ハンドボール

ハンドボールは、40m×20mの屋内コートで、7人ずつの2チームによって行われる。選手はボールをバウンドさせずに3歩まで歩くことができ、最大3秒間ボールを保持することが許される。

接触プレーが許され、非常に身体的負担が大きい。攻撃的な戦略が奨励され、消極的なプレーを続けると警告を受け、チームはボールを放棄することになってしまう。

ハンドボールの試合は60分で、30分ずつの2ハーフで構成されている。

ハンドボールは、ヨーロッパ、特にスカンジナビアとバルカン半島でとても人気がある。北アフリカや中東でも盛んで、近年ではエジプトやカタールが男子の世界大会で結果を残している。

現在、ハンドボールの強豪国はフランス、デンマーク（男子）、ノルウェー（女子）で、男子世界選手権28大会のタイトルはすべてヨーロッパ勢が獲得している。女子世界選手権では、韓国（1995年）とブラジル（2013年）だけが欧州勢の牙城を崩している。

フィールドハンドボールは、ヘルシンキ1952でデモンストレーション競技として行われたものの、正式に採用されたのはミュンヘン1936だけだった。

インドアハンドボールは、ミュンヘン1972で初めて実施され、16チームのトーナメントでユーゴスラビアの男子が優勝した。

女子ハンドボールは、1976年のモントリオール大会でオリンピック種目となり、ソビエト連邦が女子と男子の金メダルを獲得した。

ソウル1988とバルセロナ1992では、韓国が女子で連続金メダル、男子もソウル大会で銀メダルを獲得したものの、これら以前の大会ではヨーロッパ勢がメダルを獲得した。

女子はアトランタ1996からアテネ2004までデンマークが3連覇を果たしたが、東京2020ではフランスが優勝した。

フランスは男子も東京大会で金メダルを獲得。決勝で王者デンマークを下し、直近4大会で3度目の優勝を飾った

デンマークは、2023年の男子世界選手権で前人未到の3連覇を達成した。東京2020オリンピックで大会MVPを受賞したライトバックのマティアス・ギドセルが、世界選手権でも最優秀選手に選ばれた。

ギドセルは、3度のIHF世界最優秀選手賞を受賞したミケル・ハンセンや、2023年の世界選手権で大きなインパクトを与えたシモン・ピトリックなど、多くの優れたチームメイトと一緒にプレーしている。また、デンマークには、IHF世界最優秀選手賞を2度受賞しているGKの英雄、ニクラス・ランディンがいる。

ハンセンとニコラ・カラバティックはハンドボール界の偉大な選手の一人であり、ハンセンはその輝かしいキャリアを終えようとしている。ネディム・レミリやケンティン・マヘがすでにバックラインで存在感を示しているため、彼は40歳になるパリ2024で幕を閉じたいと考えている。

スウェーデンとスペインも男子ハンドボールの強豪国で、ジム・ゴットフリッドソンはスウェーデンをEHF EURO 2022で優勝に導き、アレックス・デュジシェバエフは勝負を決められる選手として認知されている。

女子では、GKのカトリーヌ・ルンデが、44歳で迎えるパリ2024で3つ目の金メダルを獲得することを望んでいる。ルンデは、北京2008とロンドン2012でノルウェーの優勝に貢献し、過去2大会は銅メダルを獲得している。

彼女のチームメイトであるノラ・モルクは、相次ぐ膝の怪我から復帰し、ノルウェーをハンドボールの頂点に押し上げたが、オリンピックでのタイトルにはまだ縁がない。2019年のIHF年間最優秀選手であるスティーネ・オフテダルと、軸となるカリ・ブラットセット・デールは、強豪チームに欠かせない2人のスター選手だ。

フランスはオリンピック王者で、センターバックのグレース・ザディとピボットのパウレッタ・フォッパが注目されている。

デンマークのGKサンドラ・トフトは2021年のIHF年間最優秀選手に選ばれた。ルーマニアのクリスティーナ・ネアグは、北京2008での7位が最高成績だったにもかかわらず、同賞を4度受賞している。