池江璃花子「“美しく速く”にチャレンジ」大橋悠依「後半に戦える力はある」|世界水泳選手権2023福岡

23日より始まる世界水泳選手権2023福岡大会の競泳競技。会場入りした池江璃花子や大橋悠依が、現在のコンディションや大会への意気込みを語ってくれた。

1 執筆者 オリンピックチャンネル編集部
Rikako Ikee
(2023 Getty Images)

7月14日に幕を開けた世界水泳選手権2023福岡大会は、23日より競泳がスタートする。“トビウオジャパン”のメンバーも続々と会場入り。池江璃花子や大橋悠依が取材に応じ、大一番を前にした今の心境や意気込みを語った。

■池江璃花子「美しく速く」

アーティスティックスイミングで連日のメダルラッシュに沸く日本。池江璃花子も、国を代表して戦う選手たちからエネルギーをもらっている1人のようだ。「テレビで観ていたのですが、『自分たちも続いていかないと』と引き締まった気持ちになりました」。「自信はない」としながらも、「持っている力を出せれば順位も出る」と力強く語った。

その背景にあるのは練習量だと言う。世界選手権の代表入りを逃した2022年の選考会では、ピークが大会前に来るという状況に陥った。そういった経験も踏まえて、この世界選手権に向けて泳ぎこみを続けてきた。ときにはオープンウォータースイミングで日本代表の江沢陸とも練習し、「最高で7000メートルちょっと泳ぎました」。自信はなくとも、「やるべきこと、練習は全力でやってきました」という自負がある。

現在の状態は「感覚とタイムが合っていない」と明かした。しかし、それも練習で積もった疲労が抜けていないため。泳ぎそれ自体は「満足いくもの」とし、自由形は「定まってきた」、バラフライは「自分でも美しいな思うくらい」と好感触を得ているという。疲労が抜ければタイムと感覚がマッチしてくるという予感もある。「美しい泳ぎで、速く泳ぐということに今回はチャレンジしたい」と本番を見据えた。

海外からの観衆も集まるビッグイベントだけに、「いろいろな人にレースを見てもらえるのは久しぶりなので、すごく楽しみな気持ち」と高揚感を漂わせる。最大7レースと過酷なスケジュールが待っているが、まずフォーカスするのは初日。「初日の100mバラフライで自分の中のレースの流れが変わると思っていて。結果どうこうではなく、自分が満足できたかにこだわっていけたらと思います」と力を込めた。

■大橋悠依「後半に戦える力はある」

Tokyo2020で個人メドレー2冠。成田実生や谷川亜華葉など、若き才能が追随してくる中、オリンピック金メダリストの大橋悠依は今大会、200m個人メドレーの1本で頂点を目指す。

一度、音楽ライブで来たことがあるという会場。まだサブプールでの練習にとどまっているが、「あのときと雰囲気が違って、不思議な感じがしました」とマリンメッセ福岡の感想を語った。ここ数年と違い感染症対策の規制も緩和され、「選手側からするとやりやすい」。「家族だったり友達が来てくれますし、狭い形の会場だと思うので、観客の方たちを感じながら。緊張すると思いますが、応援の力を借りて泳げれば」とイメージを膨らませた。

27歳ながら、若い選手がそろう今回の日本代表メンバーの中では年上のグループになる。チームとして、という意識も強いようだ。「私は初日、2日目でレースが終わるので、それからはチームスタッフの一員くらいの気持ちでチームのために動きたいと思っています」。続けて口にした「みんながいいレースで終われればいいですけど、どうしてもそういうわけにはいかない」という言葉は酸いも甘いも経験した大橋ならでは。「良くない結果で終わってしまった選手たちに、どうやって声を掛けていくか。レース前でも緊張していて危ない子がいたら、積極的に声を掛けていければ」と語り、チームを支えるのも自らの役目だとした。

自身のレースについては後半勝負を目論む。「一気にレベルが上がってきて、前半が速い選手が増えたと思います」と分析し、前半は「落ち着きながらも、遅れないようにいきたい」。「後半に戦える力はあると思う」とし、前半で大きく離されることがなければチャンスはあるとした。課題としていた平泳ぎも復調傾向のようで、「あまり慌てすぎず、落ち着きすぎてもだめですけど、ほどよい感じで。4種目を総合して頑張りたい」と意気込んだ。

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