「そんなに寝れてない…」。2月10日に行われた**北京2022の女子ハーフパイプ決勝で銅メダルを獲得した冨田せな**は、慌ただしさの中でメダリストになったことを実感しているようだ。
一夜明けた11日朝に会見に臨んだ冨田は、前日のメダル授与式の後にメダルを獲得した実感が湧いてきたと話し、「セレモニーが終わってから取材で、今日の朝も早かったので、そんなに寝れてないです」とコメント。「メダリストにしかできないことなんだろうなと思っています」とその喜びをかみしめる。
メダル獲得後には国内外の知人や友人、他のスノーボーダーから「返信しきれないほど」のメッセージが届いたという冨田。その中には、同じライダーとして慕う藤森由香からのメッセージもあり、「ゆかちゃんからメッセージがきたのが嬉しかった」と声を弾ませる。
スノーボードに関心のある人が増えれば
オリンピックのスノーボード女子ハーフパイプで日本人がメダルを獲得したのは、冨田が始めて。
「メダルをとったことによって少しでも興味を持っていただいたりとか、日本でスノーボードの競技をテレビでやることがなかなかないので、そういう番組が増えたらいいなと思います」と話す冨田。子どもたちがスノーボードに興味を持ち、たとえ競技として選ばなくとも、「ライダーとしての活動でもいいですし、年に数回の楽しみでもいいですし、スノーボードに触れていただく機会が少しでも増えたらいいな思います」と日本でのスノーボードの盛り上がりを期待する。
恐怖心もあった
10日午前に雲頂スノーパークで行われた女子ハーフパイプの決勝で、冨田は1本目から攻めの滑りでフロントサイド1080を決めると86.00をマーク。1本目を終えた時点で2位につき、2本目でも攻めの滑りが続くと1本目を上回るスコア88.25を記録した。その後、ケラルト・カステリェト(スペイン)が90.25点をマークしたことで冨田は順位を3位に落とすが、3本目でそのまま逃げ切り、3位となった。
だが、すべてが順調だったわけではない。2019年に同会場で行われたワールカップの練習中に大怪我を負ったこともある。「恐怖心もあったんですけど、それを乗り越えて取れたメダルだったので自信にもなった」と、恐怖心に打ち勝っての表彰台だったことを語る。
「練習してきたことを出しきれたので、満足しています」と話す冨田は、「これからまた頑張っていきたい」とした上で、「私より下の年代の子から憧れてもらえるような存在になりたい」と今後の活躍を誓った。