもっと磨くことを毎日コツコツとやって、4年後につなげられたらいいなと思います」
「金メダルに関してはまた4年後、新たに目指して頑張りたいと思うので見守って頂けると嬉しいです」