【競泳】国際大会日本代表選手選考会:女子は東京2020金の大橋悠依らオリンピアンがそろい踏み…平泳ぎは若手から中堅が争う激戦に

1 執筆者 マンティー・チダ
OHASHI Yui
(Getty Images)

2022年6月に開幕の「第19回世界選手権2022ブタベスト大会」を含めた国際大会の日本代表選考を行う「国際大会日本代表選手選考会」が3月1日から5日まで、東京辰巳国際水泳場(東京都江東区)で開催される。女子は東京2020で日本人女子選手史上初の個人メドレー2冠に輝いた大橋悠依、パリ2024へ本格的な復活ロードを歩むことになる池江璃花子をはじめ、オリンピアンがそろい踏みを果たす。

■東京2020個人メドレー2冠の大橋悠依が世界選手権へ再始動

東京2020個人メドレー2冠の大橋悠依が、世界選手権金メダル獲得へ向けて再始動。世界選手権はこれまで「2017ブタベスト大会」200m個人メドレーで2分7秒91の自己ベストとした銀メダルが最高。まだ、金メダル獲得には至っていない。

今年初戦となった「北島康介杯2022」で、大橋は200m個人メドレーを制覇。予選全体を1位で通過すると、決勝では3種目目の平泳ぎでトップに立ち、最後の自由形は力強い泳ぎで後続を引き離し、2分10秒65の1位でフィニッシュ。「タイム的にも満足」とオリンピック優勝タイムから約2秒遅れたものの、初戦としては申し分ない動きだった。400m個人メドレーは、今回の選考会がぶっつけ本番となる。今後は200mを中心に力を入れていくとしているが、金メダリストとして簡単にその座を譲るわけにはいかない。

■池江璃花子は4種目で世界選手権の切符を目指す

池江璃花子は、東京2020ではリレーメンバーの一員として出場。パリ2024へ向けた試金石となる世界選手権出場へ、今回の選考会では自由形3種目と100mバタフライにエントリーした。

「北島康介杯2022」では、50m自由形予選でほかの選手がクロールで泳ぐ中、池江は1人だけバタフライを選択。クロールよりも速さが劣る泳法にもかかわらず、2位でフィニッシュ。バタフライで泳いだことを詫びながらも、異次元の速さで周囲を驚かせた。その大会では、白血病から復帰後初めて200m自由形にもエントリー。トップの白井璃緒とわずか0.28秒差の2位で終わるが、スタミナ面でも順調さをアピールした。五十嵐千尋、酒井夏海、大本里佳といった東京2020リレーメンバーや、白井らと世界選手権出場権を争うことになる。

池江はこれまで短水路では世界選手権でメダルを獲得しているが、長水路ではまだ獲得に至っていない。今回の選考会では勝負に加えて、自己ベストにどこまで迫れるかにも注目したい。当然ながら、自己ベストに並ぶぐらいのタイムを残すようであれば、本格的な復活を告げることになる。

■中堅から若手まで、平泳ぎは代表争いの激戦区へ

平泳ぎは、中堅から若手まで好メンバーがそろった。オリンピック3大会連続出場を果たし、2015年世界水泳選手権大会200m金メダルの渡部香生子。渡部とともに東京2020へ出場した青木玲緒樹に加え、昨夏の日本学生選手権大会で平泳ぎ2冠を達成した宮坂倖乃。さらに200m平泳ぎでは渡部や宮坂を抑えて「北島康介杯2022」で優勝した今井月など、女子は平泳ぎが一番の代表争いの激戦区と言ってもよい。

渡部は「北島康介杯2022」において、100mでは青木や今井を抑えて優勝。渡部にわずか0.3秒及ばなかった青木も出場権を狙う。リオデジャネイロ2016では200m個人メドレーに出場していた今井は、宮坂と小学生以来、互いにライバル関係として切磋琢磨してきた。若手がどこまで上位を伺えるのかなど、世代をまたいだ戦いは注目だ。

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