ワールドカップ歴代最多試合出場選手リスト:リオネル・メッシは記録を塗り替えるのか?

熱戦が続くFIFAワールドカップカタール2022もいよいよ佳境。Olympics.comでは、W杯歴代最多試合出場者を一覧にして振り返ってみた。アルゼンチン代表のリオネル・メッシは、これまでの最多記録25回を誇るドイツのローター・マテウスの数字に並んだ。メッシが決勝に出場すれば、単独で首位に立つこととなる。

1 執筆者 Olympics.com
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(2022 Getty Images)

人類史上、最も優れた男子サッカー選手は誰なのか?Olympics.comでは、その回答を一覧にして探してみた。

地球規模で盛り上がりをみせるFIFAワールドカップカタール2022も、いよいよ佳境を迎え、才能あふれる世界のトップサッカー選手たちが、様々なテクニックやドラマで私たちを魅了している。

選手たちの活躍は、ひとつの大会だけでなく、過去の通算成績や記録などによって評価されることが、しばしばある。選手の試合出場数というのも、プレーヤーの功績だけでなく所属代表チームの輝かしい成績に比例するということも、よく聞かれる話だ。そのリストを見れば、一目瞭然。

ドイツのローター・マテウスは、リスト最上位にその名を連ねている。ワールドカップ最多記録となる「25」試合に出場しているマテウスの次点には、同じドイツ代表のミロスラフ・クローゼが入っている。クローゼの素晴らしいところは、試合出場数もさることながら、ワールドカップ歴代最多得点となる「16」ゴールも決めているので、驚きだ。

そして、カタール2022では、このリストに変動が起こるかもしれない。アルゼンチン代表のリオネル・メッシが、現時点(日本時間12月14日)で「25」試合に出場しており、クローゼの記録を抜いて、マテウスに並んだ。このカタール2022の決勝(日本時間12月19日)にメッシが出場すれば、マテウスの記録を塗り変え、「26」という新たな歴史的偉業を成し遂げるのかもしれないのだ。

鼓動が止まらない興奮の瞬間を前に、さっそく歴代記録を振り返ってみよう。

ローター・マテウス:5大会・25試合出場

マテウスは、1990年のイタリア大会で西ドイツ代表のキャプテンを務め、チームを優勝に導いた。初出場の1982年(スペイン大会)と、2度目の出場となった1986年(メキシコ大会)で、西ドイツは決勝の舞台で敗れ、準優勝に終わっている。マテウスは、自身4回目の出場となる1994年のアメリカ大会と、1998年のフランス大会にも、東西統一後のドイツ代表として出場している。

マテウスは、代表選手として、西ドイツ時代の83試合を含む、トータル150試合の出場数を誇る。

ミロスラフ・クローゼ:24試合出場と16ゴール

ドイツ代表のストライカー、ミロスラフ・クローゼは、過去4回のワールドカップ(2002、2006、2010、2014)、トータル24試合に出場し、かつ歴代最多記録となる16ゴールをあげている。特筆すべきは、最後のワールドカップ出場となった2014年のブラジル大会で、当時36歳だったクローゼは、2得点をあげ、ドイツの優勝に貢献していることだ。

パオロ・マルディーニ(イタリア)は、4大会・23試合出場を数える。優勝経験はないものの、マルディーニは1990年のイタリア大会で開催国代表として選出されたり、1994年のアメリカ大会では決勝まで進むも、PK戦でブラジルに敗れるという苦い経験をしている。

アルゼンチンのレジェンド、ディエゴ・マラドーナは、3大会(1982、1986、1994)21試合の出場数で、8ゴールという高いゴール記録をもっている。マラドーナの名前が世界に広く知れ渡るきっかけとなった1986年のメキシコ大会では、5得点あげ、アルゼンチン優勝に導いたことは、有名な話だ。

リストの上位には、黄金世代と呼ばれたポーランド代表選手2名もいる。ヴラディスワフ・ジュムダは4大会(1974、1978、1982、1986)21試合、グジェゴシ・ラトーは3大会(1974、1978、1982)20試合という出場記録をもっている。

また、リストのおよそ半数にあたる9名がドイツ代表選手という点も、たいへん興味深い。

大会ごとに記録更新

ブラジル代表選手では、カフーとロナウドがもつ「20」試合が最多記録だ。とくに、ロナウドは、ワールドカップ最多ゴール数でも2位の記録となる15ゴールをあげているので、彼の才能を改めて実感できる。また、面白いことに、3度のワールドカップ優勝経験のあるペレは、出場試合数でみると「14」と、今回のリストでは圏外となった。これは、現行の競技フォーマットと異なって、ラウンド16(上位16チームによる決勝トーナメント)が採用されていなかった時代であることや、交代人数も今より限られていたことに起因する。リオ2016でオリンピック金メダルを獲得しているネイマールは、意外にもワールドカップの出場数は「13」と、やや少なめだ。

ポルトガルのスタープレーヤー、クリスティアーノ・ロナウドの試合出場数は「22」。

パリ2024の開催国であり、前回ワールドカップ覇者のフランス代表では、ティエリ・アンリとファビアン・バルテズの「17」試合が、最多記録だ。また、現在のフランスチームのキャプテンである、ウーゴ・ロリスも「17」を記録しており、このカタール2022で記録更新となるか注目だ。

さらに、前回ワールドカップ決勝でフランスに惜敗して、準優勝に終わったクロアチア代表のエース、ルカ・モドリッチも「17」試合に出場しており、カタール2022の結果次第で、リストに変化をもたらすかもしれない注目プレーヤーのひとりだ。

FIFAワールドカップ歴代最多試合出場選手リスト

この一覧は、ワールドカップの予選大会や、プレーオフなどの試合出場数は含まれていない。また、現在(12月14日)もカタール大会が開催中であり、ベスト4進出チームの選手(*)の出場次第でリストに変動があることを付言する。

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