男子テニスの団体戦「レーバー・カップ」が、イギリス・ロンドンのO2アリーナにおいて、現地時間9月25日に大会最終日を迎えた。世界のトップテニスプレーヤーたちが、"チームヨーロッパ" と "チームワールド" の2チームに分かれ、3日間にわたって対戦した結果、チームワールドが最終日に3連勝を成し遂げ、最終スコアを13−8として逆転勝利を収めた。また、最後のセレモニーでは、今大会限りで現役引退を発表している、北京2008テニス男子シングルス金メダリストで、グランドスラムをこれまで20回も制覇しているロジャー・フェデラー(スイス)が、選手として最後の花道に登場した。
2日目は欧州リード
大会1日目(現地時間9月23日)までのスコアは、2−2の同点。
つづく大会2日目(現地時間24日)には、シングルス3試合とダブルス1試合の、合計4試合が行われ、フェデラーを擁するチームヨーロッパが3勝をあげた。この日は、試合に勝利したチームへ勝ち点2ポイントが付与されることから、前日までの成績にくわえて、8−4とチームヨーロッパが大きくリードして終えていた。
大会2日目の各試合結果は、以下の通り。
※ ”チームヨーロッパ”、"チームワールド" の順で記載
- マッテオ・ベレッティーニ(イタリア) 2−1 フェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)
- キャメロン・ノリー(イギリス) 1−2 テイラー・フリッツ(アメリカ合衆国)
- ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 2−0 フランシス・ティアフォ(アメリカ合衆国)
- マッテオ・ベレッティーニ/ノバク・ジョコビッチ 2−0 アレックス・デミノー(オーストラリア)/ジャック・ソック(アメリカ合衆国)
また、この日の試合終了後のコートインタビューでは、フェデラーと共に長年テニス界を牽引してきているノバク・ジョコビッチが、今大会を最後にテニスコートを去る、ライバルであり友人でもあるフェデラーへ、友愛に溢れたメッセージを、ユーモアも織り交ぜながら届け、会場を沸かせた。
「この出来事を、チームヨーロッパとチームワールドのプレーヤーと一緒に見届けることができて、感謝と特別な思いでいっぱいです」
「これまでの僕の人生で、間違いなく、最も美しい瞬間です」
「ロジャー、すまない(笑)君をまた泣かせる訳ではないのだけれど」
「ここロンドンで、彼のご両親やご家族、とくに彼のお子さんが涙しているのを見て、僕自身すごくエモーショナルになっています」
「長くキャリアを続けることについて、強くお伝えしたいことがあります」
「テニスは個人スポーツです。勝ち負けも、批判も、信頼も、すべて選手個人に委ねられていると思われがちです」
「それも間違いではないですが、一方で身近な人たちのサポートがなければ、ロジャーのように驚異的な記録を長い間、残し続けることはできません」
「しゃべり過ぎていますね(笑)でも、そのくらい彼への愛でいっぱいです。ありがとう」
- ノバク・ジョコビッチ
3連勝で逆転勝利
大会最終日(現地時間25日)には、前日同様にシングルス3試合とダブルス1試合の合計4試合が予定されていたものの、チームワールドが猛追し、第1試合から3連勝をあげた。最終日の勝ち点が3ポイントだったことから、チームワールドが一気に9ポイントを加算して、8−13とチームヨーロッパを勝ち越し、最終の第4試合を待たずして、チームワールドの逆転勝利が決まった。なお、レーバーカップにおいてチームワールドの勝利は、今回が初となる。なお、この日の第4試合は不実施となっている。
大会3日目の各試合結果は、以下の通り。
※ ”チームヨーロッパ”、"チームワールド" の順で記載
- マッテオ・ベレッティーニ/アンディー・マレー 1−2 フェリックス・オジェ=アリアシム/ジャック・ソック
- ノバク・ジョコビッチ 0−2 フェリックス・オジェ=アリアシム
- ステファノス・チチパス(ギリシャ)1−2 フランシス・ティアフォ
出場選手
チームヨーロッパ
- ノバク・ジョコビッチ(セルビア)
- ラファエル・ナダル(スペイン)
- ステファノス・チチパス(ギリシャ)
- キャスパー・ルード(ノルウェー)
- ロジャー・フェデラー(スイス)
- アンディー・マレー(イギリス)
- マッテオ・ベレッティーニ(イタリア)※補欠
チームワールド
- フェリックス・オジェ=アリアシム(カナダ)
- テイラー・フリッツ(アメリカ合衆国)
- ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)
- アレックス・デミノー(オーストラリア)
- フランシス・ティアフォ(アメリカ合衆国)
- ジャック・ソック(アメリカ合衆国)
- トミー・ポール(アメリカ合衆国)※補欠