3月3日に号砲となる東京マラソン2019。前回大会では設楽悠太が2時間6分11秒で当時の日本記録を更新し、2位に入ってみせた。今大会では日本記録保持者の大迫傑に期待が掛かる。
昨年のシカゴマラソンで2時間5分50秒という日本記録を打ち立てた大迫傑。2016年のリオ五輪では5000メートルと1万メートルに出場したように、以前はトラック種目を主戦場としていたが、2017年からマラソンに転向。初のマラソンとなった2017年ボストンマラソンでは2時間10分28秒をマークし、3位に輝いた。同年12月の福岡国際マラソンで3位に入り、東京五輪マラソン日本代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権をすでに獲得している。
大迫はレースを2日後に控えた1日の記者会見に出席し、抱負を語った。
数あるレースの中から東京マラソンへの参加を決めた理由については、「9月に東京で行われるMGCに向けて、コースは全く同じではないが、雰囲気や独特の緊張感に準備をしていきたいところがあった」と明かした。新国立競技場がスタート・ゴール地点となる東京五輪と、新宿・都庁をスタート地点にし、東京駅前がゴールとなる東京マラソンはコースに違いがあるが、東京での場数を踏んでおくことは大きなメリットになるはずだ。
東京マラソンは起伏の少ない平坦なコースを走る高速レースが展開されるため、日本記録の更新に期待は集まる。しかし、大迫本人は冷静さを保っている。会見では目標タイムを問われると"??:??:??"と回答ボードに記入。その理由について「今までそんなにタイムを気にして走ってこなかったので、タイムが良ければそれに越したことはないが、気象条件や当日の(レースの)ペースに左右される中で、そこにこだわり過ぎると力んでしまう」とその意図を説明した。