ロジャー・フェデラーを伝説にした5つの試合

スイスの偉大なテニスプレーヤーが現役最後の試合を迎える。Olympics.comではロジャー・フェデラーの輝かしいキャリアの中で最も重要な5つの瞬間を振り返る。

文: Sean McAlister I 公開日:9月22日
写真: 2017 Getty Images

テニス界のレジェンド、 ロジャー・フェデラーが9月15日木曜日、競技からの引退を発表した。9月23日金曜にロンドンで始まるレーバー・カップが現役最後の試合となる。

現在41歳のフェデラーはテニスの四大大会(グランドスラム)での優勝数を20とし、オリンピックでは金メダルを獲得、世界ランキングでは310週間にわたってその頂点に君臨した。

勝利数は1000を超えるが、その中にはテニス史に残るような名勝負も少なくない。スイスが生んだ偉大なテニス選手、ロジャー・フェデラーのキャリアにおいて重要な5試合を振り返ってみよう。

初のグランドスラム勝利、2003年ウィンブルドン

のちに「芝の王者」と呼ばれるフェデラーにとって、芝コートで行われるウィンブルドンでの勝利が最初のグラドスラム・タイトルとなったことは驚くべきことではないだろう。2001年の全仏オープンとウィンブルドンで準々決勝に進出していたフェデラーへの期待値は年を追うごとに高まっており、2003年のウィンブルドン決勝で彼は初勝利を祝った。

この大会の準決勝で彼は優勝候補のアンディ・ロディックを破り、決勝ではノーシードのマーク・フィリプーシスと決勝で対戦した。フィリプーシスの最大の武器は強力なサーブだったが、当時21歳だったフェデラーは年齢以上の成熟さを見せ、2度のタイブレークの末にストレート(7-6、6-2、7-6)で勝利を収めた。

フェデラーは試合後、「子どもの頃、いつも冗談で『僕は勝つよ』と言っていたんだ」と子ども時代の夢が実現したことを語ったが、これは彼の輝かしいキャリアの始まりにすぎず、この大会以降もグランドスラムでの勝利を重ね、その数は20に達した。

北京2008オリンピック、男子ダブルスでの金メダル

ウィンブルドンでの初優勝から5年。2008年に行われた北京オリンピックでフェデラーがコートに立ったとき、彼は偉大なアスリートへと進化していた。四大大会での優勝回数は全豪オープン3回、ウィンブルドン5回、全米オープン4回。しかしオリンピックのわずか数カ月前に単核症と診断され、体力回復に苦労していることを明かした。

この年はテニス史上最高の試合と呼ばれたウィンブルドン決勝がテニス界を沸かせた年で、フェデラーはスペインのラファエル・ナダルに6-4、6-4、6-7(5-7)、6-7(8-10)、9-7で敗北。戦いは4時間48分に及んだ。

北京2008オリンピックの男子シングルスで、フェデラーは準々決勝でアメリカ合衆国のジェームズ・ブレイクと対戦。しかし結果は彼の思い描いた通りにはならず、金メダル獲得の夢は散った。しかし、友人のスタン・ワウリンカとともに戦った男子ダブルスの舞台では、スウェーデンのシーモン・アスペリン&トーマス・ヨハンソン組を決勝で6-3、6-4、6-7、6-3で下し、表彰台の頂点に立ったのだった。

試合後、フェデラーは「夢が叶った瞬間だ。一生に1度かもしれない」と声を弾ませた。

フェデラーがオリンピック金メダルを獲得したのはこのとき限り。金メダルに最も近づいたのは4年後のロンドン2012の男子シングルスで、彼は銀メダルに輝いた。

2009年全仏オープンでキャリアグランドスラムを達成したロジャー・フェデラー=2009年6月7日
写真: 2009 Getty Images

キャリアグランドスラム達成、2009年全仏オープン

フェデラーは19年間のうちにウィンブルドン8回、全豪オープン6回、全米オープン5回の優勝歴を誇るが、全仏オープンでの優勝はわずか1回。その理由の大部分は、ナダルがクレーコートで圧倒的な強さを誇っていることにある。ナダルは2005年から2022年までの間にローランギャロスで14勝を挙げている。

しかし、フェデラーは2009年の全仏オープン決勝でスウェーデンのロビン・セーデリングを6-1、7-6、6-4で破り、史上6人目のテニスプレーヤーとしてキャリアグランドスラムを達成したのだった。

4回戦でナダルを破ったセーデリングだったが、決勝ではフェデラーに敵わず、彼は試合後「(フェデラーから)プレーの仕方を学んだ」と語った。

フェデラーはこの試合を「最高の勝利」とし、「全仏オープンで勝てないことを思い悩まずに、残りのキャリアを過ごすことができる」と安堵の表情を浮かべた。

芝コートで8度目の優勝、2017年ウィンブルドン

2003年から2012年の間にウィンブルドンを7度制したが、それ以降の5年で彼が四大大会で優勝することはなく、芝コートとグランドスラムでのフェデラーの支配力は衰えてきたようにファンの目には映った。しかし2017年、フェデラーがお気に入りの地・ロンドンに戻り復活すると、すべては一変した。

ウィンブルドンでの初優勝から14年。35歳となっていたフェデラーは、怪我に苦しむマリン・チリッチの挑戦をセンターコートの熱狂的な観衆の前で吹き飛ばし、6-3、6-1、6-4で勝利したのである。

彼の伝説的なキャリアにおいて、これほどまでに圧倒的な勝利を収めたことはなかっただろう。

フェデラーは決勝の後、「魔法のようだ。まだ信じられない。信じ続け、夢を持ち続けてきて、今日、8個目のタイトルを手にすることができた」と語った。

20回目のグランドスラム優勝、2018年全豪オープン

前年にウィンブルドンと全豪オープンで優勝を果たした彼は、オーストラリアでの連覇と、復活以降3つ目のグランドスラム優勝を目指して決勝のコートに立っていた。

優勝すればフェデラーは史上初めてグランドスラム20勝をあげることになる。彼の前に再び立ちはだかったのは、前年のウィンブルドンで戦ったチリッチだった。

しかしこの試合は、フェデラーにとって厳しい戦いとなった。

第1セットを6-2で先取したものの、第2セットはチリッチが奪い返し、第3セットはフェデラー、第4セットはチリッチと拮抗した戦いが続き、決着は最終セットに持ち込まれた。

しかし、最終セットでフェデラーが3-0とリードすると、チリッチはその流れを崩すことはできず、最終的に6-2、6-7、6-3、3-6、6-1で試合を終え、フェデラーは前人未到のグランドスラム20勝を達成した。

この勝利が彼にとって最後のグランドスラム優勝になるとは誰も予想していなかっただろう。しかし、彼が掴んだグランドスラム最後の勝利は、最高のテニスプレーヤーとして長く語り継がれるであろうフェデラーの諦めない姿勢と冷静さを思い起こさせるものとなったのである。

オリンピックに向けて。 これらすべてをゲット。

スポーツイベントを無料でライブ観戦。さまざまなシリーズに無制限アクセス。 他には真似のできないオリンピックニュース&ハイライト