国際スケート連盟(ISU)が新設したフィギュアスケートの「ISUスケーティングアワード」が、日本時間11日23時から行われ、羽生結弦が最優秀選手を受賞した。羽生の「最優秀選手」を含む「最優秀衣装」「最優秀プログラム」「最優秀振付師」「最優秀コーチ」「特別功労賞」の全7部門の受賞者が発表された。
同アワードは2019-20シーズンから新設され、新型コロナウイルス感染拡大で延期となったISU世界フィギュアスケート選手権(カナダ・モントリオール、3月18日~22日)最終日に実施される予定だった。その後、ISUは同アワード表彰式についてオンライン開催を予告。6月26日には一般ファンや関係者によるインターネット投票などを経て決まった各部門最終候補者が発表され、冬季五輪男子フィギュアスケート2大会連続金メダルの羽生結弦は、最優秀選手賞と最優秀衣装賞の2部門にノミネートされていた。
オンライン授賞式は日本時間7月11日23時から始まり、トップバッターの「最優秀新人」では、昨年12月開催のISUグランプリファイナルを女子シングルショートプログラム(85.45点)及び、女子シングルトータルスコア世界最高得点(247.59点)で優勝を果たしたアリョーナ・コストルナヤが受賞。最優秀コーチ賞では、コストルナヤやアリーナ・ザギトワ(ロシア)らを育てたエテリ・トゥトベリゼ(ロシア)が受賞し、師弟受賞となった。
最優秀振付師は、現役時代はニコライ・モロゾフに師事し、振付師としては日本人では荒川静香や高橋大輔、羽生らを担当したシェイリーン・ボーン(カナダ)が受賞した。
その羽生は、最優秀衣装の候補者としてビデオ通話に登場。「『これが結弦である』ということを衣装で表現しようと思っています」と語った羽生自身は受賞を逃したものの、受賞者となったマディソン・チョック&エバン・べーツ組(アイスダンス、米国)を大きな拍手で称えた。二人の衣装デザインを手がかるマシュー・キャロン氏は宇野昌磨の衣装も担当している。
当日発表だった特別功労賞には、ISU認定大会で史上初の4回転ジャンプを成功させたカート・ブラウニング氏(カナダ)が選ばれ、最優秀プログラム賞は、アイスダンス(リズムダンス)のガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組(フランス)が受賞した。
大トリとなった最優秀選手部門は、羽生、ネイサン・チェン(米国)、最優秀プログラム賞を獲ったパパダキス&シゼロンがノミネートされたなか、羽生が見事受賞。「皆さんのおかげでスケートができていること、自分の求めるスケートができていることに感謝しています。これからも自分の理想のスケートを追い求めて行きます」と日本語で感謝の言葉を述べた。
『ISUスケーティングアワード2020(ISU Skating Awards 2020)』受賞者
最優秀選手賞(Most Valuable Skater)
- 受賞者:羽生結弦(日本)
- 候補者:ネイサン・チェン(米国)、ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組(フランス、アイスダンス)
最優秀衣装賞(Best Costume)
- 受賞者:マディソン・チョック&エバン・べーツ組(米国、アイスダンス - 2019~20年フリーダンス)
- 候補者:羽生結弦(日本、男子シングルFS - グランプリシリーズ)、アンナ・シェルバコワ(ロシア、女子シングルFS)
最優秀プログラム賞(Most Entertaining Program)
- 受賞者:ガブリエラ・パパダキス&ギヨーム・シゼロン組(フランス、アイスダンス - リズムダンス)
- 候補者:エフゲニア・メドベージェワ(ロシア、女子シングルFS)、ケビン・エイモズ(フランス、男子シングルSP)
最優秀新人賞(Best Newcomer)
- 受賞者:アリョーナ・コストルナヤ(ロシア)
- 最終候補者:ユ・ヨン(韓国)、アレクサンドラ・トルソワ(ロシア)
最優秀振付師賞(Best Choreographer)
- 受賞者:シェイリーン・ボーン(カナダ)
- 候補者:ローリー・ニコル(米国)、マリーフランス・デュブレイユ(カナダ)
最優秀コーチ賞(Best Coach)
- 受賞者:エテリ・トゥトベリゼ(ロシア)
- 候補者:ラファエル・アルトゥ二アン(アルメニア)、ブライアン・オーサー(カナダ)
特別功労賞(Lifetime Achievement Award)
- 受賞者:カート・ブラウニング(カナダ)