パリ2024オリンピック競技大会

橋本大輝「自分自身を超えていく」いざ、パリ2024オリンピックへ

執筆者 Risa Bellino
1 |
2023年世界体操競技選手権:男子個人総合で2連覇達成、橋本大輝

写真: WOLVERHAMPTON WANDERERS FC

東京2020体操競技でオリンピック史上最年少(19歳)で個人総合チャンピオンに輝き、種目別の鉄棒と合わせて2つの金メダルを獲得。体操ニッポンのオリンピック通算100個目となる記念すべき節目に名前を刻み込み、日本を歓喜に沸かせた橋本大輝

スポーツ選手として最大の称号であるオリンピック金メダルを獲得した後も、橋本の体操への情熱は途絶えることなく、理想とする演技を追求し、ひたむきに自分の体操と向き合ってきた。

2023年の世選手権男子個人総合で2連覇を達成し、男子団体でも優勝に貢献。さらに、種目別の鉄棒でも優勝し、3つの種目で世界の頂点に立つと、2024年4月の全日本選手権では、腕を攣るアクシデントに見舞われるも、それを乗り越えて4連覇を達成した。

7月27日から始まるパリ2024体操競技に、オリンピックチャンピオン、世界王者、日本王者のタイトルをひっさげて連覇に挑む橋本が、さらなるステージへ前進するために向き合ってきた3年間と、パリにかける想いについてOlympics.comの独占インタビューで語った。

関連記事

橋本大輝「いろんな経験をして、成長した3年間」

東京2020の経験を活かし、オリンピック王者として体操界で自らの道を切り開いてきた橋本は、パリまでの時間を「あっという間でした」と振り返る。

「一番成長できたのは、おそらく精神面。自分の中の気持ちをコントロールするっていうところを一番この3年間で学んだのかなって思います。自分が演技をする中で一番自分自身を、身体をコントロールするのも必要なんですけど、やっぱり心を普段の練習でもコントロールできるようになったっていうところは、すごいいい成長だったなと思います」とパリに向けて自信を示した。

金メダルが期待される中で、金メダルを取る。プレッシャーのかかるタイトルをかけた大会の時も、試合前に怪我をした時も、重圧に押しつぶされることなく、自身を高めてきた橋本が考えることは一貫しているという。

「(パリまでの)道筋も見えてますし、焦っても何も変わらないので。今やるべきことをしっかり明確にできていれば、それが一番近道だと思っています。結果を重視するよりは、自分がどういうことをして、今何をすることが必要なのか、どういう演技をしたいのかというのを常に頭の中で考えて、そのイメージに近づけられれば、結局結果になってついてくる」と、王者は冷静に語った。

ライバル対決「相手を見すぎず、なおかつ自分をちゃんと見れるように」

東京2020後、パリ2024までに橋本が個人総合で敗れた唯一の相手、それが2000年生まれのチャン・ボヘン(張博恒/中華人民共和国)だ。

「体の線もきれいですし、力強さもありますし、本当に6種目バランスがいい選手」と橋本が評するチャンは、パリでオリンピックデビューを果たし、どんな演技を見せるのか。橋本との対決に大きな注目が集まっている。

東京大会後の10月、福岡・北九州で開催された世界選手権で中国代表として初出場したチャンが、激闘の末0.017点差で橋本を破り、金メダルを獲得。翌年の世界選手権では橋本が0.433点差で金メダルを奪還し、チャンは銀メダルに。2023年の世界選手権では、橋本は個人総合、鉄棒、団体の3種目で金メダルを獲得した一方、チャンは同時期に地元の杭州で開催されたアジア競技大会に出場し、橋本が不在の中で個人総合の金メダルを獲得した。つまり、国際舞台で2022年以降両者の直接対決がないまま、パリで本番を迎えるのだ。

張の存在について、橋本は「世界一を一緒に戦えるっていうことが嬉しいですけど、やっぱり自分自身を超えていく必要があるので、あまり意識しすぎてもいけない」と語る。「試合が終わって戦った後に、やっぱりこの選手と一緒にパリオリンピックで金メダル争いができて良かったって思えるようになりたい」と口にした。

世界体操競技選手権2022:橋本大輝とチャン・ボヘン(張博恒)

写真: 2021 Getty Images

パリで狙うは、団体、個人総合、鉄棒で金

完成度を高め、6種目すべてで安定性を向上させたいという橋本は、東京2020に続いての出場となる萱和磨と谷川航に加え、初出場の岡慎之助と杉野正尭とともに団体戦でも頂点に立ち、パリ2024で3冠を目指す。

「もう世界一を狙えるメンバーではありますし、各個人がちゃんとパフォーマンスをして全員で力を合わせれば、本当に団体金メダルが取れる。多分全員がそういう意識でチームのためにって団体戦を戦うと思う」と頼もしく話すのは、「世界一過酷な代表選考会を勝ち抜いた5人」だからだと説明する。「みんなを引っ張るというか、みんなで高め合っていくっていうところが一番良いと思っているので、僕は、その一員としてしっかり役割を果たしていきたいと思ってます」と力を込めた。

パリ2024体操男子日本代表:橋本大輝、岡慎之助、萱和磨、杉野正尭、谷川航

写真: 2024 Getty Images

目標達成へのブレない信念を持って「最高のパフォーマンスをする」

5月のNHK杯前の練習中に右手中指側副靱帯を損傷し、パリに向けて大事を取って欠場していた橋本だが、7月25日に行われたパリ2024予選前唯一の会場練習でベルシー・アリーナに姿を現した。

練習時間ギリギリまで鉄棒の感覚を確かめていた橋本は、「僕の中では鉄棒がキーになってくると思っている。鉄棒をちゃんと確認することが、チームの金を取るのも個人の金を取るのも一番近道」と練習後、取材陣に答えた。鉄棒の試技で大技リューキンを決めた後のカッシーナで落下するも、久しぶりに良い感覚で余裕を持って車輪ができたことに「思ったよりも心がワクワクしちゃって。『ああ、よかった』と思いました」と安堵の笑みを浮かべた。

状態は100%と言えますか、という質問に「100%と言いましょう」と笑みを浮かべた橋本の競技は、7月27日(土)から予選が始まる。男子団体決勝は29日(月)17:30から、個人総合決勝は31日(水)17:30から、種目別鉄棒決勝は8月5日(月)13:31から競技か開始する予定だ。(いずれも現地時間。日本はパリより7時間進んでいる)

東京2020で達成できなかった3冠の栄光に向けて、いよいよ橋本の挑戦が始まる。

関連記事

橋本大輝プロフィール

  • 所属:セントラルスポーツ
  • 生年月日:2001年8月7日(22歳)※年齢はパリ2024開幕の7月26日時点で表記
  • 出身地:千葉県成田市
  • オリンピック歴:東京2020(男子個人総合および種目別鉄棒金メダル、男子団体銀メダル)
  • ソーシャルメディア:InstagramXYoutube

パリ2024体操競技の競技日程

以下すべて現地時間(日本はパリより7時間進んでいる)日程は変更になる可能性もある

7月27日(土)

  • 11:00〜13:30 男子予選・1班
  • 15:30〜18:00 男子予選・2班
  • 20:00〜22:30 男子予選・3班

7月29日(月)

  • 17:30〜20:30 男子団体決勝

7月31日(水)

  • 17:30〜20:15 男子個人総合決勝

8月3日(土)

  • 15:30〜 男子種目別ゆか決勝
  • 17:10〜 男子種目別あん馬決勝

8月4日(日)

  • 15:00〜男子種目別つり輪決勝
  • 16:25〜 男子種目別跳馬決勝

8月5日(月)

  • 11:45〜 男子種目別平行棒決勝
  • 13:31〜 男子種目別鉄棒決勝

パリ2024オリンピックの注目競技・注目選手[日付別]

Related content