国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が主催する2023/2024シーズンにおけるスノーボード・ビッグエアのワールドカップ開幕戦が、スイス・クールにおいて現地時間10月21日に行われ、午前に予選、午後に決勝を実施した。
■女子:村瀬と岩渕、ワンツーフィニッシュ!
日本代表4名を含む、トータル19名がエントリーした女子の予選では、北京2022同種目で4位入賞を果たしている岩渕麗楽が2位、そして同じく北京2022で日本代表では史上初となる同種目でのオリンピック銅メダルを獲得し、かつ冬季オリンピックでは日本最年少メダリスト記録を更新した村瀬心椛が4位で予選を通過するなど、日本代表全員が決勝行きを果たし、上位8名によるファイナルステージに挑んだ。
今大会の決勝では、3本のランを披露し、ベストスコア2つの合計で最終成績が争われる競技フォーマットで行われた。ファイナリストの中で、村瀬が1回目のランで88.00をマーク、さらにラストチャンスの3回目で91.25を叩き出して合計179.25となり、暫定首位に立っていたイギリス代表のミア・ブルックスを破って、逆転優勝を飾った。また、岩渕も最終のランで、ハイスコアをマークし、合計175.50で2位に浮上し、ミラノ・コルティナ2026に向けてさらなる飛躍が期待されるオリンピアンの2人が、今季を占う大事な初戦でワンツーフィニッシュを飾った。
W杯スノーボード・ビッグエア クール(スイス)2023 女子決勝の成績は、以下の通り(外国人選手はFISの表記に準ずる)。
- 村瀬心椛 179.25
- 岩渕麗楽 175.50
- BROOKES Mia(イギリス)169.75
- BLOUIN Laurie(カナダ)159.75
- 深田茉莉 156.00
- 鬼塚雅 145.25
- BAIRD Jasmine (カナダ)102.50
- * PRIBOSIC Urska(スロベニア)DNS (=棄権 *FIS公式記録では7位と記載)
■男子:荻原、木村、大塚で表彰台独占!
55名がエントリーした男子の予選では、上位10名が決勝に進出できるフォーマットで行われ、エントリーした日本代表7名のうち5名が決勝行きを決めた。
その決勝では、予選を1位で通過した荻原大翔が、1回目(84.25)と2回目(87.25)のランで高得点をマークし、暫定トップに立つ。最終の3回目のランでも、他選手が荻原の合計スコアを上回ることができなかったことから、荻原が逃げ切ってワールドカップ初優勝を決めた。
また、木村葵来が合計スコア168.00で2位、北京2022日本代表の大塚健が167.50をマークして3位に入り、日本勢が今シーズン開幕戦で表彰台を独占し、TEAM JAPANスノーボーダーの層の厚さを世界にアピールした。
W杯スノーボード・ビッグエア クール(スイス)2023 男子決勝の成績は、以下の通り(外国人選手はFISの表記に準ずる)。
- 荻原大翔 171.50
- 木村葵来 168.00
- 大塚健 167.50
- LAFRAMBOISE Nicolas(カナダ)156.00
- FITZSIMONS Sean(アメリカ合衆国)145.75
- YANG Wenlong(中華人民共和国)113.25
- GUSELI Valentino(オーストラリア)109.25
- 木俣椋真 104.00
- LIVIERO Nicola(イタリア)42.75
- 國武大晃 27.25
■スノーボード・ビッグエアとは?
スノーボードのオリンピック種目は5つある。その中でも、ビッグエアはオリンピックヒストリーの中で最も新しい種目で、平昌2018で初めて実施された。
ビッグエアは、スノーボーダーが巨大なジャンプ台から勢いよく飛び出して、空中で最高のトリックを披露するシンプルな種目だ。
コース上でジャンプや技(トリック)を複数回繰り出していくスロープスタイルとは異なり、ビッグエアはワントリックを確実に決めることが重要となる。大会のフォーマットにもよるが、選手は通常、2回もしくは3回のランを行う。同じトリックを3度繰り返す選手も珍しくはない。
審査員は、高さ・難易度・発展性・完成度・着地の5つの基準で演技を採点する。