14歳のBボーイRa1On「次はベスト8に行けるように」

スポーツイベントが盛りだくさんの週末。多くのアスリートたちがそれぞれの舞台で力を尽くして自分の成長を確かめ、また次の目標に向かっていく。先週末に行われた大会で活躍したアスリートたちの中から、ブレイキンの窪田雷音に注目した。

1 執筆者 EJ Monica Kim and Chiaki Nishimura|公開日:10月24日
Ra1on

パリ2024オリンピックで新競技として実施されるブレイキン世界選手権・ソウル大会は、Bガール(女子種目)ではAmi(湯浅亜実)、Bボーイ(男子種目)ではカナダのPhil Wizardが優勝する形で2日間にわたる熱いダンスバトルを終えた。

10月21日、22日の日程で大韓民国のソウルで行われたこの大会には、世界中のブレイクダンサーおよそ300人が参加。日本勢は3人が表彰台に立ち、女子4選手がベスト8に進出するなど健闘した。

今回の大会で2大会ぶりの優勝となった23歳のAmiは、大会後「自分が今まで若手だったのに、(今回の大会では)今成長している下の子たちと対戦した」と語ったが、その言葉通り、大会では準決勝進出を果たした15歳の**Riko(津波古梨心)**をはじめ若手の勢いも目立った。

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(公益社団法人日本ダンススポーツ連盟)

日本勢の中でも最年少となったのが14歳のBボーイ**Ra1On(窪田雷音)**だ。およそ180人が参加した男子種目で、窪田は年上の選手らとの戦いを勝ち抜いてベスト16進出を果たした。

ベスト16のバトルは、4人ずつの4グループに分かれてそれぞれ対戦し、グループの上位2選手が準々決勝(ベスト8)に進むという形式で実施された。Ra1Onは、今年のワールドゲームズ銅メダリストのShigekix(半井重幸)、前回大会覇者のVictor(アメリカ合衆国)、ノルウェーのDanielと対戦し、Victor、Shigekixとのバトルには敗れたものの、Danielとの戦いでは引き分けとなるなど、堂々としたパフォーマンスを披露した。

バトルを終えたRa1Onは、「自分のできる限りのことは全部出せたかなと思います」と冷静に振り返り、「初めてWDSFの世界大会に出たんですけど、世界の方たちと自分を比べたらやっぱりまだまだだなって思いました」と語った。

兵庫県生まれのRa1Onは、尼崎市の学校に通う中学2年生。ブレイキンを始めたのは6歳のころで、2021年秋に東京都渋谷区で行われたスポーツイベント「Next Generations Games」のブレイキン1対1バトル(15歳以下)で2年連続、2度目の優勝を達成。好きなダンサーとして「シルエットがかっこいい人が好き」とし、自らもそのスタイルを目指す。

「今回トップ16で終わったので、(次は)トップ8に行けるように頑張って、さらに優勝を目指して頑張りたいと思います」

パリ2024のブレイキン競技では2008年12月31日以前に生まれていることが出場権獲得のための前提となり、2008年4月生まれのRa1Onにもパリへの道は開かれている。パリオリンピックに向けて、「自分の目標がさらに増えたと思っています。(頭に浮かぶのは)やっぱり金メダルですね」と語った。

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