平昌2018スピードスケート女子500m金メダリストの小平奈緒氏(相澤病院)が10月27日、東京都内で引退会見を行った。
小平氏は21日に行われた第29回全日本スピードスケート距離別選手権大会の女子500mを最後に現役を引退。ラストレースでは優勝を飾っていた。
小平氏は現役最後の大会から数日経った今でも、「夢のような、毎朝にほっぺたをつねって現実だったんだと確認するような毎日」と今の心境を語った。所属先やお世話になった指導者への感謝に加え、韓国語やオランダ語でメディアやファンに向けたメッセージも送った。
今後については継続して相澤病院に所属し、講演やイベント出演の活動をしていくと発表。続けて「出身大学でもある信州大学から特任教授を拝命することになりました」と明かした。1年生を対象に、キャリア形成や健康科学に関連する授業の一部を担当することになるという。「早速(2023年)1月から学生たちの前で授業をすることになります」とした。
今後のキャリアについて、「これからは慣れ親しんだ氷の上とは違い、慣れない舞台での活動が増えてくると思いますが、『知るを楽しむ』『唯一無二の自己実現』というこれまでと変わらないテーマを探求していきたいです」と意気込みを語った。
小平氏はバンクーバー2010でオリンピック初出場し、チームパシュートで銀メダルを獲得。北京2022まで4大会連続で出場し、平昌2018では500mで金メダル、1000mで銀メダルを獲得した。4度出場したオリンピックについては「成長させてもらってきたという思いがある」とし、「世界を明るくする舞台であってほしい、人と人とをつなぐものであってほしいと思います」と期待を寄せた。
スポーツをやる人たちにとっても、支える人たちにとっても、見る人たちにとってもいいものであってほしいという願いを持ち続けると思います。私も4回のオリンピックを経験して、たしかに成長させてもらってきたという思いがあるので。純粋に世界を明るくする舞台であってほしい、人と人とをつなぐものであってほしいと思います。その人の人生の中で、自己実現できるものであってほしいと思います。