銅メダル村瀬心椛「本当に夢のよう」

北京2022冬季オリンピック大会11日目、スノーボード女子ビッグエア決勝が行なわれ、アクロバティックかつダイナミックなトリックが繰り広げられる熱戦の結果、オリンピック初出場の村瀬心椛が銅メダルを獲得! この種目では、日本初のメダル獲得となり、さらに村瀬は冬季オリンピック日本女子代表の歴代最年少メダリストに輝いた

1 執筆者 Yukifumi Tanaka/田中幸文
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(2022 Getty Images)

北京2022スノーボード女子代表で、冬のオリンピック初出場の**村瀬心椛**が、ダブルの快挙だ。

スロープスタイルに続き、ビッグエアに出場した村瀬は、昨日(2月14日)の予選で、エントリーした30名のなかで2位となり、上位12名だけが出場できる決勝への進出を決めた。

そして、今日(2月15日)の決勝。

予選と同様、各選手は3回のラン(滑走)ができ、急斜面を勢いよく滑って、キッカーと呼ばれるジャンプ台から飛び上がり、さまざまなトリックを繰り広げ、その難易度や完成度のスコアで争われる。また、総合成績は、3回のランのうち、上位2つのベストスコアの合計で決まる。さらに、決勝の最終ランの出番は、1本目と2本目の合計で暫定的に決まった順位のリバースオーダーで行なわれるため、最後の最後までドキドキが止まらないエンターテイメント性に溢れるスポーツなのだ。

各選手ともに、決勝のために秘かに用意していた、アクロバティックかつダイナミックな大技を1本目ランから繰り広げていく展開で、序盤から手に汗を握る。

村瀬も1本目から果敢に攻めて、80.00をマークし、暫定5位につける。

2本目、1本目よりも高難度トリックを決めて、クリーンに着地。91.50というハイスコアを叩き出し、この2本目ランでは最高得点を記録。そして、スコア合計171.50となり、暫定3位へ浮上。一気にメダルへの期待が高まった。

そして、運命の最終ラン。

1本目と2本目の成績による暫定順位のリバースオーダーに変わるため、村瀬は最終滑走から3番目に登場。どの選手も、空高く舞い上がり、ビッグトリックに挑むも、ランディングに失敗するなど、村瀬のメダル射程圏内のスコアを追い越せない。

暫定4位で最終ランに挑んだ岩渕麗楽が、女子では大技のトリプルコークに挑戦。着地に乱れてしまい、スコアを伸ばすことができず4位のままとなったことで、村瀬を含む残り3選手のメダル獲得が決定。すなわち、この3名によるメダルのカラーを争う展開となった。

そして、村瀬の出番。

より高いスコアを目指して、青い空に向かって飛び上がったものの、着地に失敗。この時点でスコア更新ならず、村瀬の3位銅メダルが確定した。

(2022 Getty Images)

村瀬は、17歳でこのオリンピックに初出場し、銅メダルを獲得。このスノーボード・ビッグエア種目でのメダル獲得は、日本初の快挙だ。

さらに、17歳でのメダル獲得は、冬季オリンピック日本女子代表では最年少記録となり、ダブルでの快挙達成を成し遂げた。

「いまだに、まだ信じられなくて、本当に夢のようです」

スノーボーダーたちは、本当に仲が良く、雪上ではライバル同士であったとしても、競技終了後は互いの健闘はもちろん、高難度のトリックに挑む姿勢をリスペクトしている。

「スノーボードは個人スポーツなのですが、みんなライバルではないし、一緒に戦っているような感じ」

そして、オリンピックという舞台は、村瀬を含むスノーボーダーにとっても、特別な場所のようだ。

「オリンピックメダリストになることは、小さい時からの夢でした。今ここで、銅メダルを獲得できて、本当に嬉しいです」

「小さい時から、たくさん練習してきて、スノーボードが楽しくて、そうしたら、今日こうして表彰台に立つことができました」

オリンピックの表彰台から見えた景色も、17歳の瞳には特別に映ったようだ。

「今まで練習してきたシーンとか、家族のこととか、友達のこととか、ずっと思い返していました」

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