北京2022の興奮が止まらない。
フィギュアスケート団体戦で日本の銅メダル獲得に大きく貢献した、**鍵山優真**が個人戦でもやってみせた。
オリンピック初出場の18歳は、本日行なわれた決勝のフリースケーティングでも堂々とした演技を披露し、銀メダルを獲得。初出場にして、2個のオリンピックメダルをその手中に収めた。
「がんばってきたよ」
自身の父であり、オリンピック出場経験のある正和コーチと、日本で応援してくれていた家族に向けて、銀メダル快挙の喜びを一言でこのように伝えたいと鍵山は語った。
団体戦
2月6日、個人戦の前に行なわれたフィギュアスケート団体戦では、決勝進出が決まった直後の男子フリースケーティングの代表として、鍵山は出場する。
初めてのオリンピックの銀盤でのパフォーマンスとは思えない、自信に満ち満ち溢れた演技で世界を魅了する。
それは、スコアを見れば納得だ。
鍵山は、パーソナルベスト大きく更新する208.94をマークして首位に立ち、チームポイント10点を獲得する。一気に、メダル獲得の流れを引き寄せた。ちなみにこの時、2位の選手とのスコア差は、27点もあった。
「点数を見てびっくりしました。200点を超えたいと思っていたので良かった。個人戦ならひとりだけだけど、チームのみんながいたので。プレッシャーを感じたけど、その分うれしかったです」
これに刺激を受けたTEAM JAPANのメンバーも勢いに乗り、日本は初めて団体戦の表彰台に上り、3位銅メダルを獲得した。
個人戦
2月8日、男子シングルの個人戦がはじまり、予選となるショートプログラムが行なわれた。
今シーズンのフィギュアスケートグランプリシリーズで参戦した2大会ともに優勝し、総合成績でも首位に輝いていた鍵山は、世界ランキングに基づき最終グループで滑走。エントリー30名のうち、27番目の出場となった。
鍵山は、ここでもダイナミックかつ精度の高い演技を披露し、ジャンプ3本全てを成功させる。
そして、ショートプログラム自己最高得点となる108.12を記録し、暫定2位のメダル圏内についた。
そして、今日(2月10日)。運命の、決勝フリースケーティング。
ショートプログラム成績のリバースオーダーのため、鍵山は最後から2番目に登場。自身の成績次第で、表彰台に上ることのできる選手が決まっていくという、独特の緊張と興奮が会場を支配していた。
「他の練習をしていない」と、北京到着時から語っていた高難度の4回転ループを取り入れた構成は、迫力ある「グラディエーター」の楽曲と非常に相性が良く、若い力が漲るエネルギッシュなプログラム内容だ。
その4回転ループで片手をつく着氷になってしまったが、転倒は回避。その後のジャンプは全て成功させ、意地を見せつける。そして、迫力あるクライマックスの音楽が鳴り止むと、主人公の勇者は表情を緩め、ほっとしたように、氷の上に崩れ落ちた。
鍵山のフリースケーティングのスコアは、201.93。
団体戦のスコアは超えられなかったものの、200点を上回るハイスコア。そして、ショートプログラムの得点と合わせて合計310.05となり、暫定1位となってオリンピックメダルを確定させた。そして、最終2位となり、銀メダルを獲得した。
「(フリーは)やっぱり緊張しました」
「(銀メダル獲得は)嬉しく思っていると同時に、まだまだやれたなと実感してます」
「今後自分にとって、大きなものに繋がっていくと思うので、まだまだ諦めずに成長できるように頑張りたいなって思います」