東京オリンピック陸上競技: 知っておくべき5つのこと

注目選手、会場情報、大会日程など、2021年に開催される東京オリンピックでの陸上競技に関する情報をチェック

4 執筆者 Evelyn Watta
GettyImages-1179216917
(2019 Getty Images)

陸上競技は、オリンピックで最も注目されているスポーツの一つ

5大会ぶりに**ウサイン・ボルト**が出場しないオリンピックとなるものの、短距離走が最大の注目を集めることは間違いない。

陸上競技は東京オリンピックスタジアムで16セッション行われ、マラソンと競歩は北海道の札幌で開催される。

オリンピック競技場を彩ることが期待される注目選手、競技スケジュール、そしてオリンピックの歴史まで、オリンピックでの陸上競技について知っておくべきことを紹介しよう。

東京2020 注目選手

アテネ2004以来、オリンピックの100mと200mのスタートリストに、**ウサイン・ボルト**の名前はない。

史上最高のスプリンターの一人として知られるジャマイカ出身のボルトは、北京2008ロンドン2012リオ2016と、3大会連続で金メダルを獲得し、無敵の記録を打ち立てた。

トラック界のレジェンドが不在でも、世界最速を目指し、彼を追随する選手は多い。

世界チャンピオンの**クリスティアン・コールマン資格停止のため、200mの世界チャンピオンであるアメリカのノア・ライルズ**が男子短距離走の優勝候補の一人だ。

ライルと同じアメリカ出身の**ジャスティン・ガトリン**は、5回目、そして最後のオリンピック出場になる見込みだ。

ボルトと同様に、ガトリンも5度のオリンピックメダリストで、2001年に短距離走でのキャリアをスタートさせ、アテネ2004から競い合ってきた。

また、リオ2016の400mで金メダルを獲得した南アフリカの**ウェイド・バン・ニーケルク**が、負傷による長期離脱から復帰することも話題になっている。

400mハードルでは、史上2位の46秒87を記録した**カールステン・ウォーホーム**がオリンピックタイトルを狙う。

女子スプリントでは、オリンピック優勝2回を誇るジャマイカの**シェリー=アン・フレーザー=プライスエレイン・トンプソン=ヘラー、そしてバハマのトラック界のスーパースターことショーナ・ミラー=ウイボ**ら一流選手が出場する。

ミラー=ウイボは、400mのオリンピックタイトル防衛に加えて、200mでの優勝を目指す。

中距離と長距離では、東アフリカ出身選手が圧倒的な力を見せつける可能性が高い。

2種目の世界記録保持者である**ジョシュア・チェプテゲイ**は、最も距離の長いトラック2種目にスパイスを加えてくれる存在だ。

**モー・ファラー**がエチオピアとケニアのランナーが独占していた5,000mと10,000mのオリンピックタイトルを獲得した今、チェプテゲイは母国にオリンピックタイトルを取り戻すことを目指す。

ロンドン2012リオ2016で2冠を達成したイギリスのファラーは、10,000mの王座防衛を狙う。

エチオピア出身のオランダ人ランナー、シファン・ハッサンリオの1500m金メダリスト、**フェイス・キピエゴン**は、ここ数シーズン安定した成績を残しており、オリンピックタイトルに挑戦する準備を整えている。

史上最速のマラソン選手でもあるオリンピック王者**エリウド・キプチョゲは、アベベ・ビキラ(1960、1964年)とワルデマル・チェルピンスキー**(1976、1980年)が成し遂げた偉業に並ぶことを目標にしている。

オリンピックのマラソン競技で2度優勝したのは、ビキラとチェルピンスキーしかいない。

キプチョゲの同胞であり、2020ロンドンマラソンで優勝した女子の記録保持者のブリジッド・コスゲイは、初のオリンピックで女子マラソン優勝候補として注目されている。

フィールド競技では、2020年の年間最優秀ワールドアスリートに選出された**アルマンド・“モンド”・デュプランティスユリマル・ロハス**が目を見張る活躍を見せており、オリンピック初の金メダルを狙う。

東京2020大会日程

大会は2021年7月30日~8月8日に開催される。時間はすべて日本標準時(UTC + 9時間)。

日時:7月30日(金)9:00 - 12:30

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子3000m障害競技 1回戦
  • 男子走高跳 予選ラウンド
  • 男子円盤投 予選
  • 女子800m1回戦
  • 男子400mハードル 1回戦
  • 女子100m 1回戦

日時:7月30日(金)19:00〜21:00

会場 オリンピックスタジアム

  • 女子5000m1回戦
  • 女子三段跳 予選
  • 女子砲丸投 予選
  • 混合4×400mリレー1回戦
  • 男子10,000m決勝

日時:7月31日(土)9:00 - 12:00

会場 オリンピックスタジアム

  • 女子400mハードル1回戦
  • 女子円盤投 予選
  • 男子棒高跳 予選
  • 男子800m予選
  • 女子100mハードル 予選
  • 男子100m予選

日時:7月31日(土)19:00 - 21:55

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子10,000m 表彰式
  • 男子走り幅跳 予選
  • 女子100m準決勝
  • 男子100m予選
  • 男子円盤投 決勝
  • 女子800m準決勝
  • 混合4×400mリレー決勝
  • 女子100m決勝

日時:8月1日(日)9:10〜12:00

会場 オリンピックスタジアム

  • 女子ハンマー投 予選
  • 女子3000m障害 予選
  • 女子走り幅跳 予選
  • 男子円盤投 表彰式
  • 女子砲丸投 決勝
  • 男子400m 予選
  • 混合4×400mリレー表彰式

日時:8月1日(日)19:00 - 21:55

会場 オリンピックスタジアム

  • 女子100m 表彰式
  • 男子走り高跳 決勝
  • 男子100m準決勝
  • 女子100mハードル準決勝
  • 女子砲丸投 表彰式
  • 女子三段跳 決勝
  • 男子800m準決勝
  • 男子400mハードル準決勝
  • 男子走り高跳 表彰式
  • 男子100m 決勝

開催日時:8月2日(月)9:00〜11:55

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子ハンマー投 予選
  • 女子1500m 予選
  • 女子三段跳 表彰式
  • 男子走り幅跳 決勝
  • 女子200m 予選
  • 女子100mハードル 決勝

開催日時:8月2日(月)19:00 - 22:00

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子100m 表彰式
  • 男子走り幅跳 表彰式
  • 女子棒高跳 予選
  • 女子200m準決勝
  • 女子100mハードル 表彰式
  • 女子円盤投 決勝
  • 男子400m準決勝
  • 女子400mハードル準決勝
  • 男子3000m障害決勝
  • 女子5000m 決勝

日時:8月3日(火)9:00〜12:35

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子三段跳 予選
  • 男子1500m 1回戦
  • 女子やり投 予選
  • 女子400m 1回戦
  • 女子円盤投 表彰式
  • 男子3000m障害 表彰式
  • 女子走り幅跳 決勝
  • 男子200m予選
  • 男子400mハードル決勝
  • 女子5000m 表彰式

開催日時:8月3日(火)19:00〜21:55

会場 オリンピックスタジアム

  • 女子走り幅跳 表彰式
  • 男子110mハードル 1回戦
  • 男子砲丸投 予選
  • 男子棒高跳 決勝
  • 男子400mハードル 表彰式
  • 男子5000m 1回戦
  • 女子ハンマー投 決勝
  • 男子200m準決勝
  • 女子800m 決勝
  • 女子200m 決勝

開催日時:8月4日(水)9:00〜12:25

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子十種競技100m
  • 男子やり投予選
  • 女子七種競技100mハードル
  • 男子十種競技 走幅跳
  • 男子棒高跳 表彰式
  • 女子七種競技走高跳
  • 女子ハンマー投 表彰式
  • 女子800m 表彰式
  • 男子110mハードル準決勝
  • 女子400mハードル決勝
  • 男子十種競技 砲丸投
  • 女子400mハードル 表彰式

開催日時:8月4日(水)18:30〜22:00

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子十種競技 走高跳
  • 女子1500m準決勝
  • 女子七種競技 砲丸投
  • 女子400m準決勝
  • 女子200m 表彰式
  • 女子3000m障害決勝
  • 男子ハンマー投 決勝
  • 女子七種競技 200m
  • 女子3000m障害 表彰式
  • 男子800m決勝
  • 男子十種競技400m
  • 男子200m決勝

開催日時:8月5日(木)9:00〜15:05

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子十種競技110mハードル
  • 女子走高跳 予選
  • 男子ハンマー投 表彰式
  • 女子七種競技 走幅跳
  • 男子十種競技 円盤投
  • 女子4×100mリレー 1回戦
  • 男子800m 表彰式
  • 男子200m 表彰式
  • 男子三段跳 決勝
  • 男子砲丸投 決勝
  • 男子4×100mリレー 1回戦
  • 男子110mハードル 決勝
  • 男子十種競技 棒高跳
  • 女子七種競技 やり投げ
  • 開催日時:8月5日(木)16:30〜18:05
  • 会場 札幌大通公園
  • 男子20km競歩 決勝
  • 男子20km競歩 表彰式

日時:8月5日(木)19:00~21:45

会場: オリンピックスタジアム

  • 男子砲丸投 表彰式
  • 男子三段跳 表彰式
  • 男子十種競技 やり投げ
  • 女子棒高跳決勝
  • 女子4×400mリレー1回戦
  • 男子1500m準決勝
  • 男子110mハードル 表彰式
  • 男子400m決勝
  • 女子七種競技 800m
  • 男子十種競技 1500m
  • 日時:8月6日(金)5:30〜10:00
  • 会場 札幌大通公園
  • 男子50km 競歩決勝
  • 男子50km競歩 表彰式

日時:8月6日(金)16:30〜18:15

会場: 札幌大通公園

  • 男子50km 競歩決勝
  • 男子50km競歩 表彰式
  • 日付と時間 8月6日(金)16:30〜18:15
  • 会場 札幌大通公園
  • 女子20km競歩 決勝
  • 女子20km競歩 表彰式
  • 日付と時間 8月6日(金) 19:50 - 22:55
  • 会場 オリンピックスタジアム
  • 男子20km競歩 表彰式
  • 女子棒高跳 表彰式
  • 女子七種競技 表彰式
  • 男子十種競技 表彰式
  • 男子4×400mリレー1回戦
  • 女子やり投 決勝
  • 男子5000m決勝
  • 男子400m 表彰式
  • 女子400m 決勝
  • 女子1500m 決勝
  • 男子5000m 表彰式
  • 女子400m 表彰式
  • 女子4×100mリレー決勝
  • 女子1500m 表彰式
  • 男子4×100mリレー決勝

日時:8月7日(土)7:00〜10:15

会場 札幌大通公園

  • 女子マラソン決勝

開催日時:8月7日(土)19:00~22:20

会場 オリンピックスタジアム

  • 男子50km競歩 表彰式
  • 女子20km競歩 表彰式
  • 女子4×100mリレー表彰式
  • 男子4×100mリレー表彰式
  • 女子走り高跳 決勝
  • 女子10,000m 決勝
  • 男子やり投 決勝
  • 女子やり投 表彰式
  • 男子1500m 決勝
  • 女子10,000m 表彰式
  • 男子1500m 表彰式
  • 女子4×400mリレー決勝
  • 男子やり投 表彰式
  • 男子4×400mリレー決勝
  • 女子走り高跳 表彰式
  • 女子4×400mリレー表彰式
  • 男子4×400mリレー表彰式

日時:8月8日(日)7:00〜9:45

会場 札幌大通公園

  • 男子マラソン決勝

東京2020 陸上競技会場

オリンピックスタジアム

東京1964の国立競技場に代わり、2019年12月に新たなオリンピックスタジアムがオープン。

東京2020大会の開会式、閉会式をはじめ、陸上競技やサッカーの試合を開催するために再整備された会場だ。

スタジアムの収容人数は68,000人。

(2019 Getty Images)

札幌大通公園

札幌大通公園では、マラソンと競歩が行われる。

札幌大通公園は、札幌市の中心部に位置し、全長約1.5km、面積約7.8ヘクタール。

東京2020 陸上競技フォーマット

10日間に渡った実施される陸上競技の種目と構成は、7月31日に予定されている初の混合4×400mリレーが導入された以外、変更はない。

7月30日に行われる男子障害の予選陸上競技がスタートし、大会最終日の8月8日に行われる男子マラソン競技が終了する。

女子マラソンと男子マラソンの表彰式は、初めて閉会式で行われる。

オリンピック競技としての歴史

オリンピックの陸上競技は、ギリシャで開催された古代オリンピックで始まった。

1896年に第1回近代オリンピックが開催されて以来、すべてのオリンピックで実施されており、競技種目数、選手数ともに最大の競技である。

競技種目は、陸上競技、マラソン、競歩で構成されている。クロスカントリー走は、1924年の大会以降、オリンピック種目から除外された。

以前は綱引きもオリンピック種目だった。

アメリカは最も成功した国であり、アメリカ出身選手はオリンピック史上に残る印象的なパフォーマンスを生み出している。

**カール・ルイスからジェシー・オーエンス**まで、アメリカのアスリートたちはその実力を示してきた。

ルイスは、100m、200m、走り幅跳、リレーで世界を席巻し、オリンピック4大会で9個の金メダルと1個の銀メダルを獲得した。

“今世紀を代表するスポーツマン”は、4大会連続で同じ個人種目で金メダルを獲得した3選手アルフレッド・オーターマイケル・フェルプスのうちの一人

ベルリン1936でオーエンスは4つの金メダルを獲得。

オーエンスは、100m、走り幅跳、200m、4×100mリレーで4つの金メダルを獲得した。

**ジャッキー・ジョイナー=カーシー**は、オリンピック陸上競技の歴史の中で上位にランクされているアメリカ出身選手だ。

彼女は4大会の七種競技と走り幅跳で、金メダル3つ、銀メダル1つ、銅メダル2つを獲得した。

また、1948年のオリンピックでは、オランダのランナー、**ファニー・ブランカース=クン**が、100m、200m、80mハードル、4×100mリレーで4つの金メダルを獲得した。

“宙を舞う主婦”ことブランカース=クンは、妊娠中に4つの金メダルを獲得した最後の選手として知られている。

また、チェコのやり投げ選手、**ヤン・ジェレズニー**も、後世に残る功績を残している。

バルセロナ1992アトランタ1996シドニー2000で3つの金メダルを獲得した現代オリンピックで最も偉大なやり投げ選手だ。

もっと見る