9月24日(日)から行われている第19回アジア競技大会(中華人民共和国・杭州)ボクシング競技の9日目10月3日(火)は、現地時間午後4時15分より杭州体育館にて男子71kg級の準決勝が行われた。日本代表の岡澤セオンレッツクインシーメンサが、2023年世界ボクシング選手権(ウズベキスタン・タシュケント)のライトミドル級王者アスランベク・シンベルゲノフ(カザフスタン)と対戦し、3-2の判定勝ちをおさめ決勝に駒を進めた。今大会のボクシング競技はパリ2024オリンピック予選を兼ねており、男子71kg級では上位2名がオリンピック出場枠を得る。岡澤は準決勝に勝利したことでオリンピック出場枠を獲得した。
なお、オリンピック各国代表の編成に関しては国内オリンピック委員会(NOC)が責任を持っており、パリ2024への選手の参加は、選手が属するNOCがパリ2024代表選手団を選出することにより確定する。
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岡澤、宿敵シンベルゲノフに勝利!
2022年7月にカザフスタン・ヌルスルタンで開催された「第1回エロルダ杯国際トーナメント」に出場した岡澤は、男子ライトミドル級(71kg)でシンベルゲノフと対戦していた。この時は1-4で判定負けとなり銀メダルという悔しい思いをした。
今大会の準々決勝では、インドのデブ・ニシャントに判定5-0で快勝していた岡澤。宿敵シンベルゲノフとの男子71kg級の準決勝は、現地時間午後4時15分より開始された。
第1ラウンドでは、ジャッジ5人の判定は2-3でシンベルゲノフ。第2ラウンドも2-3でシンベルゲノフだったが、勝負の第3ラウンドは岡澤が3-2で取り返し、最終的なスコアで3-2となり逆転勝利をおさめ決勝進出を決めた。長身の選手に苦手意識があるとされた岡澤だが、3cm高いシンベルゲノフに競り勝った。この勝利と同時に、男子71kg級で上位2名に1枠ずつ用意されていたオリンピック出場枠を獲得した。
2021年の東京2020ウェルター級(63-69kg)9位だった岡澤は、同年10月にセルビア・ベオグラードで開催された世界ボクシング選手権の同級で日本選手初の金メダルに輝いている。決勝での戦いに注目だ。
決勝は10月4日(水)現地時間午後8時45分、杭州体育館にて行われる。相手はChinese Taipeiのカン・チウ・ウェイ。
パリで「日本国歌を流したい」
試合後、岡澤はインタビューに応じ、「僕自身、この試合を一番楽しみにしていた。ワクワクして誰よりもこの試合を楽しんだと思う。それがジャッジにも伝わってポイントが入ったのかなとも思う」と勝利の要因について触れた。
また、「いろいろな人のおかげでボクシングを続けてこれた。やってきてよかった。その人たちに感謝したいし、ここがゴールじゃないのでオリンピックの金メダルを見せて、あの時続けさせてくれてありがとうと伝えたい」と謙虚に語った。
そして、パリ代表枠を獲得したことについて、「もう最高。パリが楽しみ。この調子で行ったら金は取れる。パリで金を取っていろいろな人と一緒に分かち合いたい。勝った時のこの瞬間のためにやってきた。もうマジで気持ちいいです」と、日本代表としてパリの表彰台に立つことを力強く話した。