日本サッカー協会(JFA)は、12月18日に閉幕した「FIFAワールドカップカタール2022」において、"SAMURAI BLUE" こと、男子日本代表の指揮をとり、2大会連続でベスト16へと導いた森保一監督と再び契約することに合意し、2026年に北米3カ国(アメリカ合衆国・メキシコ・カナダ)で開催される次回ワールドカップまで代表監督を続投することを、公式会見の場(12月28日付)で発表した。
日本は、カタール2022のグループステージにおいて、同居するヨーロッパ強豪のドイツならびにスペインの2チームを破り、グループ首位で決勝トーナメントに進出するという快挙を達成したことにより、列島のみならず世界中で話題をさらった。前回大会の2018年ロシア大会に続き、2大会連続でベスト16に進出したSAMURAI BLUEは、その決勝トーナメント1回戦で、ロシア大会準優勝のクロアチアと対戦し、延長戦にもつれ込む接戦の展開(1−1)を見せるも、最後はPK戦(1−3)で敗れ、目標としていた初のベスト8進出という「新しい景色」への到達は叶えられなかった。
目標の達成とはならなかったものの、世界に衝撃を与えた日本代表選手の活躍や、4年に一度のワールドカップという舞台での躍進、また次回ワールドカップにて今度こそ実現させたい「ベスト8の景色を見る」ために、双方の合意の上、JFAは28日に開催した臨時の技術委員会ならび理事会を経て、全会一致で森保監督への続投を決定した。
サッカー男子日本代表監督に、2つのワールドカップを通じて同一人物が就任することは、初めてのことである。
監督続投の正式決定を受け、森保監督は同日午後に開かれた記者会見の場で、自身の新たな決意とともに、開幕まですでに4年を切っている次回ワールドカップに向けた思いをメディアの前で語った。
「一戦一戦、結果に覚悟をもって挑戦していきたい」
会見の冒頭、森保監督は次のワールドカップに向けた「覚悟」を述べた。
「本日、2026年のワールドカップに向けて、日本代表の監督を改めて命じていただきました。日本代表の監督をもう一度続けていくことにおきましては、非常に光栄な気持ちとミッションに向けての難しさ、責任の重さを考えると、身の引き締まる思いでいます」
「次のワールドカップに向けて、まだ見ぬ新しい景色を見るために向かう道のりではありますが、一戦一戦、結果に覚悟をもって挑戦していきたいと思います。そして、われわれの活動が多くの皆さんに支えられていくという感謝の気持ちをもち、日本人の誇りと日本人である喜びをもって、職責を全うしたいと思います」
そんな重圧のある代表監督業ではあるが、ワールドカップ2大会連続で代表チームを指揮するという新たな扉をこじ開ける森保監督の挑戦への決断は、日本人であるというプライドが背中を押したようである。
「カタールのワールドカップで悔しい思いをして終わったこと。そして、(監督業が)最高に幸せな仕事であるという、日本人である喜びと誇りをもって、世界に挑める素晴らしい職業であるということで、(続投を)決めさせていただきました」
カタール2022における日本の大躍進をリードしながら、「新しい景色」へ到達するために何が不足していたかについても、森保監督は大会期間中に感じていたようだ。
「続投ということで、継続の部分は日本サッカーの歴史として積み上げてきたことを生かすことは、私がやらなければいけないことだなと思っている。積み上げてきたものをさらにブラッシュアップしていく」
「ただ、続投といって、これまで通りで通用するとは全く思っていません。過去やってきたことがなんとなく通用すると思うことがないよう自分自身が一番気を引き締めていかなければいけないと思います。やらなければいけないことは、全てにおいてのレベルアップだと思っています。個の発掘、個の育成、すべてレベルアップできるよう選手に働きかけて、環境づくりをしていきたい」
森保監督が率いるSAMURAI BLUE第2章の幕開けとなる初戦は、2023年3月23日に国立競技場(東京都新宿区)で行われる、キリンチャレンジカップ(対戦相手未定)の予定だ。