パリ2024 自転車ロードレース観戦ガイド! 注目ポイント・日本代表・試合日程
伝統的なロードレース「ツール・ド・フランス」をはじめ、フランスで人気の高い自転車競技は、パリ2024オリンピックにおいて注目度の高い競技のひとつとなるだろう。
自転車競技は、BMXフリースタイル、BMXレーシング、マウンテンバイク、ロードレース、トラックレースに分かれて実施され、ここで紹介するロードレースでは、選手が同時にレースを開始し、最初にゴールした選手が優勝となる「ロードレース種目」と、時間差をおいてスタートし、全員がゴールした後に最速のタイムを記録した選手が優勝者となる「タイムトライアル種目」がある。
開会式翌日の2024年7月27日、8月3日、4日の3日間ですべてが決まる自転車ロードレース競技の注目ポイント、日本代表選手、試合日程を紹介しよう。
パリ2024 自転車ロードレースの競技フォーマット・注目ポイント
自転車ロードレース
合計180人・男女各90人のサイクリストが一斉にスタートするマススタート形式で行われ、最初にゴールした選手が勝者となる。女子レースの距離は158km、男子は273kmで、どちらもパリを発着地点とするコースは、全体として起伏が多く、パリのモンマルトルへの最後のテクニカルな登りや、トロカデロ広場のフィニッシュ前の石畳とつづら折り区間などがレースの鍵となるだろう。
男子は、若干22歳でツール・ド・フランスで2度の総合優勝を果たした実績を持ち、総合力と攻撃的なレーススタイルを強みとするタデイ・ポガチャル(スロベニア)、女子は、今年4月のルーベ・ファムを初制覇した23年世界チャンピオンのロッテ・コペッキー(ベルギー)などの若手サイクリストがオリンピックの舞台でどんな勝負を繰り広げるかに注目が集まる。
個人タイムトライアル
オリンピック史上初めて男女同数の男子35人、女子35人の選手が出場する個人タイムトライアル(TT)。男女が同じコースを同じ距離走ることも史上初めてのこととなる。選手は1人ずつ時差スタートし、エスプラネード・デ・アンヴァリッドから32.4kmを走り、全員がゴールした後に最も速い選手がオリンピックチャンピオンとなる。
前回の東京2020のTTコースは、富士スピードウェイを発着地点とした起伏の多い過酷なコースで、選手たちは登坂力と持久力が試された。男子金メダルのプリモシュ・ログリッチ(スロベニア)の平均速度は約48.3km/hで(距離44.2km)、女子優勝者のアネミエク・ファン・フルーテン(オランダ)の平均速度は約44.1km/h(距離22.1km)だったのに対し、今回のパリ大会は平坦なコース設定で、高い平均速度で高速なレース展開が予想される。このコースでは、空気力学的なポジションや持続的なパワー出力が重要な要素となるだろう。
男子は、去年ベルギー史上初となるエリートTT世界王者となったレムコ・エヴェネプール(ベルギー)、2022年世界ジュニアを制し、23年世界選手権エリートTTで表彰台に上った20歳のジョシュア・ターリング(英国)などが注目選手となる。女子は、東京2020で圧勝したアネミエク・ファン・フルーテン(オランダ)、23年の世界選手権で2度目の優勝を飾ったクロエ・ダイガート(アメリカ合衆国)などがメダル争いを盛り上げるだろう。
パリ2024 自転車ロードレース日本代表
パリ2024で日本は男女1枠ずつを獲得し、新城幸也と與那嶺恵理がロードに出場する。
オリンピックの自転車競技において4大会連続出場の偉業を成し遂げた、別府史之に続き2人目の4大会出場プロサイクリストとなる新城幸也は、「オリンピックはやっぱり特別」だと、日本選手権後の代表候補選手囲み取材で語った。2009年にツール・ド・フランスに初出場し、別府と共に日本人として史上初めて完走を果たし、これまでに区間敢闘賞を2回受賞。2010年にジロ・デ・イタリア完走、2015年にブエルタ・ア・エスパーニャを完走し、3大グランツール全てを初めて完走した日本人ライダーである新城は、長丁場で高い持久力と耐久力を発揮し、長いキャリアを通じて国内外で数多くの実績を積み重ねてきた。パリのコースは、「アップダウンでパリの中を周回するなかなかトリッキーなコース。連続して登りが続くので難しい大会になる」と予想する。「日の丸はいつも特別な気持ちにさせてくれる。日本代表として成績を第一に走る」と抱負を語った。
3回目のオリンピック出場となる與那嶺恵理は、2023年にツール・ド・フランス・フェミニン完走、アジア競技大会個人タイムトライアルで銀メダルを獲得するなどの実績を残し、パリに向けてランキングを上げて調整をしてきた。昨年9月にスペイン籍のプロチームであるラボラル・クチャ・フンダシオン・エウスカディに移籍し、プロとして9年目のシーズンとなる2024年、6月の全日本選手権ロードで7度目の優勝を果たした。試合後の代表候補選手囲み取材では、「リオでの(ロード)17位を更新、もしくはメイン集団でスプリント出来れば。一個でも良い順位に。自分のベストを尽くすだけです」と意気込みを語った。オリンピック前はオーストリアで高地合宿を1か月ほど行い、現地入りをする。
新城幸也(あらしろ・ゆきや)
- 生年月日:1984年9月22日(39歳)
- 出身地:沖縄県石垣市
- 所属:バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)
- オリンピックの経験:ロンドン2012(ロードマススタート48位)、リオ2016(ロード27位)、東京2020(ロード35位)
- ソーシャルメディア:Instagram、X
與那嶺恵理(よなみね・えり)
- 生年月日:1991年4月25日(33歳)
- 出身地:大阪府堺市
- 所属:ラボラル・クチャ・フンダシオン・エウスカディ(スペイン)
- オリンピックの経験:リオ2016(ロード17位、タイムトライアル15位)、東京2020(ロード21位、タイムトライアル22位)
- ソーシャルメディア:Instagram、X、Facebook
リザーブ:留目夕陽(男子ロード)、牧瀬翼(女子ロード)
パリ2024オリンピック、自転車ロードレースの会場と競技日程
以下すべて現地時間(日本はパリより7時間進んでいる)。※日程は変更になる可能性もある
7月27日(土)
14:30〜18:30[会場]スタート:アンヴァリッド/ゴール:アレクサンドル3世橋
- 女子個人タイムトライアル
- 男子個人タイムトライアル
8月3日(土)
11:00〜18:15[会場]イエナ橋
- 男子ロードレース
8月4日(日)
14:00〜18:45[会場]イエナ橋
- 女子ロードレース