どこが違う? ペアとアイスダンス

冬季オリンピックを観戦していると、違いがよく分からないスポーツがあると感じたことはないだろうか? Olympics.comでは、北京2022をもっと楽しむために、見分けにくい冬のスポーツに焦点を当てて、シリーズで解説していく。今回は、オフィスや教室で話題に上るフィギュアスケートから、「ペア」と「アイスダンス」の違いについて見てみよう!

文: Indira Shestakova
写真: 2020 Getty Images

日本で人気の高い冬のスポーツのひとつといえば、間違いなくフィギュアスケートが挙げられるだろう。男子女子シングルのフィギュアスケートのことなら、よくメディアを通して見かけるから話題についていけるけれど、男女が1組になって氷上を舞う「ペア」と「アイスダンス」の違いのことになると、「はて?」と首を傾げたまま、自分の席に戻ってしまうことはないだろうか。

この類似した2種目には、歴とした違いがある。今回は、その違いに焦点を当てて、日頃の疑問を解消し、北京2022に向けて本格化するアスリートたちの戦いを、もっとワクワクしながら観戦しよう!

主な違いは?

ペアは、男女シングルと同様、「ショートプラグラム(SP)」と「フリースケーティング(FS)」で構成される。一方のアイスダンスは、「リズムダンス」と「フリーダンス」の2種類から成る。

衣装

ペアとアイスダンスの2種目の違いを明確にするため、女性スケーターの衣装をルールで規定していた過去がある。

たとえば、アイスダンスの女性選手は、スカートあるいはドレスを着用しなければならず、ペアの選手には認められているズボンの着用ができなかった。しかしながら、この規定は今では撤廃されており、アイスダンスの女性スケーターもズボンの着用が可能になったので、衣装だけでは、ペアスケーターかアイスダンサーかを判別することは難しい。

ズボンの衣装を纏う女性アイスダンサー(2016年10月撮影)
写真: 2016 Getty Images

エレメンツ

これら2種目の最大の違いは、ジャンプだ。

アイスダンスのデュオは、めったにジャンプをしない。というのも、アイスダンスは、シングル(1回転)ジャンプを除いて、ジャンプをプログラムに含まなくてもいい唯一のフィギュアスケート種目なのだ。他にも、スロージャンプ、ツイストリフト、オーバーヘッドリフトなど、アクロバティックなエレメンツ(要素)は、アイスダンスでは禁止されている。それだけではなく、アイスダンスでは、ふたりの選手が長い時間、距離をとった演技をすることが禁じられており、さらに腕2本分伸ばした距離以上に離れてもいけない。

一方ペアでは、距離をとったエレメンツをプログラムにどれだけ取り入れても、規程違反にはならない。

アイスダンスで重要となるエレメンツが以下の通りだ :

  • ツイズル(多回転の片足ターン)
  • パターンダンス
  • リフト
  • スピン
  • ステップシークエンス
  • コレオグラフィック・エレメンツ

ペアでは、以下のような難度の高いエレメンツが要求される :

  • ツイストリフト(男性スケーターが女性スケーターを頭上へ投げ上げるリフト、女性は男性に腰部分でキャッチされるまでに空中で3回転する)
  • ペアリフト
  • スロージャンプ(男性スケーターが女性スケーターのジャンプを補助するために空中へ投げ上げ、最後はアシストなしで着氷する)
  • デススパイラル
  • スピン
ペア・スロージャンプの瞬間=平昌2018
写真: 2018 Getty Images

音楽

今からわずか11年前のバンクーバー2010まで、アイスダンスのプログラムは、現行の2種類ではなく、3種類(オリジナルダンス、フリーダンス、コンパルソリーダンス)で行なわれていた。

その翌シーズン(2010/2011)より、新しい競技フォーマットが導入され、他の3種目と同様に、2種類のプログラム(リズムダンス、フリーダンス)で実施されるようになった。

また、リズムダンス(2010年から2018年までは「ショートダンス」という名称を使用)では、ISU(国際スケート連盟)が毎シーズン特定のテーマを指定する。北京2022を含む今季(2021/2022)は、ブルースとストリートダンスが必須要素に指定されている。

このように、ISUの必須要件に合わせて、アイスダンスの選手たちは、パターンと呼ばれる規定(コンパルソリー)のエレメンツをプログラムに組み込んで、シーズン毎に異なるダンスや、ステップシークエンス、スピンなどを演技しなければならない。

また、リズムダンスの音楽は、各チームによって選曲できるが、これもシーズン毎に要求されるテーマ、リズム、テンポに合わせたものでなければならない。

一方、ペアの選手たちは、SP・FSともに、自分たちのプログラム構成に合わせて、音楽を選ぶことができる。

参加数

2019年と2021年の世界選手権では、アイスダンスが27から32組、ペアが19から24組へと、共に参加数が増加している。この数の違いから、アイスダンスの方がペアよりも難易度が低いという意見があるのも事実だ。

北京2022では、アイスダンスが23組、ペアが19組の出場枠が設けられている。

オリンピックの歴史

ペアは、男女シングルともに、ロンドン1908から実施されているが、アイスダンスは、インスブルック1976から正式採用されており、他3種目と比べて歴史が浅い。また、ペア種目は、この長いオリンピックの歴史を経ながら、より「アクロバティック」なスポーツへと変貌していった。

活躍したメダリスト

カナダのテッサ・ヴァーチュスコット・モイアのアイスダンスのデュオは、バンクーバー2010で金、ソチ2014で団体・個人でともに銀、平昌2018では団体・個人でともに金を獲得している。

また、イリーナ・ロドニナ(ソビエト連邦)は、3大会連続でオリンピック金メダルを獲得した唯一のペア選手だ。

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