Tokyo 2020(東京五輪)の卓球競技は、男女団体戦、男女シングルス、混合ダブルスと合計5つの種目がトーナメントで行われる。
全種目とも、11点先取で1ゲームを獲得(10-10のデュースになった場合は2点差がつくまで)。シングルスと混合ダブルスは、4ゲーム先取の7ゲームマッチで行われる。試合時間は早ければ20分、接戦となると1時間ほどかかる場合がある。
◆メンバー起用の自由度が低い団体戦
シングルスと混合ダブルスはシンプルだが、団体戦の試合方式は少し複雑だ。
団体戦は3名1チームで戦い、試合方式は第1試合がダブルス、第2~5試合がシングルス。1試合は3ゲーム先取の5ゲームマッチで、3試合を先取したチームが勝利となる。
オーダーはシングルスに2試合出場する選手が1名。シングルス1試合とダブルス1試合に出場する選手が2名と決まっており、出場する順番も固定され、同じ選手が連続で試合をしない、同じ選手と対戦しない、という仕組みになっている。
この団体戦のオーダー方式を「ABC・XYZ方式」と言い、試合前にコイントスなどで、「ABC」か「XYZ」が割り当てられ、オーダーは下記のようになる。
- 第1試合:B/Cペア vs. Y/Zペア
- 第2試合:A vs. X
- 第3試合:C vs. Z
- 第4試合:A vs. Y
- 第5試合:B vs. X
2016年リオデジャネイロ五輪では、ダブルスは第3試合だったが、Tokyo 2020(東京五輪)では、第1試合がダブルスとなり、ダブルスの重要度がより増している。
そして、第2試合はシングルスに2試合出場する「A」と「X」、エース同士の対戦となる。また、ABCであれば、エースの「A」が第2試合と第4試合に出場できるが、XYZだと「X」は第2試合と第5試合の出場となる。第4試合で決着した場合、XYZではエースの出番がなくなるため、ABCの方が有利と言われている。
◆組み合わせはオリンピックランキングとドローで決定
東京五輪の組み合わせは、ITTF(国際卓球連盟)が算出したオリンピックランキングを基準に決定する。ランキング1位が第1シード、2位が第2シードとなり、両者は決勝までは対戦しない。3・4位はドローで第3・4シードのどちらかに決定し、5~8位もドローで第5~8シードに振り分けられる。ドローは大会直前に行われ、現時点で正式な組み合わせは決定していない。
男女団体戦は16チームが参加し、日本男子はランキング3位。第1シードの中国、第2シードのドイツ、どちらのブロックになるかはドロー次第となる。一方、日本女子はランキング2位。第2シードとなり、第1シードの中国とは決勝まで対戦しない。
男女シングルスは、各国最大2名までの64~70名が参加予定。予選ラウンド後、64名による決勝トーナメントが行われる。日本は、張本智和と伊藤美誠がランキング3位のため、第1・2シードの中国選手とは準決勝まで当たらない。丹羽孝希はランキング11位、石川佳純は5位のため、勝ち上がるにはドローも重要となりそうだ。
混合ダブルスは各国1ペアずつで16ペアが参加。日本の水谷隼/伊藤ペアはランキング2位で第2シード。第1シードの中国の許昕(シュ・シン)/劉詩雯(リウ・シーウェン)ペアと決勝まで当たらない。
このように組み合わせは、オリンピックランキングを基準に多くはドローで決定する。日本チームとしては運も味方につけメダル獲得を狙いたい。
◆混合ダブルスからスタート、勢いをつけられるか
東京五輪の卓球競技は、7月24日から8月6日の日程で行われる。競技スケジュールは以下の通り。
- 混合ダブルス:7月24日~26日
- 男女シングルス:7月24日~7月30日
- 男女団体戦:8月1日~8月6日
3種目に出場する伊藤美誠は順調に勝ち進むとほぼ毎日試合を行うことになり、体力面だけでなく、テンションを維持し続ける精神面も重要となる。日本チームとしては、金メダルの可能性が高い混合ダブルスで結果を出し、シングルス、団体戦へと勢いをつけたい。
前回の2016年リオデジャネイロ五輪では、競技前半のシングルスで水谷隼が銅メダルに輝き、日本卓球界初のシングルスでのメダリストに。この快挙により、日本チームに勢いがついた。男子団体戦では、決勝で中国に敗れたものの準決勝でドイツを破るなど、銀メダルを獲得。女子団体でも銅メダルを獲得した。
東京五輪の日本代表は五輪史上最もレベルが高いと見られ、全種目メダル獲得の可能性が十分にある。代表6選手の活躍に期待がかかる。