現地時間26日、女子テニスの元世界ランキング1位、マリア・シャラポワ(ロシア)が現役引退を表明した。
1月21日には全豪オープンで初戦敗退を喫したシャラポワだったが、引退を決断するにあたり、1月26日にヘリコプターの墜落事故で急死したバスケットボール界のレジェンド、コービー・ブライアント氏の訃報がきっかけとなったようだ。
引退表明直後の2月27日、シャラポワは自身のSNSで「コービーと(愛娘の)ジジ、あなたが生前みんなに与えてくれた感謝の気持ちを忘れない。それはこれから永遠に胸に抱き続けるもの。この想いはあなたと、家族の皆さんに捧げます」とメッセージを発信している。
シャラポワはロシア出身ながら生活の拠点をアメリカ・ロサンゼルスに置いており、ロサンゼルス・レイカーズのレジェンドでもあるコービーと以前から交流があった。本人は「実は、1月29日にコービーと会う予定になっていた」と『ニューヨーク・タイムズ』を通じて明かしている。だがコービーが26日に事故死したことで、再会は実現することがなかった。
「オーストラリアからアメリカに戻る途中、コービーの訃報を聞いたの。そこで今後自分はどうすべきか考えたわ。人はいつどうなるか分からない。12カ月後に何をしているのかだって不透明よね?人生にはもっと大切なことがあるんじゃないかって気づいたの」
「これまでやってきたことを踏まえて、コービーの死が、私は新しい道に進むべきだと気づかせてくれた。6つ目のグランドスラムを手にするために頑張ってきたけど、ケガは全然良くならないし、いつの間にか理想の方向とは異なる場所に自分が立っていたと思ったのよ」
コービー・ブライアントの事故死は衝撃的な話題として世界中の主要メディアで伝えられた。スーパースターの他界は、旧知の仲であるシャラポワの引退を、後押しする形になったようだ。