田中希実が挑むダイヤモンドリーグ、女子1500mの実力者たち

5月28日に米オレゴン州ユージーンで開催されるダイヤモンドリーグ第3戦。ドーハ、英国バーミンガムで第1、第2戦が行われてきた陸上競技最高峰のリーグ戦の第3戦に田中希実が参戦する。

1 執筆者 Chiaki Nishimura
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(2021 Getty Images)

世界に通用する走りーー。

東京2020オリンピックの陸上女子1500mで8位に入賞した**田中希実**は、世界での活躍を目標に自身の走りを追求している。

今年7月に行われる世界選手権を前に、田中は世界選手権と同じ会場で行われるダイヤモンドリーグ第3戦ユージーン大会に参戦する。大会に先駆け、5月19日に米カリフォルニア州ウォルナットで開催されたUSATFディスタンスクラシックに出場した田中は、今季自己最高の4分6秒35で5位(田中の自己最高は東京2020で記録した3分59秒19)。

5月28日のダイヤモンドリーグ・ユージーンでは、東京2020オリンピックで表彰台に立った選手のほか、女子1500mの実力者たちが名を連ねている。田中が肩を並べて走る選手たちの実力を探った。

(Michael Steele)

東京2020の金銀メダリスト

ダイヤモンドリーグ第3戦には東京2020の決勝レースに駒を進めた13選手のうち9選手が出場を予定している。

その中でもトップの実力を誇るのが、東京2020でオリンピック新記録(3分53秒11)を叩き出して金メダルを獲得した**フェイス・キピエゴン**(ケニア)だ。現在28歳のキピエゴンは、リオ2016で金メダルを獲得した後に出産。母親となって最初のオリンピックとなった東京大会で見事優勝し、オリンピック2連覇を飾った。

昨年は8月のダイヤモンドリーグ・ユージーン大会で3分53秒23で圧勝し、ファイナルでも優勝を飾っている。

一方、東京2020で銀メダルを獲得したのが**ローラ・ミューア**(スコットランド)。今年の初めから怪我に悩まされ、復帰後初のレースとなった先週(5月21日)のダイヤモンドリーグ第2戦で優勝し、シーズン初勝利となった。

過去のダイヤモンドリーグでは、2016年の女子1500mで総合優勝を果たし、2018年はファイナルを制している。

そのほか、東京2020で4位となったエチオピア出身の**フレウェイニ・ゲブレジベヘル、5位でカナダのガブリエラ・ドビュースタフォードも出場予定。ゲブレジベヘルは、女子1500mの世界ランキングでキピエゴン、シファン・ハッサン**(東京2020銅メダリスト)に続く3位につけている選手だ。

東京2020で上位入賞した選手以外で特に注目されるのが、昨年のダイヤモンドリーグ・ファイナルで3位となったジョゼッテ・ノリス。米国出身で現在26歳のノリスは、5000mで東京オリンピック出場を狙ったものの、国内選考会で好成績を残すことができず、オリンピック出場はならなかった。

しかし、昨年のユージーン大会(4分00秒07)とファイナルを含む3戦で3位となるなど1500mで存在感を発揮している。

また、東京2020の5000m銅メダリストで1500m室内世界記録保持者の**グダフ・ツェガエ**(エチオピア)も参戦を予定している。ツェガエは2019年の世界選手権の女子1500mで、シファン・ハッサン、フェイス・キピエゴンに続き、銅メダルを獲得した。

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