北京2022スノーボード女子代表で、冬のオリンピック初出場の**村瀬心椛**が、ダブルの快挙だ。
スロープスタイルに続き、ビッグエアに出場した村瀬は、昨日(2月14日)の予選で、エントリーした30名のなかで2位となり、上位12名だけが出場できる決勝への進出を決めた。
そして、今日(2月15日)の決勝。
予選と同様、各選手は3回のラン(滑走)ができ、急斜面を勢いよく滑って、キッカーと呼ばれるジャンプ台から飛び上がり、さまざまなトリックを繰り広げ、その難易度や完成度のスコアで争われる。また、総合成績は、3回のランのうち、上位2つのベストスコアの合計で決まる。さらに、決勝の最終ランの出番は、1本目と2本目の合計で暫定的に決まった順位のリバースオーダーで行なわれるため、最後の最後までドキドキが止まらないエンターテイメント性に溢れるスポーツなのだ。
各選手ともに、決勝のために秘かに用意していた、アクロバティックかつダイナミックな大技を1本目ランから繰り広げていく展開で、序盤から手に汗を握る。
村瀬も1本目から果敢に攻めて、80.00をマークし、暫定5位につける。
2本目、1本目よりも高難度トリックを決めて、クリーンに着地。91.50というハイスコアを叩き出し、この2本目ランでは最高得点を記録。そして、スコア合計171.50となり、暫定3位へ浮上。一気にメダルへの期待が高まった。
そして、運命の最終ラン。
1本目と2本目の成績による暫定順位のリバースオーダーに変わるため、村瀬は最終滑走から3番目に登場。どの選手も、空高く舞い上がり、ビッグトリックに挑むも、ランディングに失敗するなど、村瀬のメダル射程圏内のスコアを追い越せない。
暫定4位で最終ランに挑んだ岩渕麗楽が、女子では大技のトリプルコークに挑戦。着地に乱れてしまい、スコアを伸ばすことができず4位のままとなったことで、村瀬を含む残り3選手のメダル獲得が決定。すなわち、この3名によるメダルのカラーを争う展開となった。
そして、村瀬の出番。
より高いスコアを目指して、青い空に向かって飛び上がったものの、着地に失敗。この時点でスコア更新ならず、村瀬の3位銅メダルが確定した。
村瀬は、17歳でこのオリンピックに初出場し、銅メダルを獲得。このスノーボード・ビッグエア種目でのメダル獲得は、日本初の快挙だ。
さらに、17歳でのメダル獲得は、冬季オリンピック日本女子代表では最年少記録となり、ダブルでの快挙達成を成し遂げた。
「いまだに、まだ信じられなくて、本当に夢のようです」
スノーボーダーたちは、本当に仲が良く、雪上ではライバル同士であったとしても、競技終了後は互いの健闘はもちろん、高難度のトリックに挑む姿勢をリスペクトしている。
「スノーボードは個人スポーツなのですが、みんなライバルではないし、一緒に戦っているような感じ」
そして、オリンピックという舞台は、村瀬を含むスノーボーダーにとっても、特別な場所のようだ。
「オリンピックメダリストになることは、小さい時からの夢でした。今ここで、銅メダルを獲得できて、本当に嬉しいです」
「小さい時から、たくさん練習してきて、スノーボードが楽しくて、そうしたら、今日こうして表彰台に立つことができました」
オリンピックの表彰台から見えた景色も、17歳の瞳には特別に映ったようだ。
「今まで練習してきたシーンとか、家族のこととか、友達のこととか、ずっと思い返していました」