橋本大輝「18演技みんなで心で演技をつないだ」体操男子団体金メダル/パリ2024
「表彰台のてっぺんに登って、みんなで笑い合えたあの景色っていうのは今後も忘れることはないですし、みんなでそして体操ニッポン一丸となって目標としていた団体総合金メダルを獲得できて、本当に良かったと思っています」
7月29日のパリ2024体操男子団体戦で、激しい金メダル争いを展開した中華人民共和国との決勝最終種目・鉄棒。最終演技者で大逆転を決めた橋本大輝は、TEAM JAPANのメダリスト会見で、そう振り返った。
リオ2016以来、2大会ぶりに団体金メダル奪還を果たした体操ニッポン男子。個人総合では、初出場で20歳の岡慎之助が金メダルを獲得し、ロンドン2012とリオ2016の内村航平、東京2020の橋本大輝に続き、日本勢の4大会連続金メダル獲得の歴史をつないだ。
個人総合の演技から一夜明け、TEAM JAPANのメダリスト会見に岡、橋本、萱和磨、谷川航(わたる)、杉野正尭(たかあき)が出席し、想いを語った。
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岡慎之助「感謝の気持ちを込めて演技しました」
目標にしていた金メダルっていうところを獲得できてすごい嬉しいですし、団体に関しては本当にみんなでつないで最後まで諦めず演技できたのがすごい良かったと思います。個人総合も、この舞台に立てなかった選手の分まで演技して、何より楽しむことと、これまで関わってくれた人に、感謝を伝える、演技で返すっていう想いで演技できたので本当に良かったと思います。
Q: 2冠達成の実感は?
A: 本当に多くのコメントが来てて、今すごい実感が沸いてますね。初めてのオリンピックでチーム全員で(金メダルを)取れたことも本当に嬉しいですし、この嬉しさをしっかり噛み締めて、次に向けて頑張りたいと思ってます。
Q: このチームで挑めてよかったと思うところ、好きなところは?
A: お兄ちゃんたちがいっぱいいるんで、すごい僕は良くしてもらってるかなって思ってます。本当にみんな一人ひとり熱いですし、チーム一丸となって金メダルっていう目標に向かって突き進めたのかなって思ってます。大好きです(照笑)。
Q: 個人総合2冠達成。そんなお兄ちゃんたちにどう支えてもらい、どんな声をかけてもらったか?
A: まずは、団体の時も和磨さんから「絶対あきらめんな」って言葉と、個人決勝では大輝君から「胸張って自信もっていけよ」って、すごい震えるような言葉をもらって、またひとつ自信になりましたし、本当に楽しく試合ができたなって思ってます。
Q: ほかの選手を試合中意識していたか?
A: 試合中はそこまで意識はしてないですけど、試合始まる前とか前日とかはやっぱり「勝ちたい」っていう気持ちはすごいありました。演技前になったら本当に自分のことに集中して、ポイントを絞ってやれてたので、それが良かったのかなって思ってます。
杉野正尭「思い続ける力、諦めない力、そして信じる力。このチームにはそれが全て揃っていた」
本当にこの5人全員で最後まで金メダルっていうものに向かって進んだ結果がこれ(金メダル)を獲得できたと思ってますし、本当に皆さんの応援のおかげでこの最高の舞台、そして一番上の高いところに立てたと思っています。みなさんの想いを込めながら演技をした。そういった経験が私自身幸せでしたし、本当に体操競技ってやっぱり素晴らしいなっていうのを改めて感じた舞台となりました。本当に最高の一日でした。
Q: 実感がわいた瞬間、周りからどんな反響があった?
まだ100%っていうんですかね、そういった思いはまだなくて、夢の中にいるような感覚も少しあるんですけれども、金メダルを毎日見るうちに「ああ、金メダル取ったんだな。金メダリストになったんだな」っていう実感は沸いくるようになってきました。本当にたくさんの方々から「おめでとう、感動した」って言葉をいただきましたし、そういった言葉を僕自身が聞けたことがすごく嬉しかった。体操を通じて、そういった思いを届けられたのは競技者としても良かったなという風に思ってます。
Q: このチームで挑めてよかったと思うところ、好きなところは?
それぞれ本当に仲が良いっていうとこが、すごく僕は大好きだなって思いますし、その中でも、ちゃんと本音でぶつけ合えるとか、言わないといけないこととか、伝えなければいけないことっていうのは各選手それぞれ先輩後輩関係なく伝えていけるっていう、その空気間も作れてるのがこのチームのすごく良いところでもあります。本当にオンとオフがしっかりしてる。(好きなところを)出したら収まんないくらい、全部みなさん大好きです!
谷川航「夢が叶った。体操やっててよかった。あきらめなくてよかった」
本当に東京オリンピック銀メダルが悔しくて。今回やっと金メダル取れて、本当にやっと取れたなという想いと、続けて、諦めないで良かったなという風に思ってます。体操をこれでもっと応援してくれる人が増えたらいいなと思いますし、体操をはじめてくれる子供たちが増えたらいいなと思ってて…。体操の日本の試合でも、まだお客さんが満員じゃない時とかも全然あるんで、ぜひテレビの前じゃなくて、会場に来てもらって生で見てもらえたら嬉しいなと思う。体操をもっと応援してもらえるように、今後もまた頑張っていきたいと思います。
Q: 金メダル獲得の実感は沸いていますか?
A: 僕も最初はもう信じられないというか「まじか!」って思ってたんですけど、次の日起きて、(ベットの横の金メダルを)見て、「まじでとったんだな」みたいな感じで。そこで実感したかなと思います。反響は、やっぱSNSでのコメントとかで、チームで最後まであきらめないで戦ってる姿に感動してくれたっていうコメントがたくさんあって、少しでもそういう気持ち、諦めない気持ちっていうのをみんなに伝えれたっていうのがすごい嬉しいなって思います。今後もそう思ってもらえるように頑張りたいなと思います。
Q: このチームでパリ2024に挑めてよかったと思うことは?
A: みんな(の答え)と一緒で、熱いチームだと思うんで、その気持ちがやっぱ最後まで諦めないっていうところに繋がったのかなと思いますし、本当パッションがすごいんで、その気合で金とったのかなと思います。
萱和磨「たくさんの方々に祝福されて感謝の気持ちでいっぱいです」
小さい頃からずっと目標にしていたオリンピックで金メダルというのを、夢を叶えて、少しずつ実感がわいてきたかなと思います。やっぱりこうやってとれたのも、まずチームの4人、そしてスタッフ陣、応援してくれる方々全てが噛み合ったからこそ取れた金メダルだと思ってます。帰ったら感謝の言葉を伝えたいなと思います。
Q: 金メダルを獲得した実感は?
A: 試合中はすごく冷静というか、本当にいつも通りの自分が出ていて、演技も特に変わりなく冷静でいられたのに、電光掲示板を見て、日本が金メダル確定した時はもう本当に感情がぐちゃぐちゃになったというか、こんな自分がいるんだっていうのを改めて知れたというか。(優勝した)その日はもちろん嬉しかったですし、本当に全然寝付けなくて、6時くらいまで寝れなくて。ただ、寝てしまったらこれが夢だと…次に起きた時が現実で、実は団体決勝の当日が夢だと思ってしまうくらい、どっか変な感じがあって。やっとちょっとしっかり寝れて、すこしづつ噛み締められてきている。
周りの方からもすごく連絡が来ましたし、SNSでもたくさんの方から「おめでとう」の祝福のメッセージが来て、やっぱりオリンピックってすごいなってところを、2回目ですけど、改めて痛感したというか。応援してくれる人が本当に多くて、それだけ注目度のある大会なので、やっぱそこで成し遂げられたことは本当に良かったなと思います。
Q: このチームで挑めてよかったと思うところ、好きなところは?
A: このチームが大好きですし、このチームだったからこそ勝てたと本当に思ってます。挙げるとしたら、大きく分けたら僕はふたつかなと。まず、情熱がある。本当に全員が金メダルを取るんだっていう気持ちが、一つの目標に最初の合宿からなっていて。みんなで共通の目標を最優先事項として団体を掲げて、それに向けて進んでいったことがすごく良かった。あとはやっぱり、熱いだけではなく、凄く建設的にオーダーをどうしようかとか、これだと次の種目きついから順番入れ替えようとか、合宿では練習メニューをこうしようとか、班で回ろうとか、そういった練習メニューに関してもすごく意見を出し合ってやれたことが(良かった)。熱さと、しっかりとした準備、両方があったからこそ、本当に土壇場で力が出て、最後までに諦めずにできたのかなと思います。
橋本大輝「パリ大会も忘れられないオリンピックになりました」
みんなで、そして体操ニッポン一丸となって目標としていた団体総合金メダルを獲得できて本当に良かったと思っています。
やっぱり団体金メダルをずっとほしくて、東京の後から団体の金メダルを目指すようになって…。(金メダルを)かけてもらった時は、「やっととれた!」って実感できましたし、その直後が一番とれたなって感触がありました。周りの反響からは、すごい「ありがとう」とか「かっこよかったよ」とか、そういう一言でも嬉しいと感じましたし、また自分の体操に自信を持てるようになったと思う。時代が進んで、SNSでこうやって選手にメッセージが届くっていうところは、すごい嬉しくて、皆さんのおかげでまた元気になれるなっていうか、また皆さんの前で演技ができることを自分も次の目標に向けて原動力にもなってるので。すごい嬉しかったですね。
Q: このチームで挑めてよかったと思うところ、好きなところは?
杉野選手がすごい良いことを言ってくれたんですけど、試合中になったら頼もしくて、最後まで諦めなくて、やっぱりみんな今まで感じてきたチームワークの良さっていうのを超えてきたというか…。みんなが諦めなかったところが本当に一致団結できたところなんじゃないかなと思っていて。最後まで戦えましたし、僕はみんなにちょっと色々迷惑をかけたりミスをしてしまったりとかあったんですけれど、みんなのおかげで最後まで演技することができました。みんながいたから堂々と演技することができました。本当に大好きなチームで、信頼もできますし、粘り強いですし、体操の実力だけじゃなくて人間としても、すごい4人が集まってるなって思います。
TEAM JAPAN『一歩踏み出す勇気を』
最後まで気が許せない接戦の激闘。それを支えてくれたチームと自分自身の想いについて、キャプテンの萱がこう口にした。
「最初のゆかはリードしていましたが、そっから平行棒までずっと苦しい展開で、僕も演技中やっぱりどこかで本当に心が折れそうになって、また銀メダルかなって思った自分も一瞬はいたんですけど、その数秒後には『絶対あきらめない。絶対に何が起こるかわからない!』っていう風に切り替えて、自分のできる演技をして、チームの他の4人を信じてやって、最後の鉄棒で逆転できて、金メダルを獲得できた」
今回は、TEAM JAPANのスローガンである『一歩踏み出す勇気を』、ができたからこそ達成できた金メダルだったと語る。
「子供達や大人の方もそうだと思うんですけど、何かやってることがあったり、もういいかな、と諦めそうになってる人もいるかもしれないですけど、やっぱ一歩踏み出して、もう一歩踏ん張ったら、何か新しい景色が見えるのかなと思いますし、逆に僕たち5人は踏み出したことで、金メダルという景色を見ることができたので、そういったメッセージをオリンピックを通して伝えられたらいいなと思う。ぜひ頑張ってほしいなと思います」と力を込めて言葉にした。
団体種目と個人総合を終えた体操ニッポン男子は、8月3日~5日に行われる種目別に挑戦する。8月3日(土)のあん馬に杉野正尭、8月5日(月)の平行棒に岡と谷川航、同日の鉄棒に岡と杉野が出場する。鉄棒で2連覇を狙っていた橋本は、予選敗退となっている。
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